メタボラ

  • 朝日新聞社 (2007年5月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (600ページ) / ISBN・EAN: 9784022502797

感想・レビュー・書評

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  • 記憶喪失で自分が何者
    かわからない─

    もし私がそうなったら、

    自分の手をしげしげと
    見つめ、

    いったいこれは誰の手
    なの?と、

    途方に暮れる姿が想像
    できます。

    それにしても、人って
    変われるものですね。

    記憶喪失でも自己嫌悪
    でも、

    きっかけはなんであれ。

    「留まれ」と過去の影
    が囁く。

    だが私の心は「進め」
    と囁く。

    過去に囚われず未来に
    向かって進む選択こそ
    勇気だなと。

  • 桐野夏生さんの作品は 初めて読みましたが 、こんな長い 分厚い本なのに なかなか読むのを止められるぐらい、続けて読んでしまいました 、あまりにも ワガママで いい加減で、どうしようもない人間ですが、その時々が心に響いてくる とっても明るい人間と 、ねぐらな人間の対照的な掛け合いが心に残りました 最後の 顛末も うまく収めてたような気がします。
    この人の違う作品も読んでみたくなりました。

  • 読了。図

    正論は人を傷つける。と言うことがどう言うことかがわかった気がする。正しいことを言っているのに人が遠のいて行く。何故か?
    正義を押し付ける事は他者性を無視する事であり
    他者性を無視すると言う事は、もうそれは暴力である。そして人を傷つけ壊す事にもつながる。

    一見青春ものの様だけど、主人公の記憶が戻ると共にとても重くて暗いテーマなのに気づく。
    沖縄が舞台なのと登場人物達の若さとフワフワした行き当たりばったりな人生観が逆にテンポ良く読めたのが救い。
    出てくる人誰にも共感できないのに怖さがジワジワ来て、ずっと考えてしまう作品。


    アガサ•クリスティーの「春にして君を離れ」の関連本として読む。

  • 私は数年前から、桐野夏生さんが好きなんです。最も好きな作家です。
    それでも、時々桐野さんの創造力についていけず、気持ち悪くなって、しばらく桐野作品から離れていました。

    最近通い始めたブックカフェに「メタボラ」があったので、久しぶりに桐野作品に手を伸ばしました。すると、そこには私が大好きな桐野ワールドがありました。

    宇野さんが解説というのも、いいですよね。宇野さんが、私が言いたいこと全て言ってくれたから、野暮なことを言うのは止しましょうか。
    眠いし。

    桐野さんは、内面を少しずつえぐるんだよね。
    ギンジのその後が気になって仕方ありません。あと、カナダのさおりも。

  • 破壊されつくした僕たちは「自分殺し」の旅に出る。

    桐野さんらしく、暗くて痛みを感じる作品。
    読んでいて決して気持ち良い作品ではないけれど、
    人間の悪意や嫉妬心を上手に丁寧に書く桐野さんの作品は
    嫌いじゃありません。

  • 超~~~!!!面白かった!!!!
    沖縄のくだりは本当にリアル。
    アキンツの恋心は、わかるな~・・・・
    アキンツは本当沖縄の男~って感じ(笑
    銀次は、なんかうじうじしてて、どうかと思った。
    工場のくだりは、ひどすぎて、リアリティ薄かった。
    ワーキングプアの実態には、ちょっとうそ臭さを感じたけど
    最初から最後まで夢中で読めました。

  • 沖縄の夜。森で出会った男ふたり。一人は職業訓練校からの脱走者、いま一人は自分の事すらわからない、記憶喪失の男。
    足下のおぼつかないままただ生きる。時たま浮上する記憶の暗部と自分の正体に怯えながら。

    沖縄問題、政治、性産業、派遣労働、ワーキングプア、DV、家庭崩壊、ネット自殺、セクシャルマイノリティ、外国人労働者・・・現代日本の暗部とも言える数々の事象が主人公“ギンジ”の記憶とともに浮上しては消えて行く。どろりとした手触りとともに嫌な感触を残して消える、現代の底と絶望を描く桐野夏生らしい作品。

  • 記憶喪失でやんばるを徘徊していた主人公は独立塾から逃げ出した宮古から来た昭光に出会い〈ギンジ〉という名をもらう。女受けする昭光の容姿でコンビニ店員のミカに拾われ、それから2人は別々に生きていく方法を勢い上離れて手探りで探していく。
    沖縄の政治を噛ませてるのが新聞連載ところらしいかしら。結局金のイズムよりは釜田の方が政治的理想がありそうだが、理想では食えないという難しさは常に政治的議題
    ギンジがドミトリー管理人釜田の秘書に、昭光がホストに安定したところで見送り人に会いギンジの記憶が蘇る。
    病んだ父親に人生を壊され集団自殺の一員に加わり、かろうじて逃げ出したことを。
    昭光が客を飛ばしたことでリンチにあったことを知ったギンジは管理人の金を盗み、服役覚悟で最後の旅に出る

    マジで昭光がクズなんだが(手本にしてるのが最悪の幼馴染のアニキ銀次なのも頭悪いが)それに惹かれちゃう女より尽くし派の破滅的主人公 いまだに希死念慮が消えなてないのが病的でした。昭光にとっては主人公は犬にしかすぎない

  • 記憶を無くし彷徨っていた時、出会った
    昭光に縋る様に救いを求めてギンジと言う
    名を貰う記憶の無い僕。
    そこからギンジと昭光の暑く果てしない
    二人の物語が始まる。
    何も無いギンジを少し疑いながらも
    宮古の言葉で明るく受け入れるちょっと
    お人好しな昭光。
    過去の自分に怯えながらもギンジと言う名を
    貰った時から新たな自分と昭光と言う
    居場所を見つけた。
    昭光は単純な性格で怠け者だが、沖縄の海
    の様に大らかだ。
    ギンジの闇の様な過去も昭光の光で
    闇も影も明るく照らされていくのだ。
    最後の二人の姿は沖縄の陽光に照らされ
    霞んでいく様である。

  • 暗い男と、明るい男が、それぞれ必死で生きていく話。暗い男は記憶喪失で、どん底の過去がある。

    桐野夏生さんの小説は本当に人間のどうしようもなさを描く、どこまでも克明に描写して、読む手を止まらなくさせる

    明るい方(ジェイク)の性格、好きだったのになー

    追記:読了した後夜中、寝る前に号泣してしまい家族に心配を掛けた
    自分が恵まれていたこと、親から愛されていたこと、道を踏み外さないでこられたことに感謝して、なのか、
    二人に感情移入しすぎて辛くなってしまったのか

  • 主人公が森?山の中を逃げる場面から始まる
    1章のタイトルも「他人の夢の中で」なので、いつ夢から覚めるのかと読み進めましたが、夢ではなく現実たった、、、

    594ページ!分厚い本ながら一気に読んでしまったので面白くはあったと思うのですが、問題ばかりで
    最後もう〜ん、、、好きかと問われれば、好きではないかもしれません(>人<;)

    アキンツの明るさが救いで、宮古の方言も柔らかい感じで良いのですが、意味が???何となく伝わる感じ、タイトルの「メタボラ」の意味も分からずじまいでした

  • p.2008/3/9

  • あきんつの「さいがさいが」、イントネーションも分からないのに縋ってしまう
    ギンジ

    夏生さんにしては、なにかどこかがチグハグにも感じた。性別?年代?地方性?
    オシャレ感? 17、8のこどもの違和感か

  • 沖縄を舞台にした大作でした。人間の表面的ではない隠れた本質の面を見事に表現しており、凄い作品だと思いました。

  • 2008/6/20 読了
    594ページ

    沖縄ネタで本を探していたら、桐野夏生好きの妹からのお薦め。
    夏に宮古行きを予定しているので、宮古弁に引き込まれた。

    やんばるの山中で出会った2人。
    何かから逃げてきた記憶喪失の僕。
    現実から逃げてきたアキンツ。
    僕はアキンツに"ギンジ"という名をもらい、2人の自分探しの旅が始まる。

    8章まではギンジとアキンツの視点で交互に展開。
    残り2章はギンジの記憶の回復と収束。

    悲惨な家庭環境で育ち、死を望んだギンジ。
    甘やかされた環境で育ち、楽天的なアキンツ。
    対照的な2人が辿る顛末は、どちらも救いようのない"負"を辿る。
    沖縄の楽園のようなイメージと対照的なギンジとアキンツの現実。
    強い日差しが作る影のように、深く濃い闇が描かれていた。
    夢も希望も未来も全くない話。

    残念なのは、最終章。
    瀕死のアキンツの視点があれば、良かったように思う。

    アキンツは"甘え"を、雄太(ギンジ)は"プライド"を、捨てられなかったから社会から逃げてしまう。
    転落は些細なきっかけで始まってしまい、はい上がろうともがく程、容赦なく堕ちていく。
    反面教師としても内容は濃い。
    負けを認め、逃げずに受け入れる。それが、社会で生き残る方法かもしれない。

  • 読了日2011/05
    沖縄を舞台とした、2人の青年のはなし。
    この本を読んで、これからの日本、そして若者はどうなっていくんだろうってすごく不安になった。
    私が二十歳前後まではフリーターってちょっとおしゃれっぽいイメージで、自由な若者って感じだったけど
    いまや、本当に死活問題
    今日一日、ご飯を食べれるかってことだけを考えて生きなきゃいけないって壮絶・・
    日雇い、派遣、集団自殺、家庭崩壊、外国人労働者、ホストクラブのつけ、イマしか興味の無い若者・・
    日本の問題がてんこもりの1冊です。

  • 沖縄の美しい光景と、どろどろした人間ドラマ、やりきれない人生観が入り混じっていておもしろかった。

  • 読み終えると、
    冒頭の逃げるシーンが象徴的に想いだされー

    死を前にして、でも
    リセットになっちゃって。

    そうすると
    本人がどうしたいのかが
    自然と見えてくる。
    って事かな。

    沖縄は内地に利用され
    沖縄も内地を利用しなきゃやってけなくて。
    なんか、沖縄つぶれそう。
    未来があるなら沖縄、
    使い捨てにされそう。

    アキンツはもちろんだけど
    ギンジも銀次もちょっと緩い…なぁ。
    でも、そんな感じが良かったりもしたけど。

  • 「ジェイク」と「ギンジ」。二人の仮の名前で進んでいくストーリーに惹きつけられる。

  • 今回は主人公がただひたすら気の毒で、「真面目な大学生のバイト」から住み込み派遣の生活に染まりきってゆく姿はとても恐ろしく、痛々しかった。こんなに読後に落ち込んだ小説は初めてかも。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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