ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言 (岩波現代文庫)
- 岩波書店 (2016年2月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006032968
感想・レビュー・書評
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これが戦争か、とひしひし感じる
平和に暮らしていたある日開戦し、わけもわからぬまま
逃げ出し、場合によっては捕まり、銃殺され
理不尽な非日常が日常になっていく
子供の目線でのことなので
誇張もなにもなく、あったことをそのまま
ありのままに淡々と書かれているので
本当にこれが戦争なのだ、と思える一冊
語り継ぐべき記憶が埋もれず本になってくれたことに感謝
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2016.03.23
ノーベル賞作家アレクシェーヴィチ『ボタン穴から見た戦争』読了。ナチスに侵攻された白ロシア(ベラルーシ)の当時の子供達101人の証言。あまりの残酷さに何度も中断した。そんな状況下での人間の優しさに何度も涙。読書中の電車でも涙。前も言ったが彼女がノーベル賞で選ばれた意義は大きいと思う -
ソ連で第二次世界大戦を生きた子供達をインタビューした本。
戦争は誰が起こしたのか、と一言で言えるものではないが、少なくとも子供達は完全に巻き込まれた被害者であることは間違いない。
そんな子供達の視点だからこそ、戦争の悲惨さがわかる。
自分は良い大人だが、勇ましくもなんともないので、祖国のために戦った女達より、ただひたすら運命に流された子供達の方が共感し、戦争の恐怖を感じた。
ソ連で第二次世界大戦を生きた女達を書いた「戦争は女の顔をしていない」は、戦後の「戦争に参加した女性に対する社会の扱い」「大祖国戦争という祖国を守った誇らしい戦争であり悲惨さより栄光を伝える社会」など問題点にも焦点があたっていたが、こちらは戦争の悲劇が主な焦点だと思える。 -
戦争は女の顔していない」に続くスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの2作目。
独ソ戦で大きな被害を受けた白ロシアの子供たちの証言集。
そのまま読んでも相当なものだが、大木毅「独ソ戦」などで背景を知っておくと、彼らが置かれた状況がいかに過酷だったかがよくわかる。 -
★4.0
ナチス・ドイツの侵攻を受けた当時に少年少女だった、ソ連白ロシア(ベラルーシ)の子どもたちの証言集。個々が覚えていることは断片的で、当然ながら個人的なものばかり。それでも、全ての証言から切実さと深い悲哀、大きな痛みが感じられる。記憶は改竄されるものなので、子どもたちの語りの一部は補正されたものもあるかもしれない。が、例え補正があったとしても、子どもたちに強い衝撃を与えたのは紛れもない事実。そして、本書で語ることが出来た子どもたちだけでなく、命を落とした多くの子どもたちが居たことも忘れてはならない。 -
「戦争は女の顔をしていない」をとても興味深く読んだので、同じ著者の本が読みたい…と読んだもの。子供の頃にこんなに耐え難く悲惨で怖い時間を過ごし、それでも生き抜いて証言してくれた101人の人達に、話をしてくれてありがとう。
言葉の意味やニュアンスがわからないまま読み進めているところが多々あるので、そういうものもちゃんと理解しとかないとほんとはイカンのだろうなぁ…
この著者の本、出てるものは全部読んでみたい