鉄の絆―ウジミナスにかけた青春

著者 : 阿南惟正
  • 朝日新聞社 (2007年9月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784021001314

作品紹介

ブラジルに在任中に書き綴った随筆『ブラジルノート』八〇編と公私の日記をベースとし、更に正確を期するため、一九六〇年六月から六六年一一月まで現地で毎月一回発刊された所報『時報いぱちんが』、及び高炉火入れ三五周年に刊行された『ウジミナス回想録』、更に多数の方々の追憶の記事を参照したものである。

鉄の絆―ウジミナスにかけた青春の感想・レビュー・書評

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  • 今から40年以上前に、ブラジル政府からの強い要請でスタートした、新製鉄所建設(現:ウジミナス/イパチンガ製鉄所)当時の回顧録。

    歴史的には、海外進出の先駆けであり、高い評価を受けているプロジェクトではあるが、当時の苦労は相当なものだったと思います。

    読み進むに従い、涙ぐましい努力や苦労が伝わってきます。
    私自身も現地で仕事をしたことがあるだけに、文化の違いによるフラストレーションなど、非常に共感できました。

    海外で仕事を立ち上げるチャンスがある人は、読んでみたらためになると思います。

  • 技術屋や技能屋の方々がメインプレイヤーともいえるメーカーにおいて、
    事務屋として働くとはどういうことなのか。
    その意義とは何なのか。

    メーカーで海外勤務とは、いったいどのような仕事をすることになるのか。
    またその際にはどのような困難が待ち受けているのか。

    新興国の興隆が顕著になるなか、いわゆるカントリーリスクをどのように捉えるべきなのか。

    等等、現場の経験者の豊富で貴重な経験を余すことなく知ることができる貴重な一冊。
    座右の書に認定。

  • 鉄鋼業のこと何にも知らない私でも読みきれた。
    ブラジルへ渡った派遣員たちの熱き物語。

  •  「もはや戦後ではない」と経済白書がうたった1956年、日本がブラジルに技術協力する形で彼の国に製鉄所を建設することになったという。著者の阿南氏はその製鉄所「ウジミナス」の建設が進み創業を開始する1961年から64年という時期に現地に派遣されていた方であり、その怒濤の日々を思い起こして綴った随想である。

     地球上で日本から最も遠い場所であるだけでなく、未開の地を開拓しながらの巨大工場建設で、しかも当時のブラジルは政情不安で赴任中に革命や流血の争議が起こったり、付け焼き刃でポルトガル語を勉強しながら技術指導をするという、まさに波乱のプロジェクト。

     淡々とつづられるエピソードから伝わってくるのは、苦しさを補って余りある充実感だ。実体験として戦争を覚えている世代だからかもしれないが、時には命の危険すら感じながらの難事業を懐かしむことができるのは実に頭が下がる。

     著者は1956年に東大法学部を卒業して当時の八幡製鉄(現在の新日鉄)に入社し、28歳でブラジルに派遣され、現地で30歳の誕生日を迎えている。

     この時代の東大法学部卒はエリート中のエリートであり、その後は新日鉄の取締役まで昇進したような人なのだから、今の私と比較できるものでもない。しかし当時の彼が一人の若者だったことは確かであり、自分とは別次元の話として距離を置くよりは、見習ってそのくらいのことを成し遂げたいと発起するのが正しい読み方だろう。

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