大人になることのむずかしさ (岩波現代文庫〈子どもとファンタジー〉コレクション 5)
- 岩波書店 (2014年2月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006032586
作品紹介・あらすじ
変動する現代社会において、「大人になる」ことは容易なことではない。青年は、大人になろうとして、しばしば自殺・心身症・家庭内暴力などに見られるように、心とからだに深い傷を負う。著者は、カウンセラーとしての豊かな体験をもとに、青年が直面している問題を考え、大人がつきつけられている課題を探る。
感想・レビュー・書評
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モデルが無いことを認識し、モデルの無いところで自分なりの生き方を探っていこうとし、それに対して責任を負える人が大人であるーー。
前作「子どもと悪」に続いて読了。
いつの間にか身体的、社会的には大人になってしまった。
だが、精神的にはどうだろうか。
自分の拠り所とする世界観を持っているだろうか。
複雑・多様化する現代において大人になることの難しさを問う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいて難しいというよりも、苦しいと感じるのは、著者の力量で、読者が否応にも関係者として引っ張りこまれてしまうからではないだろうか。しかし、それがおそらく「正しくて自然な」こころの反応であろうと思う。
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話としては、さまざまな価値観の変化の時代だからどれにも囚われることなく、さまざまな価値観を取り入れよう。男女、おとな等々の役割や関係性から逃げ回るのも固執するのもほどほどにしようという話なのだけど、例ゆえか、なぜかしみる。
年をとればとるほど、あるいは年齢に応じて、例がしみてくるようになるのかもしれない。 -
(1983年9月26日発売)の方を読みました。
https://booklog.jp/item/1/4000043722
文庫化にあたり、補論として「母性社会日本の“永遠の少年”たち」を付け加えた、とあります。 -
歳は取ったがあまり大人になった気がしないなーと思って手に取ってみた。「大人になる」ことと、日本人の自我に対する意識について、西洋など他文化からの考察が面白い。「自分探し」が続く限り、大人にはなり切れないのだろうか。
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来週の勉強会に向けて‼️
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まあたしかにちょっと古さを感じないこともないが、青年期をどう考えるかについて、とても参考になる本。