- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006032623
作品紹介・あらすじ
なぜ日本人は死ぬまで働くのか。なぜ過労死は依然として減らないのか。本書は過労死問題の第一人者がこの四半世紀を踏まえて、働きすぎのメカニズムを検証する。労働時間について、会社のあり方について、その実態を正確につかむことがまず求められている。過重労働とストレスがもたらされる要因を具体的に解明し、過労死・過労自殺をなくす方策を展望した本書こそ、全勤労者とその家族必携の一冊。
感想・レビュー・書評
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同シリーズの熊沢誠の本に比べて概説的
どちらかといえば熊沢本のほうが好き詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の長時間労働の実態、過労死研究、実際の過労死事件や過労死対策に一貫して取り組んできた著者の長年の労作ともいうべき著書。データを交えて分かりやすく書かれており、しかもこれまで著者が取り組んできた情熱が迸り、読者にも事の重大さがヒシヒシと伝わってくる。残念ながら故人となった今、著者は、やっと途についた「働き方改革」をどう見ているのだろうか。
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公平な契約や法体制で成り立っているはずの現代日本において、過労死がなぜ生まれるのか。一つ一つのケースとその背景・構造を我が身に引き当てながら、重い気持ちで読み進めた。
基本法の制定に加えて、男女雇用機会均等や介護の問題と同様に一人一人の意識の変革が必要な問題であると感じた。
追記:「過労死等防止対策推進法」が本書発行後の2014年11月1日より施行されている。
・ILOの有給休暇条約
・賃金不払い残業は最大の企業犯罪
・豊田労基署の相談員に豊田関連の天下りOBがいたという問題。
・労働者の権利の軽視と消費者の利益の重視。
・2012年3月の大卒者のうち、60%が就職者。内定率9割に惑わされてはいけない。
・15~34歳の死亡原因のトップは自殺で、先進7カ国では日本のみ。
・労働基準監督官の圧倒的不足。5%前後の事業所しか見れない。 -
しんどかった…
特に寝る前に読むのはダメ。お勧めしない。
でもみんな読むべき。就職前の子供には、これのダイジェスト版なんかあったらいいな。 -
戦後に本は人権尊重と個人の尊厳が定着する前に企業組織だけが突出して成長し、企業の価値規範が社会生活全般を律するまでになった。35
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ここにこうして改めて過労死について学ぶと、日本という国で働くことが本当に嫌になる。
戦後の高度経済成長のときから、日本人は働きすぎることをむしろ誇りにしていたのでしょうか。
戦後復興のために身を粉にして働く。
それは戦中の意識と大差ないではないか。
お国のため・・・・・・。
経済成長が生んだ負の遺産ともいえる「会社奉公」
お国奉公。
現代もその亡霊に悩まされ続けている。
経済も大事だけど、亡国となってしまっては身もふたもない。