魔女をまもる。上 (Nemuki+コミックス)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 161
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022143020

作品紹介・あらすじ

16世紀、数万人が迫害を受けて死んだ魔女狩り。その狂気の時代に魔女と断罪された人々に寄り添い、医療の力で救おうとしたひとりの医師がいた──。精神医学の先駆者でもある実在した医師、ヨーハン・ヴァイヤーを描いた歴史ドラマがついに書籍化!

感想・レビュー・書評

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  • 魔女狩りが行われていた時代に、信仰心を持ちながらも迷信に惑わされず、魔女とされる人達は病気であるとして医療の力で救おうとした実在の医師をモデルにした物語なのだそう。

    魔女狩り。
    魔女と断罪されたが最後、苛烈な拷問により自白を強要され、火炙りなどの残虐な方法で公開処刑されるばかりか、他の魔女の名前を強引に言わされる事で、次々と罪なき女が魔女として告発される悪夢のようなシステム。

    現代の私たちから見ればとんでもなく愚かで残虐で、こんな事がヨーロッパ全土で行われていたなんて信じられない!と思うけれど、目に見えない不安をわかりやすい何かのせいにして、噂を真実のように思い込み、ターゲットを見つけて社会から排除する事で安心を得ようとする行為は、実はちょっとバランスを失えば現代社会でも容易に起こり得るように思えます。

    そんな魔女狩りに、ある意味抵抗しようとした人がいたんだ、と言う事がまず衝撃でした。

    作中では主人公のヨーハンは、幼い頃に仲良くなった女の子が魔女とされ、目の前で処刑されるのを救えなかった罪悪感から、魔女を火あぶりの刑から救った事のあるアグリッパ医師に弟子入りする、と言うことになっています。

    「理解のできないものから目を背けるな」と教え、教会の権威を恐れず自らの正義を貫くアグリッパ師匠がとてもカッコいいです。

    カッコいいですがこういう人はやたら敵を作るのでこの先心配(´・_・`)
    この先の展開が気になります。



  • 【DESIGN DIGEST】書籍カバー『魔女をまもる。上中下/槇えびし』、商品パッケージ『キーバ ヨーグリティエナジー』、商品パッケージ『JINS 1DAY COLOR』(2020.12.11) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
    https://www.mdn.co.jp/di/contents/4575/76958/

    朝日新聞出版 最新刊行物:コミック:魔女をまもる。 上
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=22361

  • Twitterの宣伝に無事ホイホイされた。上中下で2970円。お高い。けどレーベルのお仕着せでない、自分のために装いを凝らす漫画なら大歓迎。定価の表記までオシャレでにやけてしまう。
    「Die Wahrheit über Hexen」にわくわく。魔女についての真実。

    実在した医師ヨーハン・ヴァイヤーを主人公に据えた意欲作。魔女裁判に反対し、魔女の実態について、精神医学の先駆けとなる主張を行った人物とのこと。
    限られた文献、史料に基づいてストーリーを編んで、当時の文化風俗で画面を彩る努力。たいていの歴史漫画が当然やっていることではあるんだろうけど、やはり計り知れないものがあるなとしみじみ思う。だってコマが充実してる。教会が絶対正義の世界観で、魔女の存在は当然想定されて恐れられているのがひしひしと伝わってくるせいで、読んでる自分まで中世人になりそう。そのうえ主役は今までにない人物で、タイトルは直球の「魔女をまもる」。痺れる。
    師としてヨーハンを導くアグリッパの存在にも注目。魔術、オカルトをものした本にはたぶんよく出てくる名前。この人物の影響力を想像すると、検死解剖中の台詞の重みもまた計り知れない。

  • 全巻読んでの感想。
    おっもしろかった。こういうの好き。
    見たこともない恐怖が伝播するのは、今も同じで、その心理もそれの克服の仕方も、今も昔も変わりようがないくらいの真実なんだなって思いました。
    正しく怖がるって、少し前によく聞いた言葉が身に染みる話。

    薬切れのところ、狂犬病?って思ったけど違うのかってなりました。
    狼が特定人物狙ったのも飼い慣らせていたから?その辺ちょっと曖昧なので、再読したらわかるかな。

  • 1551年、ユーリヒ・クレーフェ・ベルク公領の領主ヴィルヘルム5世の侍医であるヨーハン・ヴァイヤーは、領地の村に現れた人狼騒動を鎮めるため現地に赴くことになる。護衛役の騎士はゲルハルト。村ではマルテという娘が狼に襲われ腕を噛まれたと言い、その父親は逃げていく人間の男の姿を見たと言う。やがてヴァイヤーの前に狼が現れ…。

    16~17世紀にヨーロッパで加熱した魔女狩り、魔女裁判。本書の主人公ヨーハン・ヴァイヤーは、なんと実在の人物で、魔女裁判を批判し、医師の観点から、彼女らは魔女ではなく心の病だ、治療すれば治るとした開明的な人だったらしい。そうか、だからタイトルは「魔女をまもる」なのか。

    個人的に魔女ものとしては、アーサー・ミラーの『るつぼ』と、それを映画化した『クルーシブル』がとても衝撃的だったが、これらにもいわゆる魔法使い的な魔女は登場せず、少女だちの集団ヒステリー、誰かを陥れる手段としての讒訴、それを平気でおこなう魔女のように恐ろしい女、こそが魔女の正体だった。本書でも冒頭の人狼事件、被害者の娘の父親の、娘への愛情が明らかに常軌を逸しており、こういう人間の狂気が人狼狩りに繋がるんだよなあと予想がつく。

    さて物語は、いったん人狼事件は置いといて、なぜヨーハンが「魔女をまもろう」と決意するにいたったかの、過去の回想編となる。少年時代、親しくなった少女エルマが母娘もろとも魔女とされたこと。しかしエルマは実は、母親の魔女めいた狂気の言動、それらを否定する村人たちから母親を守るために同調してみせていただけで、自分は魔女ではなかったと最後にヨーハンに告白する。ヨーハン自身も、エルマの幻想につきあい、赤い花が見えると言ってあげたことがあり、エルマの気持ちを理解した。しかしエルマは処刑され…。

    エルマを守れなかったことがトラウマとなったヨーハンは、魔女裁判で魔女を救ったことがあるという魔術師アグリッパに弟子入りする。アグリッパは、宗教家や他の医師たちからはうさんくさい魔術師のように思われているが、実際はとても現実的な頭脳の持ち主で、腐敗した医師会や宗教家を憎んでいる庶民の味方。ヨーハンはこの師匠のもとで学び…。

  • まるでファンタジーのように見えるが、実在した医師、ヨーハン・ヴァイヤーの物語である。

    「魔女」というものに対して精神医学の面から切り込んでいこうとする姿が
    非常に崇高で尊い。
    魔女狩りが横行する時代、それらに反論を唱えることがどれほど恐ろしいことか。
    魔女本人だけでなくそれを恐れる周りの人たちみなが、ひとつの巨大な悪夢になり得る。
    そしてこの集団心理は当時だけに限った問題ではない。
    『敵』になるのは味方であるべき同業者であることもある。

    丁寧に時代考証をした上で、「魔法」について美しく恐ろしく描かれてもいて
    大変読み応えがある作品。

  • ヨーハン・ヴァイヤーが題材なんて珍しい!と思わず全3巻一気買いしてしまった。先が気になる~。

  • 序章で終わった感じ。続きが気になる。
    魔女なのか、精神疾患なのか?
    脚色はあるのだろうけど、実話ということに重みがある。

  • 無知は恐れを呼ぶ。

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著者プロフィール

漫画家、イラストレーター。装画に『さよ 十二歳の刺客』、『星の旅人』、漫画に『天地明察』、『朱黒の仁』、『魔女をまもる。』他作品多数。

「2019年 『万人の父になる 佐竹音次郎物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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