幾何のおもしろさ (岩波オンデマンドブックス 新装版数学入門シリーズ)
- 岩波書店 (2019年12月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784007309595
作品紹介・あらすじ
補助線一本で解けることもあるパズルとしての面白さ.物理的な空間に関する現象を記述する自然科学としての面白さ.そして論理的に厳密な学問の体系を学んでいるという満足感.そのような平面幾何の面白さを再現する一冊.
感想・レビュー・書評
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初等幾何をユークリッド的に展開してくれている本。前提知識を仮定することなく、公理と定義からボトムアップに初等幾何学的世界が構築されていくのを体験できる。本のタイトルである「幾何のおもしろさ」より「幾何の基礎」の方が内容に即している。
初等幾何の本は、公理そのものに関心がある本と、公理はとりあえず置いておいて、演習問題的に様々な定理の証明に関心がある本に分かれがちだが、この本は、公理を元にその先の定理の展開まで十分に示してくれる。初等幾何を『数学』として丁寧に展開してくれているので、一冊読むとかなり満足がいくのではないか。ただ、通常の初等幾何の本だと図を書いて済ますところを、順序の公理を用いて可能な配置の検討からから始めるので煩雑に感じられるかもしれない。逆に言えば、通常の初等幾何の本はこの部分が省かれているのがわかる。
読者は最初の数ページを読むとき、著者の小平が言葉を定義し、定義した言葉の用法を完全な網羅性で示すのを見るだけで、いかに言葉の使い方に意識的であるかを感じるだろう。また、各証明の冒頭で順序の公理一本で愚直なまでに図の配置を検証する態度に、初等幾何に対しての小平の執念を感じる。
世界的数学者である小平の静かな熱量の籠もったこの本をこれからも愛読書として大切に読んでいきたい。
もうすぐ2週目終わり。論理的に構築される世界が素晴らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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