夜回り先生の「子どもたちよ!大人たちへ」

著者 :
  • 朝日新聞社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022503053

感想・レビュー・書評

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  • 水谷氏が、朝日新聞の関西版で一年間に渡り連載したものをまとめたものです。

    あとがきで記者が語るように、高校生の撮った写真がところどころにちりばめられているのが、とても効果的であったと思います。

    写真はみんな笑顔。

    水谷先生の文章は、いっこうに湧き出ることをやめようとしない現代日本の青少年の問題に対して、どこか苦しそうでした。

    私としても、そういったことを聞くたび、何も出来ない自分が辛くなります。

    でも、ひょっとしたら写真にあるような笑顔が日本中に増えたら…
    と考えると…。

    私は、人間を信じたいな。

  • 朝日新聞の連載記事をまとめたもの。

    子供のそばにいてあげて、とのメッセージを強く感じました。
    子供が二人いて、自分としては愛情を注ぎ、寄り添ってきているつもりですが、この先生のメッセージに、まだまだ足りないところがあったのではないかと思わされました。

    子供の年齢からるすと、手をかける段階は卒業しつつあるとは思いますが、心だけは離さずにしっかりと寄り添っていきたいと、そんな思いを強められた。

    今、いじめや不登校の問題が教育現場では大きな問題となっています。そして、その原因は子供にあるのではない。学校に問題はないのか。社会の在り方にあるのではないか、と著者は言います。私もそう思います。

    弱肉強食の世の中で、競争原理でせっつかれる子ども達。子ども達を追い詰めているのは紛れもなく、大人であり、社会なのだと思う。その自覚のなんと足りないことか・・・。自戒を込めて。

    優しさの伝染する世の中となっていけばいいのに。


    「3年間、自分の力だけで生きてきた」少女の話が忘れられません。

     ひとりの少女が死にました。・・・彼女は、12歳から14歳まで、戸籍はあっても住所のない子どもでした。
     彼女は、生まれたときからお母さんと2人きり、夜の仕事をする母親の元で育てられました。子どものときの楽しい思い出は、お母さんの同僚の女の人がお菓子や果物をくれることだったそうです。いつもお母さんの働くお店の裏の小部屋でひとり遊びをしていたそうです。小学校には、3年生まではなんとか通ったけれども、4年生からはほとんど家で過ごしたそうです。
     彼女のお母さんは、彼女が小学校6年生の3月末に家出。当時月借りのマンションで生活していた彼女は、ここで住む場所を失いました。彼女は、この日からお母さんのしていたことを自分なりにし始め、生活をしました。売春です。売春・カツアゲ・覚せい剤・・・・・・、ありとあらゆる悪に染まりながら、横浜の夜の街を生き抜きました。そして、14歳のときに私と出会いました。「夜回り」をしていた私に声をかけてきたのです。「おじさん、遊ばない」と。私は、彼女を保護し、話を聞いて絶句しました。この日本で、3年間もひとりの大人からの助けもないままに放置され、ひとりで生きてきた少女の存在に震えました。
     私は、児童相談所と連絡を取り、彼女を保護してもらいました。でも、彼女の願いで私の家出1ヵ月一緒に暮らしました。あの、日々輝きを増していった彼女の目が忘れられません。彼女は、施設に入りそこから中学に。そして、卒業と同時にアパートを借り、自立しました。週に2、3回私のもとにかかってくる電話、月に一度は会っていました。しかし、成長期に乱用した覚せい剤の影響で、この原稿を書いている日の前の晩、心臓が止まりました。71-72

  • 水谷さんこそ、真の先生。今、真の先生がどれほど教育界にいるのだろうか?!

  • やっぱり大人である以上水谷先生の本は1冊は読むべきだと思った。

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著者プロフィール

水谷青少年教育研究所所長

「2017年 『どこまでも生きぬいて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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