ロストジェネレーション さまよう2000万人

  • 朝日新聞社 (2007年7月6日発売)
3.26
  • (6)
  • (13)
  • (39)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 122
感想 : 24
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784022503091

みんなの感想まとめ

現代社会における雇用の変化と、それに伴う個人の苦悩を描いた作品は、ロストジェネレーションと呼ばれる世代に焦点を当てています。この世代は、豊かな時代に生まれながらも、不景気に直面し非正規雇用やフリーター...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本が出版されているのが2007年。
    ロストジェネレーションと呼ばれる人は氷河期時代に生まれた
    現在(2011年)は29歳~39歳の人々を指している。

    1990年中盤からの正規雇用から非正規雇用への流れとなり、年功序列から成果主義へと変化した雇用形態。
    大学を出ても就職が決まらない、転々と職を変えるフリーターの出現。親の家に住み仕事を持たないニート。
    団魂世代をモデルとして仕事をすることなく、IT企業家が増えだしたナナクロ世代。例を提示しながら詳しく見ている。
    私達が普段手にしているあらゆる機械、激安の外食。それらは、安い賃金で働いている人たちによって成り立っている現実。そこから抜け出すには努力という一言では片づけられない大きな社会問題がある。
    現在は、ネット社会もはびこって、無縁社会となっているので、もっと深刻化していると思われる。もう少し、社会の動きを詳しく知りたいと思わせるきっかけになりました。

  • 日本全体が少しおかしくなっている気がするが、どこに原因があるのだろうか。
    少し気分が暗くなってしまう。
    ある年代をグルーピングして名前をつけるのが流行っている様だが、果たしてそのことに意味があるのだろうか。
    何やら「後付け」の理論という気がしないでもない。
    色々と考えさせられる。

  • 日本が最も豊かだった時代に生まれ、戦後最長の経済停滞期に社会に出た、ロスジェネ。
    くくり的には、僕はその世代には当たらないらしい。というか、恵まれた環境でヌクヌクと漫然と生きている僕にとっては、体感できないのが現実で、それこそがこの本でいう「無関心」で、他人事ではなかったマジで。
    敷かれたレールを行くことが最重視された時代から、”自分で生きる”道を見出し始めた日本で最初の世代。といえば聞こえはいいがそこには過酷な現実があって、多世代との利害対立から拡がる無関心。難しい問題。
    キレイごとにはしたくないけれど、生きていくしかない。この信用できない世界で。僕もだ。

  • はやりの格差社会論を世代を軸にした切り口でみせようという試みだが、成功・失敗が相半ばしているように思う。
    成功しているところとしては、従来の格差社会論にありがちな中流・下流や正社員・非正規といった不毛な階級間闘争にいたずらに陥ることを回避できている点。また就職氷河期にたまたま遭遇してしまった、という誰の目にも明らかな事実を議論の起点とすることで、「格差は本当にあるのか」等という冗長な議論をかすませることができている点。
    失敗していると感じるのは、「IT起業家」や「脱官僚エリート」から所謂ワーキングプア層まで満遍なく取り上げることで逆に「ロスト・ジェネレーション」という世代の核がぼやけてしまっている点。一部の起業家や社会的企業・NPOなどに関わる人たちをモデルに、「失われた十年に翻弄されることで国家や社会等に依存することなく、自分自身のみを頼みとして生きることを選択した世代」などとする安直な「括り」はひたすらうそ臭く感じてしまう。様々な日本社会の変動はあるにせよ、「ロスト・ジェネレーション」の中でも最大のボリュームゾーンはいまだ所謂「正社員」層であることに違いは無いのだ。
    世代論としてはそうしたポジティブな価値を打ち出したい気持ちはわかるが、いかにも朝日のエリート記者が優等生的にまとめた「作文」という印象が強く、どうにも実感が沸かないのである。

  • 111p

  • 結局決めつける事で抽象化できるんだろうけど、

    私はまさにロスジェネ世代ですが、そんなこと、考えたことがありません。
    影の部分として非正規雇用な人が多い世代なんだよね、なんて言われても結局、で?って思ってしまう。

    社会も悪くない。
    人間も悪くない。

    結局、自分じゃないですか。個が強ければこの本の後半に載っているような、人生を謳歌する人だって生まれるわけです。
    だから勝手にこの世代は冷めやすいよねとか、決めないで欲しい。

  • 昨年のリーマンショック以来、新卒の雇用状態も悪くなってきていますが、それ以前の大卒新卒は多くの人が正社員になれていたというニュースをきいたがあります。この本で取り扱っているのは、それ以前に卒業した世代(ロストジェネレーション)がいまだに正社員になれずに年を重ねている現状をレポートしたものです。

    就職する時代の景気不景気によって、一生が左右されてしまうという社会が許されて良いのでしょうか。この悪影響は時間が経過するほどに大きくなっていくと思いました。

    最後の章で紹介されていた、東京エリアにおいて、月収15万円以下で暮らせる場所が作られている(p215)というのは驚いたのと共に、何か不気味なものを感じました。

    以下は気になったポイントです。

    ・戦後最長となる経済停滞期に、雇用の過剰を解消するために企業が最も力を要れたのは、新卒採用の絞込みであった(p20)

    ・非正社員化の恩恵を受けているのは企業だけではなく、消費者も、安さや便利さを享受している(p25)

    ・現在の工場労働のありかたは、高度経済成長時代とは異なり、従業員を常雇いして製造技術を学ばせるのではなく、派遣業者を利用して部品のように交換可能な低賃金労働者を雇う、この方法でなければ中国の国々とコスト競争できないと考えている(p42)

    ・必要なときに人員を安価にそろえたいという企業側の論理と、当座の現金を手にしたい働き手が結びつき、携帯電話というツールがそれを後押しした(p49)

    ・厚生年金に40年間加入した月収35万円の正社員は保険料を差し引いて12万円が残る、一般的な生涯賃金(夫のみ労働:23-60歳、専業主婦のケース)は、2.7億円、フリーター夫婦:1.8億円、正社員夫婦:5.3億円、となる(p158)

    ・経営者は45歳以上の給料が高すぎることはわかっているが変えることができない、その一因として、年齢とともに給料が上がる年功序列の職能給であり、仕事内容による職務給でないため(p163)

    ・ロストジェネレーション世代は、貧富の格差が拡大する戦後初の世代、この世代は雇用・労働面で非常に損をしている反面、親が経済的に豊かということに特徴あり(p173)

    ・韓国の短大以上への進学率は2006年で82%、日本の52%と比較して凄い差である(p180)

    ・高円寺のエリアに、月収15万円以下で暮らせる場所を作り上げてしまった人たちがいる(p215)

  • 朝日新聞らしい切り口!ロストジェネレーションと言っても、学歴も収入もばらばらでそこをひとくくりに語るのはいかに難しいことか。上めの人たちばかりに焦点が当てられていて、本当に議論しなくてはいけないセグメントが置き去りにされている印象。

  • 先週読んだ『働くニホン』よりも面白かった。
    一人ひとりのストーリーが長かったし、ホリエモンなど知った人たちの話も出ていたので。

    ロストジェネレーション世代は、豊かな時代に生まれたが、就職の際は不景気真っただ中だった。企業の合理化政策から、正社員になれなくて派遣やフリーターなどの非正規雇用にならざるを得ない人がたくさん出てきた。
    そんな将来の見えない状況から抜け出そうとしても抜け出せない様子や、そのなかで政治家やITなどで新たな挑戦をしようとしている様子が書かれていた。
    政治や社会への信頼が低く、自分で自分の生活の責任を取ろうとする姿勢は自分にも共通で、今後もどんな変化にも耐えていけるように、自己研さんを積み、挑戦をしていきたいと思った。

  • ロストジェネレーション、25~35歳の就職氷河期にあたる年代の人達。
    いままで読んできた本のなかでは、「わりをくった」世代という印象が強かった。
    もちろんこの本でもそれまでの常識が崩壊して非正規で生きる人達が出てくる。
    しかし一方で「自分探し」をしなければならないこの世代の力強さを描いてもいる。
    それが新鮮だった。

    ロストジェネレーション。
    「失われた世代」そして「さまよう世代」。

  • バブル崩壊直後にやってきた就職氷河期のあおりをまともに食らった世代のことを、日本における「ロストジェネレーション」と名付けたのが、朝日新聞だったとはつゆ知らず。その名付けが良いか悪いか・好きか嫌いかはともかくとして、彼らをまとまりとして見るための枠組みを提供し、そこから日本が隠しもつ問題を提示したという点で、評価はできると思う。ひとつにまとめるべきではない、という意見も無論あろうが、社会現象という大きさで問題を捉える場合、便宜的に世代を一として見ることも必要になるだろうし。
    新聞の連載を柱としているだけあって、分析は深くないけど、彼らをただ被害者として憐みの目で見るんじゃなく、彼らならではの強みを発揮して活躍する人物や、国にとっての彼らの存在・影響もフォローされているところが、ロスジェネ入門書としてはいいのではないかな。
    ただ惜しむらくは、本書がリーマンショック前に出版されてること。だから「最近」を、「小泉政権のおかげで景気・就職率ともども回復してきた」ものとして見なしている。ロストジェネレーションたちが、あの小泉改革をいまはどう考えているのかが気になるところ。

  • ふむ、今日本はほんとに景気が悪いらしいと教えてくれる本。

    今の若者の就職難なんかが取材形式で書かれているんだけど

    ほとんど共感できる意見はなかった。ま、俺は変わってるやつ

    らしいからなのかもしれないけど。。

    評価の仕様もないので、とりあえず☆3つ

  • 一昨年の年始に朝日新聞に連載された記事+αがまとめられたものです。
    お世話になっている記者の方が取材班の一員だったこともあり、読んでみました。

    極端な例が多い気がするけれど、「格差社会」はここまできていたのか…
    と衝撃を受けた。(読んだのは2007年の終わりごろ)

    派遣切りなどが問題になっている今、彼らはどうなっているのだろうか、とも思う。

  • まさに世代的にストライク。
    朝日新聞で連載されていたときもたまに読んでいたコラムをまとめたもの。

    ワーキングプアとか、結婚したくてもできないとか
    なんだかもう、読めば読むほど気持ちが沈んでくる。
    「この世代を応援するために書いた」って書いてあったけれど
    どちらかというと自分たちの不運をあらためて痛感しただけだったような。

    景気が回復して、就職活動をする学生は完全な売り手市場になって
    ドタキャンは当たり前で、企業にとっては学生はお客様。
    いくつも内定を抱えながらも選択肢が多すぎてどこにいったらいいのか迷う内定ブルー。
    そんな報道を見るたびに腹立たしくなる。

    それは今の自分に納得していないからなんだろうな、とも思う。

  • ロスジェネの発祥の地になるのかな?連載は読んでないけど,一冊の本としてはまとまってて読みやすいです。新聞社はこういうとこ手堅いよね。でもちょっと思ったのは,ロスジェネ世代でも成功してる人いるわけじゃないですか,その人もロスジェネなんですかね?もちろん定義からしたらそうなんだけどさ。この取材班はなるべくロスジェネ世代の記者でという方針で編成されたそうですが,ぶっちゃけ朝日の記者ってかなりの高給取りじゃんね。もちろん正社員だし。それで同世代だから見えることも多かったみないなこと言われてもねぇ。やっぱり世代で切るってのは,ひとつの分析手法だけど,それを実体視するのは危険ですよね。世代的にはロスジェネの若いIT社長と日雇い派遣ネカフェ難民に,分かり合えることなんか,多分ない。社長はやっぱり同じような社長と親近感を感じるし,ネカフェ難民にはホームレスのほうが身近かもしれない。確かに,社会構造の変化と不景気によって割と多くの人が非正規労働者にならざるを得なかった世代ではあるんだけど,そのこと自体は仕方ないんですよ,今更。その「運の悪い」人たちをこれからどうしていこうか,ってのが問題なのであってね。つまりロスジェネってのは,ワーキングプアとか貧困とか格差とかって問題の社会的原因に着目したグルーピングであって,問題を解決するために,ロスジェネというマスな客体を想定すると間違っちゃうのではないかと。政治に参加したり,社会的企業を起こしたり,はたまたクリスマスの新宿で鍋やったり,こういうのはロスジェネの中の特定の人がやってるのであって,ロスジェネならこうだ,みたいのはないんだよ。とらえどころがないのがロスジェネの特徴なんだしさ。素人の乱にロスジェネ全体の連帯の可能性を見出すあたり,やっぱり朝日は朝日だよね(笑

  • ★読む目的
    ロストジェネレーション世代(25歳〜35歳)について知る!

    ★読書レベル
    シントピカル読書

    ★メインブランチ
    『さまよう』 『挑む』 『未来』 『動き出す』

    ★INPUT
      ・氷河期、格差社会、失われた10年、逆境の時代で生きる強さ試される
      ・ロスジェネ世代は4人に1人は非正社員
      ・30〜34歳の未婚率:男性47.1%女性32%(10年前より10Pアップ)
      ・旧世代から見るとさ迷っているだけ。しかし、彼らは自由な発想・創造で新しい
       価値観生み出そうとしている
      ・彼らの問題は全ての世代に繋がっている

    ★ウガンダの感想
     バブル崩壊、氷河期、格差社会、失われた10年過去と大きく変動した社会に、
    投げ込まれたロストジェネレーション世代。逆境の時代を生きるための、強さをまさに
    試されている。彼らの問題を、単にさ『迷っているだけ』としてはいけない。少子化、
    社会保障の基盤崩壊につながり、全ての世代に影響するから。

    ★一言で言うなら
     『彼らだけの問題じゃない!』

    ★OUTPUT
      ・上の世代とは違う条件で、生き抜くルールを探し続けていることを知る
      ・新しい生き方を求められてた世代であることを理解する
      ・孤立・不安彼らの問題だと放置しない(少子化、社会保障の基盤が揺らぐ)
      ・楽しいことリスクあっても挑戦する
      ・自分の気持ちに忠実

    ★BookCrossingしたい度
     『★★★☆☆』

  • 冒頭の「ロストジェネレーションとは元々、アメリカで第一次世界大戦後に青年期を迎え、既成の価値観を拒否した作家たち」って少し違和感があるなあ。「既成の価値観を拒否」というよりも、挨拶が出来なかったりと、両親まで持っていたモラルが失われている世代という側面が強かったように思う。

    それはそうと。
    就職氷河期に就職活動を行った人々をロストジェネレーションと呼び、その生態を報告している。
    ワーキングプアから抜けられない人々ややりがいの搾取の犠牲者から、規制の価値観を拒否したナナロク世代中心の起業家までを網羅した内容。
    他、この世代特有の消費への消極性などの世代の特徴も報告されている。

    経団連会長でもある、キャノンの御手洗会長の発言「派遣社員と請負社員のおかげで、日本の産業の空洞化がかなり止められている」は、文中で指摘されているように、確かに非正社員を長く使いたい意識が表れている。派遣社員や請負社員は、経団連が95年に出している「新時代の『日本的経営』」の中の「雇用柔軟型グループ」を指しているが、これは本来、経済性をある程度脇に置くことにより、束縛もプレッシャーもなく、自由に休みを取ることが出来るというグループとして考えられていたのだろうが、このグループの社会的な弱さ(発言力の弱さ)と、このグループを抜ける場合の対策がないことから、そういった楽観的な生活をしていくことは出来ずに、ただ澱の様に沈滞したまま生活を向上させることが出来ないという状況となっている。

    日雇い派遣が生まれたのは、派遣労働者に関する規制が緩和されてから、つまり、1986年に「労働者派遣事業法」が施行された後となる。その後、99年の原則自由化、04年の製造業への派遣解禁と順次行われ今に至る。
    一度日雇い派遣を行うと、そこから抜けることは難しいようだ。ケータイ派遣などは、毎日のように翌日の仕事の依頼電話は鳴るが、そうして過ごしてきて、いざ就職しようとしても、派遣しかしていない過去が邪魔をして、なかなか就職が難しくなるという。

    派遣・請負社員から脱出出来ても、結局は悪徳企業くらいしか就職出来ないということもある。
    「今日は50万円取ります!」と朝礼でその日の契約目標を大声で叫ばされ、契約が取れなければ反省文、それが続くと殴られる。無茶苦茶な商品を法外な金額で売っても両親が痛まなくなる。ひどいときには認知症の人をだますこともある。

  • まさにロストジェネレーションど真ん中の私だけど、表面をなぞるだけじゃなく、もうちょっと深くかけなかったのだろうか。

  • 新聞連載時も読んでいましたが、本で読むと我が身とリンクしてあまりに痛かった…。
    現実に周りを見ても、貧乏くじを引いた世代かと感じます。早急に改善策を立てなければこのツケは確実に来ると、人間と日本の将来が果てしなく不安になる本。未来の可能性も示唆しているが甘い。自力だけで成功できる人間なんかひとつまみなんだー!

  • 考えさせられるけどなぁ。。。
    経営側も難しいし、今後の課題本。

全22件中 1 - 20件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×