ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言 (岩波現代文庫)
- 岩波書店 (2016年2月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006032968
感想・レビュー・書評
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たかがインタビューとは思えない。
聴くこと、聞き出すことの難しさ。
語られることだけで大きな感動があります。 -
子どもの視点からの戦争。絶対戦争を許してはいけない
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第二次世界大戦時に子どもだったベラルーシの人々の記録。あの戦争でベラルーシは全人口の四分の一を失った。
ドイツ軍が金髪碧眼の子どもを誘拐して、血液を採取する話がたくさん出てくる。
子どもを何かの実験に利用したのかと最初は思ったけど、もしかしたら軍人たちのための献血を強制的にさせていたのかもしれない。その血液採取のために、大勢の子どもたちが亡くなったようだ。 -
ソ連で第二次世界大戦を生きた子供達をインタビューした本。
戦争は誰が起こしたのか、と一言で言えるものではないが、少なくとも子供達は完全に巻き込まれた被害者であることは間違いない。
そんな子供達の視点だからこそ、戦争の悲惨さがわかる。
自分は良い大人だが、勇ましくもなんともないので、祖国のために戦った女達より、ただひたすら運命に流された子供達の方が共感し、戦争の恐怖を感じた。
ソ連で第二次世界大戦を生きた女達を書いた「戦争は女の顔をしていない」は、戦後の「戦争に参加した女性に対する社会の扱い」「大祖国戦争という祖国を守った誇らしい戦争であり悲惨さより栄光を伝える社会」など問題点にも焦点があたっていたが、こちらは戦争の悲劇が主な焦点だと思える。 -
文句なし名作
こういう本好き
『悪童日記』思い出した -
戦争は女の顔していない」に続くスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの2作目。
独ソ戦で大きな被害を受けた白ロシアの子供たちの証言集。
そのまま読んでも相当なものだが、大木毅「独ソ戦」などで背景を知っておくと、彼らが置かれた状況がいかに過酷だったかがよくわかる。 -
誰もが読みなきゃいない本。
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★4.0
ナチス・ドイツの侵攻を受けた当時に少年少女だった、ソ連白ロシア(ベラルーシ)の子どもたちの証言集。個々が覚えていることは断片的で、当然ながら個人的なものばかり。それでも、全ての証言から切実さと深い悲哀、大きな痛みが感じられる。記憶は改竄されるものなので、子どもたちの語りの一部は補正されたものもあるかもしれない。が、例え補正があったとしても、子どもたちに強い衝撃を与えたのは紛れもない事実。そして、本書で語ることが出来た子どもたちだけでなく、命を落とした多くの子どもたちが居たことも忘れてはならない。