O・ヘンリー短編集 (旺文社文庫 588-1)

著者 : O.ヘンリー
制作 : 大久保 博 
  • 旺文社 (1974年発売)
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  • レビュー :2
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784010621653

O・ヘンリー短編集 (旺文社文庫 588-1)の感想・レビュー・書評

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  • 本棚整理のため再読。これも学校の共同購入で買ったもの。

    『最後の一葉』や『賢者たちの贈りもの』は教科書の定番ですが、子供の頃教材として読むのと、大人になって小説として読むのとでは、ここまで感想が違ってくるのか、と驚きました。
    上記二作品だけ見ると道徳の題材にもなりそうな話ですが、他の作品もあわせて読んでいくと、著者は人間の持つ良心とか思いやりの素晴らしさとかを訴えたいだけでは決してなくて、むしろ個人の力ではどうしようもない人生のやりきれない部分を皮肉っている、と感じられます。
    ここで登場人物は何を思ったのか? なぜこういうことをしたのか? なんて質問に、教師の意に沿う回答を無意識に選びながら読んだのでは、この著者の作品の本当の姿はまったく分からない。教科書の題材にされたのは、作品にとって不幸だったのかもしれません。

    以下はいくつか印象に残った短編の感想を。

    『とりもどされた改心』
    天才的な金庫破りの男が運命の女性に逢って改心するが、その女性のために金庫破りをしなければいけない状況になって・・・という話。一瞬で覚悟を決めて、彼女の胸の花を所望するジミー。追い続けていた犯人を前に、すっとぼけるベン。どちらもかっこいいです。

    『自動車が待っている間に』
    上流社会に退屈して公園でくつろぐ女と、勇気を出して声をかける男。
    最後で立場の逆転。鮮やかな入れ代わりで、一瞬混乱しました。

    『二十年後』
    仲の良い男友達が、二十年後に会おうという約束を果たします、が。
    『とりもどされた改心』に逆ですが通じるものが。

    『魔女たちのパン』
    主人公は四十代のオールドミス。切ない。

    『家具付きの貸部屋』
    思い人を探して部屋を借りに来た男に、何食わぬ顔でとある部屋を貸す女主人。男はその部屋で、思い人の気配をなぜか感じるのですが。
    これはちょっと。かなりグロテスクだと思います。

    『れんが粉の長屋』
    舞台設定は今一つ、ぴんと来なかったのですが、これも切ない。

    『インディアン酋長の身代金』
    子供を誘拐して身代金を取るはずが。。。面白かったです。

    『お好み料理の春』
    話自体はそれほど印象強くなかったのですが、解説によると、著者は友人とレストランで食事中に、どこからネタを仕入れるのか?と問われ、手元のメニューを取ってここにもネタはある、といったような答を返したとか。何でもないところに題材を見つけられる、そういう目を持っていた方だったんでしょう。

  • 「なるほど、こうくるか」と毎回唸らされる展開。特に印象的だったのは「最後の一葉」だ。Oヘンリ特有の皮肉の中に切なさを感じた。

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