十字路のあるところ

  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 330
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022500809

感想・レビュー・書評

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  • 「つむじ風食堂」も、十字路の角にあったのだった。これは、「クラフト・エヴィング商會の作家と写真家が街を歩いて拾いあげた六つの絵巻」クラエヴィ(?)の本の場合、帯は外してはいけないような気がします。どの本でだったかな、書籍の装幀や帯まで含むデザインする、かの商會が、「これほどバランスも色も文字デザインも考え抜いて作っているのに、買ったとたんに帯を無造作に外すのは許せない」というようなことを書いていたのを目にしたからです。だからこそ。『ないもの あります』が、「帯を剥がせない」ように作ってあったのを見て爆笑したのでした。この本も、下3分の1ほどの帯がタイトル文字と同じ色調のグリーンで、それが本体・見返しや栞紐とも階調をなす趣向。こういう帯は、剥がせません。私は基本、「なんとかフェア」とか大げさな文句の付いた帯は剥がして、少しすっきりしたところで本棚に並べる主義です、帯は捨てません、本体に挟んでおきます。でも、クラフト・エヴィング商會だけは別、帯までおろそかにはできません。

  • 一人でお散歩しているはずなのに、
    此の世で最も気の合う人と
    ふたりでぶらぶらお散歩しているかのような、
    そんな心地よさを感じる物語。

    言葉を追ってる意識も無いのに、
    意思だけで伝わる会話を
    ぼんやりと眺めているかの様な…

    私はきっとこの作家さんがすごく好きなんだと感じた。

    最も好きな『黒砂糖』より

    「いいか吉田君。 夜には果てがない。そのことを忘れてはならん。
    果てがないものは次々と驚きを見せる。
    それを誰にも気付かれぬ様、こつこつと拾い上げて行くんだ。」

  • 本の内容とは全く関係ないけれども 吉田篤弘の本は 吉田篤弘の本である ということだけで私はとても安心する いつもなんだか不安でぐらぐらする足元を それでもいいんじゃない とマイペースに生きる けしてはなやかではない登場人物を見ると 私は自分が肯定されたような気分になる どうか大きく作風を変えないで欲しい わがままな読者の願いです

  • 帯表
    物語あり。
    帯裏
    「夜を拾うんだ」
    先生は事あるごとにそう言っていた。
    「ピアノから黒い鍵盤だけ拾うみたいに」
    そうした言葉が、黒砂糖を丸ごとのみこんだように、いまも僕の腹の中にある。
    あんな人はもう二度と現れない。

    「小説トリッパー」二〇〇三年冬季号~二〇〇五年春季号連載に加筆・修正しました

  • 地元にはどこにもなくて、ネットにはあるけれど実物を買う前に手に取りたくて、そのためだけに東京に行って、ブックストア談 錦糸町店でやっと見つけました。(遠い昔)
    十字路ばかりある街で出会う不思議な名前の人たち。
    モノクロの写真も合わせて、実在するかのように入り込めます。

  • いつも通り、彼の話は読んでいる先から頭から消え去るような、雲をつかむようなものだった。
    でも、「夜」を象徴するディティールのセンスがステキだ。黒砂糖、とか。水晶萬年筆というタイトルが絶妙だ。写真が挟んである分だけ、変化があって飽きなかった。雲をつかむような話ばかりが並んでいると、どれがどれやら分からなくなるから。

  • 脇道、袋小路、迷い道。
    本書のタイトルにあるのは「十字路」。
    どれも人生に使われる。
    十字路に出た。さあ、どちらに行こうか?

  • 前に本屋で水晶万年筆、と言う本を見かけて綺麗なフレーズだなあと思い読んでみようと図書館で借りてみました。正直よくわかりませんでした。感性で読むんだろうなあ、こういう本は。

    お話が始まる前に終わってしまった、そんな印象のお話ばかりでした。個々のイメージは透明で綺麗なのですが、もう一歩踏み込んでだから?と言うところまで書かれている作品の方が好みです。

  • 「自由を求めるあまり、ずっと不自由だった人です」

  • 十字路のある街での6つの短い物語。それぞれの終わりに、「十字路の探偵」という章がついていて解説というか説明というかあとがきと、その話に関する写真がいくつか。カラーじゃなくあえて白黒なのが世界観を惹きたててる。
    どれも不思議な話だけど、でももしかしたら何処かにこの十字路の街が実在するんじゃないか・・・そう思いたくなる。
    そしてこの6つの十字路は、一見バラバラなように思うけど、全て同じ街の中にあるのかもしれない。目線を変えただけで。

    吉田篤弘さんの本は不思議なメッセージ性があるというか、とにかく大ファン。大好き。
    この本は装幀も独特で本屋で一目ぼれ。でも買って数年読まないままだった…自分の本棚にあるだけで素敵だし落ち着く。

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著者プロフィール

吉田篤弘(よしだ・あつひろ)
1962年東京生まれ。作家。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を続けている。著書に『フィンガーボウルの話のつづき』『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『木挽町月光夜咄』『電氣ホテル』『台所のラジオ』『金曜日の本』『神様のいる街』『あること、ないこと』『雲と鉛筆』『おやすみ、東京』など多数。

「2018年 『おるもすと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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