食べかた上手だった日本人――よみがえる昭和モダン時代の知恵 (岩波現代文庫)

著者 :
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032920

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  • 食文化研究家の筆者が、昭和初期の日本人の食生活をイラストやレシピと共に解説する。エコという言葉などなかった時代に、手に入るものを余すところなく使いきっていた生活の知恵が溢れている。

    スーパーなどで「ほぼ完成品」を気軽に手に入れて生活している者からは手間がかかるように思えるが、筆者曰くは「慣れれば手間でもない」ものらしい。添加物を使わずカラダに良い、ということにはあまり興味はないが、試してみたいと思わせる語り口がよい。

    日々の生活にもっと時間的なゆとりがあれば、試してみたいものだ。

  • 昭和初期、戦前期の食生活を当時の雑誌のレシピや台所用品から振り返っている。もともと大正から昭和前期、いわゆる戦前のモダンな時代の風俗に興味があって、「戦前」というと灰色なイメージでとらえられがちだけど、実はとてもおしゃれでカラフルな時代だったのではと思っているので、その確信を深めてくれるテイストの本だった。
    とはいうものの、当時の食事は全般的に動物性たんぱく質が少なめ。もっと前の時代からだろうけど、こういう食生活が日本人の体格を貧相にしているのだろうなあと思ったり。
    とはいうものの、そういう自国でまかなえるものを食べて暮らしていたからそれなりの自給率があったよう。考えてみれば当たり前のことで、昨今この国の食料自給率が低いのは、外国由来の食物を食べ過ぎているからといえるだろう。日本ほどバラエティ豊かな食卓はほかにない……っていうか、他国は家の食事なんて常備菜でいつも同じもの食べるものだろう。毎日違うものを食べようとしてれば、バラエティ豊かになり自給率も下がるわなあ。よって、自給率を高めるのなんて簡単じゃん。
    卓袱台検証も面白かった。その由来は長崎のしっぽく料理を食べるための台だったとか。そういえば、しっぽくってまさに「卓袱」って書くじゃん。卓袱台の脚は天板の大きさに収まらないといけないから、意外と低かったっていうのも発見。これによって、星一徹のちゃぶ台返しの迫力も半減したわ。
    検証している内容も面白いんだけど、文体が面白くてそれが気楽にページをめくる助けになった。いくら内容が面白くても、このテの本をわりと読んでいることもあって、いわゆる「岩波現代文庫」的に書かれていたら途中で食傷してたかも。

  • 読みにくい文体。気付かせてくれることが多い内容でした。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00249749

  • 配置場所:2F文庫書架
    請求記号:383.8||U 79
    資料ID:C0036936

    昭和の食卓はある意味現代より豊かだったのかもしれない(スタッフ)

  • 色々な「オタク」があるものだなぁ。
    昭和初期の食卓風景がよくわかりました。

  • 質素だけど自然に逆らわない生活。エコです。

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著者プロフィール

1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『国民食の履歴書――カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが』『刺し身とジンギスカン――捏造と熱望の日本食』『台所に敗戦はなかった――戦前・戦後をつなぐ日本食』『昭和珍道具図鑑――便利生活への欲望』(いずれも青弓社)、『食育のウソとホント――捏造される「和食の伝統」』『食のリテラシー』(ともにこぶし書房)、『食べかた上手だった日本人――よみがえる昭和モダン時代の知恵』『食ベ物の声を聴け!』(ともに岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人――日本の食文化激変の50年史』(朝日新聞社)など。

「2023年 『幻の麺料理 再現100品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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