村山富市回顧録 (岩波現代文庫)

制作 : 薬師寺 克行 
  • 岩波書店 (2018年1月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006033064

村山富市回顧録 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・開架 B1/8-2/306/K

  •  2012年刊行の単行書の文庫化。聞き手の編者・薬師寺克行は元朝日新聞記者、村山内閣当時の官邸クラブキャップ。題字は村山本人によるもの。じつに味があるよい字を書く。

     大分の貧しい漁村で、11人兄弟の六男に生まれた人物があれよあれよという間に総理大臣にまでのぼりつめていく。さしずめ現代の豊臣秀吉というところだが、その語り口からも、無欲恬淡さとしたたかさ、筋を通すところと大胆な妥協を厭わないところが共存する深みのあるパーソナリティが滲み出ている。ギラついた個性もカミソリのような切れ味もないように見えるから、ある意味では担がれ、与しやすいと見られていたのかもしれない。しかし、いま改めて振り返れば、土井たか子と並んで、戦後の社会党を代表する政治家となっていたことは疑えまい。
     それにしても、歴史の巡り合わせは面白い。1995年の「戦後50年」が村山内閣で、2011年の「東日本大震災・東京電力福島第一原発事故」は菅内閣だった。すなわち、おそらくは自民党の保守政治家がどうしても権力を握っていたかったタイミングは、1955年以後ほんとうにわずかしかない非自民党政権の時期だったのだ。運命のいたずらか、それとも、歴史の狡知というべきなのか。

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