戦下のレシピ: 太平洋戦争下の食を知る (岩波アクティブ新書 37)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784007000379

作品紹介・あらすじ

雑炊、すいとんだけではなかった戦争中の多彩なメニュー。米がない!食料がない!そのとき人々はどうしたか。日中戦争、太平洋戦争、敗戦までの食生活史を網羅。こんなものまで食べていた!究極の非常食を再現。戦争中の味がリアルに体験できるレシピ満載。写真で見る戦争中の暮らし。食べられる野草図鑑つき。「ぜいたくは敵だ」の時代の台所と食卓に迫る読めて使えるガイドブック初登場。

感想・レビュー・書評

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  • 単純にこんな食生活、耐えられないなぁと。国会議事堂の周辺ですら芋畑。1940~48年で14歳男女の平均身長-10㎝、平均体重-8㎏の衝撃! 著者もあとがきで触れているが、戦争に突入しないように政治や国家とどう向き合うか...。歴史が教えてくれている。
    「よしこちゃんが やけどでねていて とまとが たべたいというので お母ちゃんが かい出しに いっている間に よしこちゃんは 死んでいた いもばっかし食べさせて ころしちゃったねと お母ちゃんは ないた わたしもないた みんなも ないた」

  • 昭和のモダンな食生活から戦前、戦中の食事まで、婦人雑誌に掲載された料理紹介や、レシピ等を元に、その頃日本人が何を食べていたのか、何を食べるようにしむけられていたのかを調べ、まとめた本。

    うどんかん、鉄兜マッシュって…なピントのずれ具合とか、節米料理はなぜ必要だったのかとか、さらっとおもしろかった。

    2014.5.3ブクブク交換本。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ピントのずれ具合」
      戦時下と言う非常事態でも、軍の偉い方々は、苦労されてなかったようだし、そんな欺瞞に満ちている日本を批判的に見たからじ...
      「ピントのずれ具合」
      戦時下と言う非常事態でも、軍の偉い方々は、苦労されてなかったようだし、そんな欺瞞に満ちている日本を批判的に見たからじゃない?(な訳ないか)
      2014/05/09
  • 今日の昼はインドカレー。家にはタイ米が常備されているが、タイ米などは国産の米よりも高かったりする。昔は記録的な米の凶作だったのか、日本米が少なく、一時期はタイ米が出回っていた時代を覚えてる。親が不味くて食べれないと言いながらも手に入る米の全量が少なくなれば、それもやむを得なかった。それでも食えずにお腹が減るなんてことを生まれてこの方経験した事は無い。因みにしっかり食べていたのに四六時中お腹が減った気がしていたのは高校生の頃だけか。
    本書を読んでいると如何に戦下の食料事情が悪かったか理解できるが、親から聞いていた事情よりも更に酷かったことを知る。親は農家だったから米には困らなかったらしいが、甘いものには飢えていたと聞く。占領後は父の家の近くまでアメリカ占領部隊が来ていたらしく、映画で見るようなサイドカーの上からチョコを配るというのも体験したと聞く。本書では太平洋戦争前から戦争中、そして戦後と食糧事情を把握するのに婦人向け雑誌を紹介している。戦争が厳しい状況に追い込まれるにつれ、節米に始まりレシピは徐々に食べられるならなんでも構わない状態になっていく。日本近海はアメリカの潜水艦部隊がウヨウヨ居たからそもそも日本に船で食料も運べない。米などは配給制に変わりそれでも足りずに闇市場で何十倍の価格に跳ね上がる。だから庶民は道端の草や虫まで食べ始める。驚いたのは国もそうしたことを推奨したし、前述の婦人雑誌にもそれらの美味しい食べ方が出る程だった。
    今は飽食の時代。普通に働いてさえいれば、毎日美味しいものを幾らでも食べれる時代になった。過去日本に本書の様な食の苦しい時代があり、それを乗り越えた親世代のおかげで今がある、そのありがたさを感じられる一冊だ。

  • 興味があったので購入していたのですがずっと積ん読になっていました。読みはじめてみたらサクサク読めて、案外あっさりと読了。
    いや、この時代に生まれて本当に幸せだな…と思うくらい、終戦間近にはもうなんでもかんでも食べないといけなかったんだな…でも雑誌に乗ったレシピはこったものも意外とあるんだな。

  • 新書文庫

  • レビュー省略

  • タイトルからは、貧しい食のイメージを持つけれど、なかなかどうして、工夫に満ちたレシピも載っています。アウトドア、節約料理にも通じるアイディア料理、カサ増し料理の数々。今でも、食い詰めた時に役立ちそうです。
    戦争初期の、戦意高揚レシピ?なども写真付きで載っており、当時の都会と農村の食比較などにも言及されていて、食文化史としての側面も。読み物としても興味深かったです。

  • (駄々猫さん)

  • レシピではない。切羽詰まった状況下の説明なのに、暗くさせないため?文章が少し笑える部分あったり。戦争でなくても、被災時なども参考にしたいと、心に留めておく。

  • 昔の人は米を一日3合半も食べていたのか・・
    食べすぎだろっ そら節米だわな、なんてね。
    たしかに、おかずがない時の米の消費量ってはんぱない。
    戦時中の雑炊にすいとん、サツマイモの茎下のイメージしかなかったけれど婦人誌でレシピを追うとおもしろいな。

    本で見るだけじゃなく、実際に食べられる施設があると面白いかも。原爆資料館や歴史博物館の食堂とか。

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著者プロフィール

1956年新潟市生まれ。文芸評論家。1994年『妊娠小説』(筑摩書房)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で小林秀雄賞。他の著書に『紅一点論』『趣味は読書。』『モダンガール論』『本の本』『学校が教えないほんとうの政治の話』『日本の同時代小説』『中古典のすすめ』等多数。

「2020年 『忖度しません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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