ファンタジーを読む (岩波現代文庫 〈子どもとファンタジー〉コレクション 2)

著者 :
制作 : 河合 俊雄 
  • 岩波書店
4.17
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本棚登録 : 69
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032555

作品紹介・あらすじ

ファンタジー文学は空想への逃避ではなく、時に現実への挑戦ですらある。それは妄想ともつくり話とも違う。すぐれたファンタジー文学は、読み手自身のファンタジーを呼び起こし、何らかの課題をもって読み手に挑戦してくる-。心理療法家が、ストー、ゴッデン、リンドグレーン、ギャリコ、ピアス、ノートン、マーヒー、ル=グウィンの名作を読む。

感想・レビュー・書評

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  • 2階心理学C : 909/KAW : 3410161636

  • ファンタジーの舞台こそ、たましいのこと。アリエッテイの物語についての記述がハッとさせられた。それは何の役にも立たないかもしれないけど、失ってはいけないもの。現代科学の時代に、たましいの世界がアリエッテイの小人のように小さな存在になっていても。

    以下印象的な引用。
    物語る、ファンタジーとは「無意識から湧き出てくる内容に対して、意識が避けることも圧倒されることもなく対峙し、そこから新しく生み出されてくるもの」
    「魂そのものは捉えられないが、たましいのはたらきそのものは、常にわれわれの周囲に起こっており、それをある程度把握して他人に伝えるには。ファンタジーというのが極めて適切な手段となるのである」

  • 児童文学・ファンタジーの紹介…だが、ばっちりあらすじ及び結末に触れているので、ネタバレを気にされる方は注意した方が良いかも。私は「マリアンヌの家」「はるかな国の兄弟」「足音がやってくる」が未読だった。が、ストーリーが分かっていても、面白そうな本は、面白そう。実際にどういう風に物語られてているのか、読みたくなった。

    既読の本に関しては、良いおさらい。ひとつひとつの事象が心理学的に分析されていて、なるほどと思う。作者はどこまで意図的だったのか。無意識だったのか。
    ゲド戦記に関しては、意図的に組み込んだのかなとも思う部分もあるけれど、本能的な部分もあるのではないかと思う。
    しかし本能が働くのは、恐らく物語の骨格がしっかりしているからだ。名作には大概、そういうことが言えるのかもしれない。

  • 今後読むであろうファンタジーのガイドブックとして読んだ。まずまず。

  • 海外ファンタジー(主に児童文学に分類されているもの)の名作を河合隼雄が紹介。ここに紹介されている本はどれも有名だがまだ未読だった。しかもあらすじ知ってますます読みたくなった。

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著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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