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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784006033187
作品紹介・あらすじ
科学は文化? もちろん! ならば楽しまなきゃ。博物館の起源から、ファラデー、ダーウィン、寺田寅彦、中谷宇吉郎、グールド、福岡伸一などの科学エッセイ、村上春樹、「007」などの文学が素材。泡の秘密が隠された、シャンパングラス片手におしゃれな会話が楽しめる。科学教育のあり方や疑似科学も俎上に。解説=最相葉月。
みんなの感想まとめ
科学と文化の交差点を探る本書は、著者の豊富な知識と巧みな筆致によって、難解な科学のテーマを分かりやすく解説しています。進化論や科学リテラシーの重要性が語られ、読者は科学が社会に与える影響を考えさせられ...
感想・レビュー・書評
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進化論は証明できない理論である。にも関わらず、生物学の範疇を越えて物の考え方に影響を与えた。社会進化論がそれである。そんなインパクトを持つ進化論を理解したいと思って、『ダーウィンの遺産』という本を購入した。その著者が渡辺政隆であった。1955年生まれのサイエンスライターであり翻訳家の渡辺は、1985年に東京大学大学院博士課程を修了した。専門は進化生物学であるから、まさに進化論を語らせたら右に出る者はいないのではないかと思っている。
本書『一粒の柿の種』は2008年に出版された単行本の文庫化である。科学エッセイであり、著者の豊富な知識と確かな筆力が融合した一冊である。文章がうまいので引っかからずにすんなり頭に入ってくるが、大事な視点が随所に散りばめられている。
科学は進歩し「神の領域」に至っている。その科学をどう使うか、どう管理するかには国民の意思が必要だが、科学があまりにも高度で一般人には難しい。そこで必要なのがサイエンスコミュニケーションであり、サイエンスコミュニケーターとしての著者の本領が発揮されている一冊である。
※解説は『絶対音感』の最相葉月。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
渡辺政隆「一粒の柿の種」読了。寺田寅彦や中谷宇吉郎へのオマージュを感じられ素晴らしかった。科学リテラシーの向上を説く著者に同感するとともに、科学への理解がもっと深まった社会が実現すれば、多くの人の幸福感が高まるはずだ。科学がそれを生業とする人だけでなく広く社会に浸透する事を願う。
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科学が隔世のものとなりつつ社会において、社会に文化として科学が根差すとはどういうことかを語る科学エッセイ。
「銃、鉄、病原菌」や光文社新訳古典文庫の「種の起源」を翻訳した著者であり、一般のレベルに落とし込んだ科学の語り口は大変読みやすく、誰でも肩肘をはらずスラスラ読める。
本書で特徴的なのは、「身近に科学が溢れているよね」と雑学本のようなことは言うものの、「それでも科学と人々の間に距離が生じている」ということを素直に認めて論じるところ。
科学者のエッセイというのは、多くが「大丈夫だよ〜科学は面白いよ〜身近だし簡単だよ〜」と赤子をあやすかの如く迫りがちな気がする。
対して本書は、科学(者)と人々との間の溝があることを前提にしているから、単なる綺麗事でなく説得力を感じる。
本書によると、「サイエンティスト」とは、元々は科学の知識を人々に広める役割を担う者を指す言葉として生まれたという。
それが今やサイエンティストといえば、専門家、プロフェッショナルであり一般人とは違う世界の人間であるかのように思われがちであることを著者は嘆く。
カルチャーとは、古くは教養、学問と文化の両方を意義として含んでおり、サイエンティストはまさにその架け橋たる存在であったという。
そういった本来的な意味のサイエンティストが今こそ求められており、それらの人物を「サイエンスライター」と呼び、育てることが必要であろうというのが本書を通じての著者の主張である。
「素人は知らんだろう」と偉ぶるでもなく「教えてあげる」と降りていくのでもなく、相互にコミュニケーションを取ることがカルチャーを守り育てていくのだという著者の主張には私も同意である。
私は、科学ではないが法律をかなり専門的に勉強した経験がある。
知らない事柄について「教えてくれないんだから知らなくても仕方ない」とか専門家の押し付けに嫌気がさして、知識もないのに独自の世界の考えを自信満々にぶち上げる素人、自分は専門家なのだという自尊心に囚われてプロフェッショナルとしてコミュニケーションをとる能力を欠く専門家には心当たりがあるどころではない。
そうは思いつつもそこのギャップを埋めることが出来なかった私も同類であり、もどかしさのようなものを感じることがしばしばある。
文化として自然にその知的体系について(程度の差はあれども)素養を得られること。
それこそが豊かな社会を実現するのだという当たり前と言えば当たり前のことだが、それを実践する著者の姿勢に頭が下がる。
ロウソクの科学などが流行ったのも、そういう需要があることを物語っており、著者の主張を裏付けているだろう。
あと個人的な趣味の話でいえば、ゲームやら漫画やらでフィクションでも説得力を持たせるには、やはり本書で語るようなやカルチャー」が必要だなぁというのは常日頃感じているところ。
創作をする人には一度読んで欲しい本。 -
東2法経図・6F開架:B1/8-2/318/K
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サイエンスコミュニケーションの大切さも難しさも、身にしみるようにわかる。大切さは言うまでもないが、渡辺のこういった文を紡ぐ力がなければ、サイエンスで多くの人の胸を揺さぶるのは、極めて難しかろ。
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