悩みのコントロール術 (岩波アクティブ新書 52)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784007000522

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  • 他人が悩んでいるとすぐ原因を追究したがる人がいる。「どうして?それは、なぜ?」原因を究明して、それを解消すれば、悩みは消えると思っている。そういう人は「こうすれば、ああなる」、原因と結果が1対1に対応していると考えている。人の悩みというのはそう簡単なものではない。きっかけになることは確かに何かあったのかも知れない。でも、それ以上に、いろいろなことがからみ合って悩みが生まれる。いじめにしても何が原因で始まるかは分からない。不登校も引きこもりも、いろいろなことがからんで、自分ではどうしようもなく身動きができなくなっている。カウンセラーはひたすら悩みを聞いてうなずくだけ。自殺などの緊急性があるものを除くと、悩みを解消する術を提示するわけではない。どちらかというと、悩みを深めるのを手助けする。人は悩むことで成長する。悩むことで自分を見つめ直すことができる。自分を深く知ることで、悩みが少しは軽減される。ピンチをチャンスとかえられるかどうか、それはその人がいかに深く考えるかによるのだろう。私自身、仕事柄、しょっちゅう人の相談にのっているように思う。卒業生の保護者が来られることも多い。頼りにしてもらえるとうれしいものだ。私はたいがいじっと聞いているだけだ。だいたいが話し好きなのだけど、これでなるべく話すのをおさえている方だ。話してくれない生徒に対しては、ついついこちらのことばが多くなりすぎて、いつも反省している。保護者で相談に来られる場合は、たいがいよくしゃべるお母さんが多い。そしてひとしきりしゃべって、話を聞いてもらったことで、すっと肩の荷が下りた気分で帰られることが多い。ときには、「あなたが変わらないと、子どもは変わりませんよ」と言いたくなることもある。でも、ぐっとこらえる。親は親なりに悩んでいる。それを少しでもほぐしてあげられればと思う。自分自身の子育てについては1回きりのもので、他人にえらそうに言えるものでもない。それでもこの10数年、たくさんのケースに出会ってきた。それらと照らし合わせて少しでもアドバイスできればと思っている。ピンチをチャンスにかえる手助けができればうれしい。

  • あまり目新しい話はなかったけどまとまっていた

  • カウンセラーとして気の持ちようを解説してくれている。最後の数ページで神仏と対話し始めてビビった。

  • [ 内容 ]
    本書では、人間はどうして悩むのかを考え、悩みに対応した解決方法や掘り下げ方が述べられている。

    [ 目次 ]
    1 とにかく悩みをほぐそう(悩みがあるから生きている;悩むことは成長への道 ほか)
    2 人の悩みに向き合う(ピンチとチャンス―サポーターの必要性;悩む人への向き合い方 ほか)
    3 自分をよく知る―心のズレに気づく(プライドが高すぎる人、低すぎる人;ズレを修正する ほか)
    4 心はどうなっているか(五感の優位性;ひとはなぜ心を知りたいのか ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「当たるも八卦、当たらぬも八卦」
    書いてることを鵜呑みにしないこと

  • 【要旨】
     例えば、自分の理想と現状とのズレ(ギャップ)などにより悩むことが多いが、悩みを深め、自分と向き合うことが重要であり、それによって一回り成長することができる。
     悩んでいる人には助言(知恵や展望など)を与えてやるとよいが、その効果は限定的である。また、自己イメージと他者からの自分に対するイメージのズレが問題をややこしくすることもある。そのような時には、自分の考え・感情を出さず「鏡」のように相手と同じように反応するとよい。
     心のズレ(すれ違い)に気づくためには、自分のタイプ(内向と外向、思考型と感情型、感覚型と直観型)を知るとよい。ズレに気づいた方が歩み寄ることで、人間関係を円滑にすることが望ましい。

    【感想】
     非常に興味深い本だったが、多少消化不良気味に感じてしまう。「悩みのコントロール」というからには、自分の持っている悩みをどうするかという意味だと思うが、自分の悩みだけでなく、他人の悩みとどう向き合うかまで言及しており、焦点がボケているように感じられた。
     ただし、自分のタイプをよく知るというところは参考になると思う。

    【目次】
    第1章 とにかく悩みをほぐそう
    第2章 人の悩みに向き合う
    第3章 自分をよく知る −心のズレに気づく
    第4章 心はどうなっているか

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著者プロフィール

京都大学名誉教授

「2020年 『[新装版]カウンセリング辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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