中国報道の読み方 (岩波アクティブ新書 18)

  • 岩波書店 (2002年3月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784007000188

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  • 本書は読売新聞の特派員として中国に30年近くいていた著者が自身の経験を基づいて、日中関係、米中関係、台湾問題、靖国問題など、中国報道をどう読むのかを論じている。
    六章に分けられた本書は、まずなぜ中国が「分からない国」になったのかを第一章で紹介し、第二章から第四章までは、日中関係、米中関係など、具体的な例を挙げてそれぞれの報道を解説する。第五章は、新しい中国の政治政策を分析して、中国の経済動向を予測する。最後の章では中国メディアの課題を指摘して、自分の中国報道の取り方を紹介する。
     その中で、最も詳しく読んだのは第一章と第六章である。この二章では、両国のメディアは相互理解を促すどころか、必要以上に摩擦を高める役割を演じる根本的な原因について論じられた。それは、中国は依然として共産党の一党独裁制を取り、両国が異なった体制の下にあることからくる。特に中国では、当局の政策、方針と異なる世論が抑えられてきたし、また異なった世論がメディアを通して公表されることもあり得なかった。この点について、今もよく指摘された。もちろんインターネットでの言論は以前より自由になったが、主要なメディア機構は変わらず、共産党中央の宣伝部門として、大きな権限を有していない。また、国際の動向より、芸能人のゴシップ事件はもっと注目が払われてきた。
    本書はもともと日本人のために書かれたが、逆に中国人の私達を反省させることも多かった。「報道改革を進めなければ、内外でのコミュニケーションギャップを、中国のメディアが拡大しかねない状況は克服できない」。著者が分析した通り、今は中国のメディア政策を転換すべき時代だと思う。この意味で本書を薦めたい。

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著者プロフィール

神戸市生まれ。都立大泉高校、東京外国語大学中国語学科卒。
1972年、読売新聞社入社、テヘラン、上海、北京特派員を歴任、論説委員を最後に1999年退職。イラン・イラク戦争、ホメイニ革命、胡耀邦失脚事件、天安門事件、鄧小平死去及び中国の改革・開放政策の展開を現地で取材。
2000年北海道大学大学院国際広報メディア研究科教授、2012年同大学名誉教授。同年桜美林大学リベラルアーツ学群教授。2019年退職。
中国メディア研究を中心に、日中関係、現代中国を論じている。


◯ 主著

単著/ 『甦る自由都市上海』(読売新聞社、1993年)、『中国情報の読み方』(蒼蒼社、1996年)、『21世紀中国の読み方』(蒼蒼社、1998年)、編著『現代中国を知るための55章』(明石書店、2000年)、『中国報道の読み方』(岩波書店、2002年)、『中国文化強国宣言批判』(蒼蒼社、2011年)

共著/ 『「中国」の時代』(三田出版会、1995年)、『新聞ジャーナリズム論』(桜美林大学北東アジア総合研究所、2013年)

共編著/ 『日中相互理解のための中国ナショナリズムとメディア分析』(明石書店、2005年)

共訳/ 『中国における報道の自由』(桜美林大学北東アジア総合研究所、2013年)

「2024年 『民族自決と非戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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