野口体操入門: からだからのメッセージ (岩波アクティブ新書 57)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784007000577

感想・レビュー・書評

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  • 速読した。野口体操の考え方ならびに実践法が記載されている。しかし基本となる考え方が現実的でないと思われる。「生きている人間の体は、皮膚という伸び縮み自由な大小無数の穴が開いている袋の中に液体的なものがいっぱい入っていて、その中の骨も内蔵も脳も浮かんでいる」「地球上のすべての存在の共通のそして究極のふるさとは地球の中陰である。その実感は自分自身の重さの感覚が基礎となる」。上記の思考には科学的根拠が乏しく、私の側弯症の治療には向いていないと判断した。

  • 野口体操というタイトル、興味があって図書館で借りました。体操は納得しましたが、それ以上に「からだに対する考え方」に感銘を受けました。身体感覚を甦らす、からだをほぐす、からだを動かす の3つの章立てです。①今の人間は自分の体の変化を感じ取れなくなっている。健診結果に一喜一憂では病気を恐れるばかりで身体感覚は育たない。②医療にはQOLに眼目を置いた治療と自然治癒力の強化を望む。③かたい体では健康になれない。体をほぐすこと。力を抜けば抜くほど力が出る。次の瞬間、動ける筋肉は、今休んでる筋肉だけ。

  • 以前、しばらく野口体操に取り組んだことがある。舞踏をかじっていたときのことだ。野口三千三先生自身の本は何冊か読んでいたが、実際のからだの動かし方などについては詳しい説明がなかった。今回入門書が出たということで、写真の数も豊富なので、すぐに買って読みだした。最初の10ページほどは、カバーと中身が違うのではないかと感じた。多くの読者がそう感じただろうと思う。野口体操を知りたくて本書を手にしたのだから。次第に、著者と野口体操の出会いから、野口先生と三島由紀夫とのつながり、そしてどんなところで野口体操が始められたのかが語られる。この辺は、初めて読んだのでおもしろかった。実際の体操の動きについてはなかなか難しい。ある程度経験のあるものなら、追体験ができて良いのだろうが、初めての人にはどうしていいか分からないのではないだろうか。写真が何枚提示されても、あるいはおそらくビデオを見せられても、なかなかこの動きは実感として伝わらないと思う。なぜなら、子どものころから体育で指導され、良かれと思ってやってきたこととはずいぶんと違うから。結局、自分でいろいろやってみて体得して行くしかないのだろう。間違ったままやってしまうと、からだに悪いと思うけど。私も久しぶりに思い出しながらからだを動かしてみたが、頭の中のイメージと、からだの動きがまったく一致しない。ずいぶんと年も経てきた。からだも固くなった。下手に動かすとどこか痛めそうだ。そして、次の日の朝、筋肉痛に襲われるだけだった。肩が凝らないのが自慢だったけど、ここ数年肩こりがひどくなってきた。からだは柔らかいに越したことはない。自分の出きる範囲で、無理のないように、日々少しずつからだを動かしていきたい。車は運転しないし、普通の人に比べて相当歩いているとは思うのだけど。本書の最後に野口先生82歳、亡くなられる少し前の、「上体のぶら下げ」の写真が載っている。体操の先生に対して失礼かも知れないけど、うーん、やわらかいなあ。

  •  本書は著者の先生が、野口三千三氏が始めた、野口体操と出会うことで今の医療などの問題を考える1章、体をほぐすための基本となる10くらいの原理を解説した2章、実際に体を動かしてみる分解写真が多い3章に分かれている。

    イメージや基本となる理屈を知るには良いと思うが、この手のことはやっぱり習ってみないとその本当の意味がわからないと思う。

  • [ 内容 ]
    身体感覚を甦らせよう。
    液体的な動き、重さとはずみと筋力、曲線と直線、呼吸。
    力を抜きながらストレッチすることの意味。
    からだをほぐすことの意味。
    上体のぶら下げ、腕まわし、尻たたき、おへそのまたたき。
    波の動き、やすらぎの動き、ヨガの逆立ち、尻あるき。
    多数の写真を使った画期的入門書。

    [ 目次 ]
    1 身体感覚を甦らせよう(現代生活とからだ;身体感覚を甦らせよう)
    2 からだをほぐす―野口体操とは(野口体操の身体観;「重さ」と「はずみ」と「筋力」と ほか)
    3 からだをうごかしてみよう(上体のぶら下げ―動きの手ほどき、からだほどき;腕まわし ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 読むだけでは理解しにくい…習いに行きたい

  • 野口体操という名前は聞いたことがありますが、内容を知らないので興味を持って読んでみました。<BR>
    野口体操での身体観は、「皮膚という袋の中に液体的なものが入っていて、その中に骨も内臓も脳も浮かんでいる」という感じとのこと、この感覚は「ゆる」の高岡英夫氏の身体観とも共通しているようで、僕にとってはなじみやすいものでした。<BR>
    重力のままに、動く方向の筋力はなるべく使わず、ゆるめ・ほぐす動きの中で立ち、上体をぶら下げ、腕・腰・胸を回し、波のようにうねり、すべる。<BR>
    本格的に取り組んでみようとは思わいませんでしたが、バランスを崩しながら取ることで動きを成立させていくこと、特に地球の中心につながる重力の上に乗るという動きのイメージは、地球の中心と天上宇宙をつないでいる自分というイメージに近いもので、自然な身体の運用を考えていくと、この体操につながりそうな印象をもちました。

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著者プロフィール

東京生まれ。国立音楽大学器楽課ピアノ科卒。1975年から野口体操創始者・野口三千三に師事。四半世紀に渡り助手を務める。「野口体操の会」主宰。朝日カルチャーセンターや大学で体操指導・ワークショップに従事。野口没後「野口体操ふたたび」と題して東京藝大で体操集中講義を実施。『野口体操入門』(岩波現代文庫)ほか著書多数。

「2022年 『「野口体操」ふたたび。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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