キュア cure

  • 朝日新聞社 (2008年1月11日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022503480

作品紹介・あらすじ

若き外科医の斐川竜介は、肝臓ガンで余命1年であることを知る。リストカットの少女・キョウコに支えられながら、自らの運命に立ち向かう。医療現場で病とたたかってきた斐川だが、科学にどっぷりつかりながらも、スピリチュアルのカリスマ、最新ガン治療を受ける青年実業家、放射線生物学者との出会いを通して自分の治療を模索する。

キュア cureの感想・レビュー・書評

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  • 田口ランディの小説は、コンセント・アンテナ・モザイクの三部作のほかにも数冊読んだけれど、いつもどうカテゴライズしていいのかわからない。
    ミステリ(サスペンス)でありながら、スピリチュアルな要素も強いから、個人的には【スピリチュアル小説】という実際はないカテゴリだ、という印象を毎回持つ。

    今作も同様でした。医療(社会派)&サスペンス&少しのラブストーリー。だけど主軸はスピリチュアル。
    超能力やシャーマニズム…いわゆるスペックというやつ?そういうものを信じられるか否かで、この作家の書く作品の評価は変わってくるように思います。
    (私は結構そういうの好きです)

    生きるとは?死ぬとは?ということを、深く考えさせられる小説だった。
    余命が告げられるような病気になったとき、どんな最期を選ぶか。化学療法に身をゆだねるか、自然に死んでいくことを選ぶか。
    人間は生まれた瞬間から死に向かい、長さの程度はあれど100%の確率で死ぬのに、どうして余命を告げられた瞬間に、“生”がまぶしく見え始めるのか。
    たとえば自分が大きな病気にかかったとき、きっとこの小説の存在を思い出すと思う。

  • 図書館で借りて一気読み。
    この「キュア」と「パピヨン」は対(又はつがい)になっているような気がする。
    どちらも読むべきだと思う。
    田口さんはエッセイでも小説でも、作品が出るたびに世界がどんどん深くなる。

    この「キュア」は何度読んでも、きっと答えはないし、出ない。
    だから何度も読みたくなる作品だと、手元に置いておきたい。

    現代科学、医療の限界…。登場人物の盛田は言う
    「人の生死は、に僕が医学部で学んだことでは全く応用がきかないです。もっと別の次元の問題なんです」(317ページ)

    その通りだと思う。
    死という事のイメージが「穢れ」「悪」「恐怖」としか、マイナスでしか伝えられていない現代。
    だから、みんな「死」をうまく受け入れることが出来ない。
    怖いから目をそむけてしまう。本質はもっと違うと思う。

    「死」と「生」は表裏一体。
    死があるから生がある、生があるから死がある。
    死は終わりでなく、新しい始まりに過ぎない。通過点。

    私もガンになり大きな手術をしたので、葛藤、迷い、恐怖、絶望、否定…色々つらかった。
    でも、これを受け入れると不思議なことに平穏、希望がやってくる。

    ガン細胞の視点になって書かれているのも、度肝を抜かれた読んでいて切実で泣けて、中盤は少しつらくなった。

    僕が、ガン病棟で感じた「生きたい」という叫び。
    あれは、患者の叫びでもあり、ガン細胞の叫びでもあった。
    あらゆる生命は、生きて増えようとする。(173ページ)

    答えは見つからないけど、この本そのものが
    私にとっては「キュア」だった。読んで良かった。

    欲を言うと、もう少し掘り下げて長編で書いてもらいたかった。

  • 物凄く久々のランディ。凄く上手くなってて、この後、読みまくろうと思った。
    癌治療が直接的なテーマだが、人生どころか人類までも考えさせる内容で、それはそれは、盛りだくさん。
    父親を癌で亡くした作者が、いろんな事を考えながら書いた作品なんだろうと思う。

  •  私は、一般の人間の能力を超える人物が登場する物語が好きなようだ。宮部みゆき、村上春樹などだ。そしてこの物語も、優秀な外科医であると共に、他者の意識に介入する能力を持っている。著者は、病気(主にがん)で死ぬことと寿命で死ぬ違いに何度もこだわる。そして、人間の臓器に対する描写も執拗でもある。放射能や電磁波などの影響を心配する後半は、現在の日本の状況を暗示していたといえる。
    このままでは、文明の終焉を向かえるしかないように思えるのだが、次の進化の段階へ進むイメージを多くの人がさがし求めている。そのような直観に富んだ一冊。

  • キュアの能力を持つ外科医が癌におかされる
    医療とは何なのか、癌とは何なのか
    心の救済はどこにあるのか
    もがきながら必死で生きる主人公に同調しながら
    自分自身も迷う感じ

    この作者さんの本は初めて。
    他のも読んでみたくなりました

  • 最初は良かったけど、最後あまりにもぶっとんでいて・・・

  • 田口アンディの本で一番好きな本。

  • 医学と哲学と電磁波と癌。つながらなさそうなモノがつながる。モヤモヤしていた生きること医学、食に関してわかったような気がする

  • 不思議な力を持つ末期ガン外科医の物語

    でも意味不明。盛り上がりも救いもなく物語は終わってしまう。なんなんだ? オカルトチックな展開もあり、苦手だなぁ。

  • 幼いころから特殊な能力を持つ外科医。
    癌細胞の電磁波の差をメスで感じ取り、正確に切り取ることができる。
    何より人間の内臓を愛してさえいるのだ。
    また、患者の精神にコミュニケーションをとり、
    精神状態を整理することもできる。

    しかし、本人も若くして末期肝臓癌であることがわかる。
    自分の体を自分で執刀できれば・・・

    非科学的な療法を取る患者を目の当たりにしながら、悩んだ末、
    手術や抗癌剤を使うことを避け、
    超能力を使い、癌治療を施すことを死ぬまで行う。
    (小説として、結末が少々まともすぎる気もするが。)

    そもそも癌とは自分の細胞の変化したもの。
    手術や抗癌剤は、体力を低下させる。
    それが効果なかった場合の顛末として、
    モルヒネ投与。
    一瞬、覚醒し、驚くほどの饒舌になり、
    肉親と最後の会話をさせた後、
    昏睡状態になり、永眠する。
    どう見ても安楽死だ。

    明日にでも自分に降りかかることがあってもおかしくない。
    すい臓がんなら早期発見は不可能、手術も困難。

    なぜ、癌になるのか?
    生活週間への警告? 
    長くなりすぎた寿命を短くして、進化を促進するため?

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