90年代の証言 宮澤喜一―保守本流の軌跡

制作 : 五百旗頭 真  薬師寺 克行  伊藤 元重 
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 22
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022502391

作品紹介・あらすじ

宰相が見た戦後日本の政治・経済・外交。バブル経済とは何だったのか?吉田茂、池田勇人、佐藤栄作首相の素顔。ブッシュ、クリントンとの駆け引き…。いま、語られる真実。

感想・レビュー・書評

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  • 宮澤喜一という人は、本当に頭が切れて博学で、エコノミストとしても優秀だったということが良くわかります。
    1991年の段階で、金融機関へ公的資金を導入し、不良債権を処理すべし、と言った先見の明は本当に素晴らしい。
    であるがゆえに、と言っていいのだと思いますが、政治家としては「?」という部分があります。
    先が見えすぎてしまうがゆえに動けない、周囲の反対を押し切らない、といういまの時代のリーダーとしての資質に疑問符がついてしまいます。
    田中角栄氏が「宮澤喜一は最高の秘書官だ」と言った、といわれていますが、なんとなくわかるような気がします。部下に置いたら最高の知恵袋、だけど、トップとして決断を迫られる政治家、まして総理大臣としてはどうなんだろう、と思います。

    インタビューについては、『90年代の証言』というなら、政治改革問題、自民党分裂問題にももっと突っ込んで聞いて欲しかった、ということで☆2つ減ということで。

  • 宮沢喜一元首相へのインタビューを読みました。非常に興味深いインタビューでした。興味を持ったのは、バブル経済と金融政策の関係です。バブル経済の原因は、長期間続いた低金利政策にあります。この点について、宮沢元首相も認めています。では、金利を上げることにより、バブルを沈静化することは出来なかったのでしょうか。その点について、宮沢元首相は、否定的です。第1に、ブラックマンデー後の米国の株価の大暴落を考えると、不可能です。日本の金利が上がると、米国から日本への資金の逆流が起こり、米国の株価がさらに下落する可能性がある。さらなる米国の株価暴落は、世界恐慌を招く可能性がある。第2に、その当時、円高に直面していた。金利を上昇させれば、日本への資金が流入してくる。資金の流入は、円高をもたらします。日本の世論は、これ以上の円高を望んでいなかった。つまり、当時の状況では、金利を引き上げるという選択肢はなかったのです。日銀の立場に立てば、別の理由が考えられます。当時、土地、株を除いて、物価は安定していました。土地、株がバブルであるかどうかは判断が不可能です。また、それらは、日本銀行の政策目標ではなかったのでしょう。

  • この人でも決断をしたときがあったのだと新発見、と言えば言い過ぎかも知れないけれど、政局よりも政策判断の話が多くて、官僚出身のこの人らしい証言録となったものだと考えた次第。池田、吉田元首相とのつながりあたりをもう少し聴いてみたかった気がする。それは、別の本に書いてあるのか。

  • 宮澤さんはスーパーエリートだったんだね。出てくるのが遅すぎたのかもしれない。

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