ヒルズ黙示録 検証・ライブドア

  • 朝日新聞社 (2006年4月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784022501752

みんなの感想まとめ

複雑な企業買収劇とその背後にある人間ドラマを描いた作品は、ライブドア事件を中心に、村上ファンドや楽天の動向を詳細に追っています。著者は、事件前からの深い取材を基に、関係者の言動や資金の流れを鮮明に描写...

感想・レビュー・書評

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  • (2006/8/7)

     フジテレビの日枝らによる鹿内家追放に始まり,村上ファンドの登場.
     村上にのせられて突っ走る堀江.その次はTBSを楽天へ持っていく村上.

     やはり,泥沼化する楽天.その裏で村上が進める一枚も二枚も上手な阪神電鉄の
     転換社債や,株式交換による合併先の企業の株を買ったりすることでの株式獲得.
     そして,強制捜査.

     現実は小説より奇なりとは正にこのことか.

     ホント,劇場型買収劇とはよく言ったもの.

     著者は朝日新聞(のAERA)の記者なんですが,事件前から本当に深く取材されてるなあと.
     かなり詳細な部分まで書かれていて,ノンフィクションとしてとてもおもしろかった.

     でも,読むと,逆に「ライブドアがそんなに悪いんだろうか?」と,思えてくる.
     (まあ,他にもツワモノが一杯いすぎて・・・.)
     当時,新聞の誤報はカナリ多かったみたいで,僕らのライブドアへの認識もかなりゆがめられているかもしれない.

     ライブドアの幹部って,結構,不遇だった人とかが多いらしく,そのバネで「なにくそ,このやろ!」でがんばってきた人が
     多いらしい.それが行き過ぎてしまったっていうのは悲しい事だとは思います.

     是非,ご一読を.

  • ライブドア事件の経過をドキュメンタリーとして描いている。堀江の捕まった理由はわかりにくい。ニッポン放送に対する敵対的TOBは合法でありとくに問題にはならない。ただしあまりに目立ちすぎて資金を獲得するために無理をしすぎ自社株食いをしたことが捕まえられた原因。IT業界は、楽天もソフトバンクもマスコミを欲しがっていることは同じ。ライブドアは、ヤフーを追い抜くために賭けに出ざるえなかった。そして堀江のところに集まった者たち(村上ファンドの村上も含め)は胡散臭い連中が多かった。結局、堀江、三木谷、孫を3名を比べると人柄や容姿で好感を持たれるかどうかが最後に影響するということか。

  • ライブドアの誕生から金融事業への傾斜、村上ファンドの入れ知恵によるフジテレビの支配を狙ったニッポン放送株の取得、その後のフジサンケイグループとの確執など、圧倒的な取材力で得た関係者の証言を基に組み立てるストーリー展開はお見事。ノンフィクションだけに登場人物の心の動きがリアルで下手な映画を観ているより舞台に引き込まれてゆく。

    村上ファンドの暗躍やライブドア・楽天によるフジテレビ・TBSの企業買収などを見ていると、リーマンショック以前の金融資本主義の暴走ぶりが改めて認識できた。「物言う株主」などとたいそうな枕詞を並べたとしても、マネーゲームに興ずるだけで企業価値を高めているとは思えず、結局は自己の欲望のままに行動しているようにしか見えない。

  • ・「バイアウト」、「拝金」と読んできて、それじゃライブドア事件って一体なによ?とワイドショー以上の知識がないことに気づいて手に取った。マーケットプレイスで2円で購入(つまり252円)。内容と比較すると超お買い得。
    ・「黙示録」の題にまったく恥じない内容。ライブドアを主軸に据えながらもいわゆるライブドア事件だけに終始せず、鹿内宏明とフジサンケイの確執から始まり村上世彰の暗躍までを紹介し、どうしてライブドアがニッポン放送に目を付けて買収へと向かったかを解き明かしている。スリリングな内容でノンフィクションとは思えないほど引き込まれて読んだ。
    ・更にその後三木谷によるTBS買収騒ぎまでも連続した出来事して描いていて、そこにも村上の姿が浮かび上がっている。村上と言う怪物の掌の上で堀江も三木谷も操られていたかのようで背筋が寒くなる思いすらする。ファンドマネージャーだから、と嘯く村上世彰の姿は凄まじい。
    ・結局この本の中では「自社株食い」以外に黒い部分は見つけられないとしながらも、周囲でブレーキをかけるべき監査役や弁護士までもがライブドアと運命共同体となり本来の機能を果たさずにいたことが問題であるとされている。2006年の強制捜査直後の本なので、つい先日の堀江の収監までの5年が抜けているので、そこについては更に追いかけて知りたい。
    ・自分と同年代の熊谷や塩野の姿を見ると、この当時のライブドアという一種の狂騒状態にあった企業のとてつもない魅力のようなものを少し垣間見たような気もする。

  • 古い本ではあるが、タイムリーでもある。堀江氏はどこまで知っていたんだろう?堀江氏にはどんな判決が出るんだろう?

  • 時代を象徴する事件となった、「ライブドア事件」の一部始終を描いた本。
    事件当時学生だったため詳しいことはよく知らなかったが、経済活動に深く携わる社会人になり、改めてこの事件のことをよく知りたいという動機で本書を手に取った。

    「ホリエモン」ことライブドアの堀江氏とその側近、宮内氏、熊谷氏たちが繰り広げる違法すれすれ?違法?な取引について、著者の豊富な取材に基づき描かれている。

    世界的なカネ余り、投資銀行やファンドの台頭、楽天、ソフトバンクをはじめとしたベンチャー企業の上場によるITバブルなどが重なり、実体以上の力を持ってしまったライブドア。未熟な株式市場、法体制を縫って奇天烈な行動を繰り返す姿に、ネガティブな印象を持ちつつも正直感嘆してしまったところもある。

    数々の行為は実際は違法だろうし、倫理観に欠けるものだとは思うが、彼らのおかげで法の整備や企業買収防衛の意識が高まったことは間違いないと思う。

    ストーリーがややバラバラであったり、資金の流通経路が複雑すぎて理解しにくい点があったら、全体的には当時の状況やライブドアの行動の詳細が分かり、読んでいて面白かった。

  • 一連のライブドア騒動の裏側について書かれた本。

    分析が細かく、特に人間関係が非常に丁寧に描かれている。ホリエモンや村上さんについても、テレビだけでは知りえないことまで書かれている。テレビだと2回目のお祭り騒ぎはテンション低いからね。

    結局ホリエモンの罪ってなんだったわけ?「風説の流布と偽計」だけ?「自社株食い」は?個々のパーツでは合法でもそれを全体的に判断できなかった(しなかった)会計士や弁護士の責任でもあった事件だったのかな。

    皮肉にも「株式100分割」だの「金庫株での株式交換」だのは経団連の主導で緩和されたもの。すぐライブドアが実施しただけ。ただ、やり方がグレーゾーンで合法すれすれすぎた。その結果「時代のけじめ」として「国策捜査」で断罪されてしまった。
    著者が言うようにガキでパンクでハッカーだったんだね。

    投資スキームの話や業界の話も出てきて、ちょっとは勉強になったかも。

  • 0605

  • 色々な金融機関が絡んでて面白い!!
    大和SMBC、ゴールドマン、リーマン、日興etc

    問題となった「自社株食い」のスキーム等も紹介されていて、何でライブドアが捕まったのかも確認できる。
    後半に紹介されている買収スキームなんかも面白い。

    2008年になった今から見ると、ライブドア事件は色々な転換点だったと思う。

    特に、オールドエコノミーの復活と新興市場の低迷は印象的。

    オールドエコノミーが再び危機に陥った今、再びライブドアのような会社は現れるのでしょうか。

  • ライブドア買収騒動を総括したルポ。
    単にホリエモンの所業を断罪した本と思う無かれ。
    ライブドア幹部社員から村上ファンド、楽天、フジテレビ、地検といった様々な形でライブドアに関わった人間に対する膨大な量の取材を通して、
    ライブドアが何をしてきて、なぜ摘発され、そしてこの日本にどんな問題提起をもたらしたのかを、論じたルポドキュメントの金字塔。
    新聞やテレビでは絶対知ることが出来ないようなライブドア買収騒動の裏側を覗く事が出来るエキサイティングな一冊です。

  • 久しぶりの更新。

    昨年のライブドア社長の逮捕までにヒルズの住人達(ホリエモン、三木谷、村上さん)達の華々しい買収劇が報道されていたがあの裏ではどんな人や会社が動いていたのか、著者が当事者を含む多くの関係者にインタビューをとってまとめたルポ。

    買収の裏に外資ありというのをひしひしと感じられます。(GS、JPモルガン、クレディスイスなど)

    村上さんは自分が儲けることができれば同盟関係にある人達を簡単に裏切る人であることが、ニッポン放送、TBS買収の件からよく分かる。

    面白いのは、ライブドアによるニッポン放送の買収の舞台はまるで、太平洋戦争時の日本の海軍と陸軍の関係のように見えた。

    短期決戦でしか買収できないニッポン放送(アメリカ)に対して主戦派(陸軍)の堀江、宮内らに対して和平派(海軍)の熊谷。そして最後は逮捕(東京裁判)

    難しかったのがホリエモン達が捕まった理由である粉飾決算の部分。←核心部分なのに…(7章必見!)
    企業買収をする際に投資事業組合による株式交換で相手を買収して、投資授業組合をライブドアの連結決算として組み込んだことが違法だったらしい。

    実際には連結決算に組み込むことが違法かどうかの基準はあいまいらしく国策捜査とも見える。

    大きな組織が株式を大量に取得するときには出資者が誰なのか分からないように、法人税のかからない国の投資事業組合を利用することが多いらしい。

    経団連が国に規制緩和と主張し、実現したことをホリエモンは忠実に行ってきた。結果的に経団連がライブドアを育てたというのは非常に皮肉に感じました。

    個人的には投資、買収などの動きには興味があったが、この本を読んでこういうことを仕事にするのはやや空虚に感じた。ホリエモンが企業は株主のものと言っていて自分もそうだと思ってしまったが、それだけのものではないと思った。マネーゲームに従業員が翻弄されるようなことがあってはならないような気がする。

  • こういうとなんだが、まだ朝日新聞にもこれだけ取材力・構成力のある記者がいるのかと思わせる。株取引に関する法律とその目的などから簡にして要を得た記述で解き明かしてくる。結果、事件がどういう風に展開するかは続編および現実の動きを待て。

  • ★時代の寵児に導いたものは★ニッポン放送買収劇を軸にライブドアと村上ファンド、楽天の動静を描いた。言動だけでなくカネの流れを抑えた取材はすごい。首相になるつもりだったという堀江元社長の肥大した自己愛には驚く。何が彼をそこまで駆り立てたかは伝わる。その上で同世代の人間として、ビジョナリーとして何が優れていたのかを改めて知りたいと感じた。

    【再読140925】
    ★小僧たちの限界★大鹿氏の原発本につられて再読。読んだことを忘れていたが、読みだしたらすぐに思い出した。

    ライブドア、村上ファンド、楽天、リーマン・ブラザーズ。六本木ヒルズに集った企業の群像劇。ライブドアの本質は「ハッカーだった」とするコメントが最も腑に落ちた。コンピューターの穴を探す代わりに、資本市場の隙にしゃにむに突っ込んでいった。ただ振り返るとライブドア事件とは何が問題でどう決着したか理解していなかった。
    著者の最大の関心はきっとライブドアのファンドを通じた「自社株買い」スキームだったろう。ただ、主役となる企業を章ごとに変えてヒルズ物として成り立たせた構成の妙があり、再読しても一気に読める。

  • ライブドアの一連の買収騒動における経緯・戦略等が事細かに描かれています。どこまでが著者のフィクションなのか疑わしい部分もありますが、全体像をつかむ上では良い本だと思います。

  • ここまで書いていいんでしょうかというくらい明け透けに書いてある。でも、政治絡みは無茶苦茶ぼかしてたりするところがプロだなあと。時間外取引に早々にお墨付き与えたの誰だとか、どうして当事者達も丁半博打だと思っていた差止請求が圧倒的ライブドア勝利に終わったのかとか。財務長官になったGSポールソンとか出てくるあたり、現状と比較すると凄いゾクゾクする

  • 最近は小説続きだったので、久しぶりにこういう本を。

    タイトルからも想像できるように、ここ数年のライブドア騒動を中心に、ニッポン放送(及びグループ)や村上ファンド、楽天などの動きをまとめた本。

    一連の騒動を通して、テレビから伝わってきたのはほんの一部にしかすぎず、新聞やテレビの情報をものすごく深読みして考えていたことですら、まだまだ表でしかなかったと思わされました。

    数多くの登場人物の正体も含めて、「結局、あれって何だったのか」ということを振り返るのにちょうど良い一冊です。
    (2006年06月20日)

  • アエラの記者である大鹿氏のドキュメンタリー。<br>
    ライブドアのニッポン放送事件、起訴の要因となった組合出資+株式交換による自社株売却益の損益計算書への付替事件を軸に、村上ファンド、楽天、GS・リーマン等の外資系金融機関など周辺の領域までまとめている。<br><br>

    堀江氏、宮内氏、熊谷氏といった役員クラス以外の動き、周辺関係者の動きについても個人の心情レベルに踏み込んだ綿密な取材の上に基づいており、臨場感に溢れた一冊に仕上がっている。個人的な信頼関係を関係各位(現場レベル含む)と結んでいる記者でないと書けない内容と思う。
    <br><br>

    フジテレビ−ライブドアの最終的な手打ちの状況や、株式交換による自社株売却の詳細なスキーム(いつ誰がいくらで最終的に売却したのか、ファンドの持株比率はどうだったのか)については私が把握していない(多分公表されていない)事実も多々あり、資料としての価値も高いと思う。<br><br>

    個人的には、ライブドアが明らかに合法的と思ってシンプルに行動していたことについて確信がもてた。ある意味、ライブドアの人々はピュアにやっていたんだと思う。それだけに刺されたのは悲しく、滑稽だ。<br><br>

    また、一部アングラサイトでささやかれていた、沖縄関連の政治的な利権とライブドアの関係+アングラマネー=野口氏の自殺という点についても、この本のスキームが事実だとすればあまり介在する余地がないようにも思えた。書けないこともあるのだろうが。<br><br>
    あとは村上氏の変節ぶりや、GS持田氏の動きが妙に笑えた。
    <br><br>

    はっきりいって題名・装丁・帯で損している本です。決してワイドショー的な本ではありません。公判の日程はまだ決定していませんが、公判前に一読をお勧めします。
    <br><br>

    以上

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著者プロフィール

ジャーナリスト・ノンフィクション作家。1965年、東京生まれ。早稲田大政治経済学部卒。88年、朝日新聞社入社。アエラ編集部などを経て現在、経済部記者。著書に第34回講談社ノンフィクション賞を受賞した『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』(講談社)をはじめ、『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』、『ヒルズ黙示録・最終章』(以上朝日新聞社)、『ジャーナリズムの現場から』(編著、講談社現代新書)、『東芝の悲劇』(幻冬舎)、近著に取材班の一員として取り組んだ『ゴーンショック 日産カルロス・ゴーン事件の真相』(幻冬舎)がある。

「2021年 『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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