時代を読む――「民族」「人権」再考 (岩波現代文庫)

  • 岩波書店 (2014年5月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032708

作品紹介

二人の碩学が「解釈改憲」の動きと日本の人権と民主主義の状況について語り合う白熱の対論。一九四五年八月一五日、敗戦をどのように迎えたかから始まり、日本人の法意識、西欧と日本の比較、そして現在の日本の到達点に及ぶ。西欧から継承した憲法文化をもう一段高いところへ発展させることこそが、日本のアイデンティティになりうるとする。

時代を読む――「民族」「人権」再考 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 【目次】
    目次 [iii-vi]

    プロローグ 001
      『美女と野獣』とGI 
      解放感と敗北感――敗戦 
      戦後改革の意味するもの
      日本の「伝統」と天皇制
      「憲法」という文化 
      「近代知」は終わったのか
      「解釈改憲」をめぐって

    第一章 自由と平等か/自由か平等か 033
      戦前と戦後――西洋と日本 
      「同じだから平等」か「違うから平等」か 
      異論の自由
      民主主義的傾向の「復活強化」
      「古典」の意味は
      被害感情の欠落
      知の虚栄がなくなった
      「建て前社会」なのか
      キリスト教とマルクス主義のインパクト

    第二章 対外関係の中での憲法 081
      なぜ憲法を「押しつけられた」のか 
      「国体」の護持 
      「ヨーロッパ中心主義」か?
      日米安保――その建て前と本音
      全面講和論をふり返る
      米中と日中の関係
      「国際紛争」とは
      核――政策の問題か、倫理の問題か 
      持っている国が核を減らすこと  

    第三章 ネイション・ステート(国民国家) 125
      ネイション――デモスかエトノスか
      政教分離の意味すること 
      ネイション・ステートの動揺
      「脱亜論」再考
      文化の発生地と内容の区別
      戦争と民主主義
      「主権」の問題
      あらためて第九条を考える
      理想に近づくための有利な現実的条件
      軍の倫理と民主主義――徴兵制をめぐって
      ナショナリズムをめぐる「右」と「左」

    第四章 日本人のアイデンティティ 175
      「普通の国」をめぐって 
      「雑種文化としての憲法」の可能性 
      時代錯誤としての「近代の超克」
      「共同体」の正と負
      ヨーロッパの「悲観主義」をめぐって
      多数の専制に抗して
      「空気」の圧力
      ほんとうの「近代の超克」にむけて

    参考文献 [211-212]
    あとがき(一九九七年四月 憲法施行五〇周年を前に、在北米の加藤周一にかわって 樋口陽一) [213-214]
    岩波現代文庫のための追補(二〇一四年三月 樋口陽一) [215-224]

  • 約20年前に行われた日本を代表する知性の対話。憲法の解釈改正という問題が当時も話題になっていたのか?あまりにも今日性があり驚く!「押し付け憲法」とは、なぜ押し付けられざるを得なかったかの状況説明に納得。美濃部達吉、宮沢俊義、清宮四郎たち日本を代表する民主的憲法学者たちもまさかこのような民主的な憲法が日本で実現するとは夢にも思っていなかった!感動した!との清宮の弟子・佐藤功の話が紹介される。正に敗戦は解放だったと受け止めた人も多いのだ。一方、ドイツでは解放だというコンセンサスがあるという。何ゆえ「押し付け」を捨てようとするか、西洋からの民主主義や男女平等そのものもそう考えているのか!と意志をますます疑いたくなる。日米同盟という言葉を使いたがる人ほど、米デモクラシーが好きでないという樋口の指摘、そして普通の国を目標とする人たちは、軍隊以外は普通だと思っているのかとの加藤の指摘は辛辣!そして痛快!

  • 加藤周一の相変わらずの見つめる目の鋭さと分析力。わかりやすく感心して読みました。
    集団的自衛権という拡大解釈がまかり通ろうとする昨今。生きていたらどのような評論を書いただろうなぁ。

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