火の鳥7

著者 :
  • 朝日新聞出版
4.33
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本棚登録 : 161
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022140289

感想・レビュー・書評

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  • おぶうの回。
    小学校低学年のころパパが買ってくれた何かの別冊版で読んだ。
    平清盛が勢力を誇る世の中で、体は大きいが気の優しい弁太と美しいおぶうは山の中で幸せに暮らしていたが。
    久しぶりに読んだら黎明編と記憶がごちゃごちゃだった。

  • お?火の鳥がでてこないぞ??
    後編が楽しみ。
    しかし、背景描写やキャラクター描写(書き分け)が本当に細かい。服装や髪型、年齢が変わっても、更には生まれ変わっても同一人物である事がはっきり分かる。

  • 手塚治虫『火の鳥 乱世編』は源平の合戦が舞台である。上巻は平清盛の死去、下巻は源義経の滅亡までを描く。火の鳥そのものが活躍しないという珍しい話である。永遠の命を与える「火焔鳥」の伝承があり、それを求める権力者の妄執が描かれる。
    源義経は伝統的には悲劇のヒーローであるが、『火の鳥 乱世編』ではブラック企業経営者のような冷酷で傲慢な人物に描かれる。武蔵坊弁慶に相当するキャラクターは優しい木こりである。彼が義経に利用されるばかりという点が悲しい。
    架空のキャラクターの人間ドラマが中心であり、歴史上の名場面の多くは省略されている。古代日本を舞台とした『火の鳥』では騎馬民族征服説や仏教を侵略者として描くなど歴史の斬新な視点があった。それに比べると『火の鳥 乱世編』は歴史ファンには物足りなさを感じるかもしれない。

  •  今まで『火の鳥』を読んできましたが、どうも前衛的過ぎるというか芸術至上主義というか、独特の〝臭み〟が強すぎて後味が悪くてあまり好きになれなかった。
     しかし本作品は独特の〝臭み”は弱く、普通のマンガ作品に近く、読みやすいと思います。
     親しみやすい初期の手塚短編作品に近い作風・画風で「火の鳥」を描いたという感があります。
     おなじみの手塚スターシステムから登場しているキャラも多い。
     例えば、東南西北、レッド公、丸首ブーン等。 
     そして弁太はどろんこ先生(1976年)?
     ドクター・キリコまで登場しているのには驚きました。
      
     今までの『火の鳥』は重々しく鬱展開だったのが、乱世編では源平合戦を舞台に軽快にテンポよく進行し、ギャグシーンも頻繁に挿入されます。
     そう考えると、何だか他のキャラが他の漫画家のキャラ風に見えてきました。
     私はマンガに詳しくないので通り一遍のイメージしか持っていませんが、失礼を承知で言えば、源義経は白土三平風に、木曽義仲は横山光輝風に、平知盛は永井豪風?
     そして平重盛は手塚治虫の絵には珍しい画風だと思います。とり・みきさんが杉浦茂をパロディ化して描いているような画風です。
     つまりまあこういったマンガマンガしたキャラでギャグも入れながら結構庶民的なストーリー展開なので読みやすい。
      
     私が読んだ朝日ソノラマ版ではラストに火の鳥が現れて物語が冒頭に戻るという展開ですが、角川版ではその部分がカットされているようです。
     私はソノラマ版の方が好きだなあ。
     というわけで『火の鳥』は読む人を選ぶと思いますが、乱世編は幅広い方々におススメできると思います。
     それも、朝日ソノラマの大きな版で読むことをお勧めします。
      https://diletanto.hateblo.jp/entry/2019/10/07/203528

  • 宿泊先に、手塚治虫の火の鳥が揃っており、とりあえず鎌倉殿の13人きっかけもあり、乱世編を。構想力とスケールの大きさに圧倒される。

  • 『火の鳥 乱世編』
    ■背景……執筆時期;1978~80年/時代設定;12世紀/舞台;日本。
    ■梗概……飯盛山に住むきこり弁太とおぶうは深く愛しあっていた。ある日弁太が京に上がった際、路上に落ちていた貴族の美しい櫛を拾って持ち帰りおぶうにプレゼントする。おぶうはそれを病気の父親の薬代として手放すのだが、櫛はそこから盗品としてアシが付き、おぶうは捕らえられて都に連行される。弁太はおぶうを救い出すため京へ向かう。その後、数奇な運命に導かれるまま、おぶうは平清盛の側室となり、一方弁太は源義経の家来となる。
    ――ふたりが再開するのはそれから8年後、場所は壇ノ浦の海上、おぶうは安徳天皇同舟のふなべりから、弁太は平氏の残党を追いつめる源氏方の舟のへさきからであった………。
    ■見どころ……赤兵衛(猿)と白兵衛(犬)のくだりはさすが。動物を描かせたら手塚先生の右に出る者はマジでいない。/鞍馬山で”テング”と呼ばれている怪僧の正体とは……?/永遠の命が得られるという火焔鳥(実は単なるクジャク)をめぐるエピソードが繰り返し描かれ、登場人物が多いこの長編をとっちらからないように上手にまとめている。/見開き2ページを使って、豊年まつりの真上からの生き生きとした描写がある。/おぶうの美しさは反則級。しかしチビでぽっちゃりで短足のヒノエもけっこうかわいい。/火焔鳥だけで今回火の鳥は出てこない…と思っていたら最後に感動的に登場、物語を締めくくってくれる。
    ■死……かつては親友であった赤兵衛と白兵衛はお互いの体を咬みあいながら血まみれのひとつの肉塊と化して死ぬ。/豪傑、木曽義仲は戦争孤児のヒョウタンカブリに弓で射られあっけなく死ぬ。越中盛俊(実はヒョウタンカブリの実の父)もヒョウタンカブリに一突きされ死ぬ。しかしそのあとすぐ、今度はヒョウタンカブリが旧知の仲間の義経に切られて死ぬ。/おぶうは弁太の目の前で義経に切られて死ぬ。/義経は結局、弁太によって丸太で頭を突き潰されて死ぬ。/ヒノエをおぶって追討軍から逃げる弁太。ふたりのからだに無数の矢が突き刺さる。/我王が夕日を見ながら大往生する。我王の最後の言葉「おう……鳳凰がむかえにきてくれたよの……」。
    ■セックス……ヒノエはセックスしたあと、男の持ち物を盗んで逃げるという奇癖がある。
    ■総評……時は俊寛らが平氏に謀反を企てるところから義経が平泉で横死するまで。史実に沿って描かれる大河まんがの傑作。むちゃくちゃに面白い。

  • 乱世編(上)
    清盛の死まで。面白い!キャラクターたちもコミカルで魅力的。

  • ※電子書籍版です。
    諸行無常のお話です。誰も救われない権力の争いは輪廻も越えて続きます。同じ時代で輪廻しているのが実に不思議。…これが無限地獄なのかな?
    私が読んだのは犬と猿のエピソードが最後でした。
    輪廻が描かれなかった弁太は、巻き込まれるだけ巻き込まれ、悲しい終わりを迎えた。いったいどんな気持ちで亡くなっていったのだろう。

  • 1978年~80年マンガ少年連載。
    源平合戦でこのボリュームは重たく感じた。
    対象年齢が低いというのもあるんだろうけど、物足りなくもあったかな。

    ちなみに80年は「火の鳥2772」でアニメ業界へ復帰。

  • 平清盛 弁慶 義経

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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