日本海軍はなぜ過ったか――海軍反省会四〇〇時間の証言より (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032883

作品紹介・あらすじ

戦後三五年を経て密かに始められた「海軍反省会」。部外者には非公開だった会の記録が、録音テープに残されていた。その長さ、四〇〇時間。海軍トップエリートたちの実像や、戦争突入への実際の経緯などが生々しく語られていた。勝算もないまま、なぜ日本は、戦争へ突き進んでいったのか?反省会の肉声の証言がもたらす衝撃をめぐって繰り広げられた白熱の議論、そして戦後七〇年への思い。

感想・レビュー・書評

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  • 澤地氏は忸怩たる思いだったでしょう。
    海軍反省会が貴重な証言となったのは、反面教師的なものでしょう。

  • 戦後三五年を経て密かに始められた「海軍反省会」。部外者には非公開だった会の記録が、録音テープに残されていた。その長さ、400時間。海軍トップエリートたちの実像や、戦争突入への実際の経緯などが生々しく語られていた。勝算もないまま、なぜ日本は、戦争に突き進んでいったのか?反省会の肉声の証言がもたらす衝撃をめぐって繰り広げられた白熱の議論、そして戦後七〇年への思い。(親本は2011年刊、2015年一部加筆、文庫化)
    ・はじめに
    ・海軍反省会と、その記録について
    ・1 海軍反省会、生の声の衝撃
    ・2 海軍という組織
    ・3 海軍はなぜ誤ったのか
    ・4 戦争を後押ししたもの
    ・5 海軍反省会が伝えるもの
    ・次世代へ伝えたいこと
    ・おわりに

    戦史に造詣の深い3人による対談。澤地氏と半藤氏は子供ではあったが、実際に戦争を体験した世代である。「佐官クラスの中堅方たちというのは部署部署に分かれていますから、知らない面は全然知らない」ということや、「第一委員会というものをつくったこと自体が、対米衝突を見込んだ準備に近い」という見方など、いろいろ示唆に富んでいて面白い。

  • 死ぬ時に後悔しないようにいろいろなことを学び取って欲しい。
    澤地久枝の言葉に尽きます。

  • 「海軍反省会」の記録をめぐっての議論をまとめたもの。
    海軍反省会とは戦後35年過ぎてから、海軍の関係者が当時を非公開で語ったものだ。不思議なもので沈黙を保ってはいても、人は時間が経つと語りたくなるものらしい。そして非公開でやったものも語った人間が鬼籍に入ったことで公開しようということになったらしい。
    35年前の記憶なので客観的な事実かどうかも分からない。でも軍は勝算がないことは分かっていた。そして一般の人間は勝てると思わされていた。ここだけでもやっぱりダメだったなぁ。そしてそれは今も同じだし、世界中どこだってそうなんだろうな。

  • 読む前に基礎知識を仕入れておいたほうが良いだろうが、いずれにせよ、こういう本は現代人として読んでおくべきと思う

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著者プロフィール

澤地久枝(さわち・ひさえ):1930年、東京生まれ。その後、家族と共に満洲に渡る。ノンフィクション作家。1949年中央公論社に入社。在社中に早稲田大学第二文学部を卒業。著書に『妻たちの二・二六事件』『火はわが胸中にあり』『14歳〈フォーティーン〉』『昭和とわたし』など多数。『滄海よ眠れ』『記録ミッドウェー海戦』でミッドウェー海戦を克明に跡づけるとともに、日米の戦死者を掘り起こした功績により菊池寛賞受賞。2008年朝日賞受賞。

「2023年 『記録 ミッドウェー海戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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