殿様の通信簿

著者 :
  • 朝日新聞社
3.65
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本棚登録 : 168
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022501899

作品紹介・あらすじ

"平成の司馬遼太郎"の呼び声も高い筆者が、従来の定説を覆す豊富なエピソードで描き尽くした歴史エッセイ。元禄大名243人の人物評価を記した『土芥寇讎記』から、水戸光圀、浅野内匠頭、前田利常など著名な「殿様」たちの日常生活を活写。お家大事を貫くため、政治に知恵をしぼり、子作りにはげむ殿様たちの苦労ぶりを描く。

感想・レビュー・書評

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  • この本には1690年に書かれたネタ本があって、そこからの引用で仕上げている。
    当時の大名243人の中から7人をピックアップしただけだから、彼にとってこの程度の本はいくらでも書けるという計算である。

    しかし、面白いねぇ。
    戦国時代の影響を色濃く残している殿様と、江戸の太平の時代への端境期の殿様を比較してピックアップしているところが著者のセンスの良さだろう。

    トリビア的な話題が多いけれど、後世が粉飾した殿様像を剥ぎ取って、生身の人間に迫ろうとしている。

    殿様といえば当然のことながら平民とは全く違う、雲上の生活をしていた人たちなのだが、言葉を変えれば殿様たちは現代を先取りしていた人々と解釈することも出来る。
    実際のところ、我々現代人は当時の殿様以上の生活レベルを生きているんですからね。
    生活ばかりではなく、意識も先取りしているという着眼はとても良い。

    歴史を学ぶということは、常に現代との比較する視点を失わないことですね。
    決して歴史ヲタクにはならないよう気をつけるべきです。

  • 家に縛られつつも、それぞれの個性を存分に発揮する殿様たち。
    縛られているからこそ、個性が際立つのかもしれない。
    何よりも家を守らなければならない使命と、自分らしく生きたいという思いと。

    そして、それを冷静に見つめる、この本と、元の書物の筆者。

  • 古文書から 生き生きとした人物像を
    想像することにかけて
    稀有な想像力をお持ちの方だと思います
    この作品も大変面白かった

  • 徳川光圀、浅野内匠頭と大石内蔵助、池田綱政、前田利家、前田利常、内藤家長、本田作右衛門を教えてくれた。その時代と。読みやすいし、面白いし。

  • タイトル通りの “殿様の通信簿” となっている部分は少な目だが、当時や行動原理を紐解いていて面白い。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14322411.html

  • 歴史の通則であるが、人間は貴族化して、喰うに困らなくなると、次の3つことしか関心をもたなくなるかもしれない。一つは恋愛。一つは遊興。そして最後に階位である 日本社会は、上がすることを下がならう、という強い構造をもっている。大名が天皇に憧れれば、家老もそれに憧れる 安定の心地よさを好む日本人は、これまでのゆきがかりを重く見る。日本人のその心性は江戸時代までに完成されたものと考えてよい

  • 3

  • 前田利常、非常に興味深かった もし四国に移っていたら、幕末史も変わっていたかもしれないとは・・・ となると当然その後も、ということになる。幕末と冬の陣・夏の陣の繋がりはやはり強いのだなぁ
    (元々は「太平洋戦争」について読みあさっていたのだが、これを理解するにはどうしても幕末まで戻る事になり、幕末を理解するためには戦国が分からないと、とどんどん遡ってしまう orz いつになったら元に戻れるのやら・・・)

  • 『武士の家計簿』の著者らしく、歴史的文献のなかからストーリーを抽出するのがたいへんたくみ。信頼が置ける著者。

  • 前田利家・利長・利常
    よおくわかった。

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著者プロフィール

磯田道史(いそだ みちふみ)
1970年、岡山県生まれの研究者。茨城大学、静岡文化芸術大学などを経て、国際日本文化研究センター准教授。専攻は日本近世・近代史・日本社会経済史。
実家は備中鴨方藩重臣の家系で、古文書が豊富にあった。高校生のとき実家と岡山県立図書館の古文書を解読している。京都府立大学文学部史学科、慶應義塾大学文学部史学科を経て、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。「近世大名家臣団の社会構造」で史学博士号取得。
2003年刊行の『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』が第2回新潮ドキュメント賞を受賞し、2010年森田芳光監督により『武士の家計簿』のタイトルで映画化し大ヒット。2015年には『天災から日本史を読みなおす』で第63回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。その他代表作に、『日本史の内幕』などがある。

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