役にたたない日々

  • 朝日新聞出版 (2008年5月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (244ページ) / ISBN・EAN: 9784022504258

みんなの感想まとめ

人生の終わりを見据えたとき、自由や潔さを手に入れることができるという深いテーマが描かれています。著者は、自身の病気や老いに向き合いながら、日々の出来事を淡々と語り、時には笑い、時には涙を誘います。彼女...

感想・レビュー・書評

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  • シズコさんを読んで、また、あの谷川俊太郎の妻だった人と解説で知り、俄然興味が。期待を裏切らない迫力の筆調で、年を取ること、病気になること、その日々を、淡々と語る。人生の残り時間を知り、金勘定をして、生涯最後の車にジャガーを買う。なんと言うかっこよさ、なんと言う潔さ。でも、彼女のように生きるのは、難しいだろうなあ。自律神経失調症や鬱病と長年戦いながら、生活のために、書き続けた一生。圧巻。

  • 正直で口の悪い文章の数々につい笑ってしまう。
    ガンになって丸坊主にして、呆けた母と話す話が印象的だった
    「母さん、私しゃ疲れてしまったよ。母さんも九十年生きたら疲れたよね。天国に行きたいね。一緒に行こうか。どこにあるんだろうね。天国は」
    「あら、わりとそのへんにあるらしいわよ」

    「死ぬとわかるのは、自由の獲得と同じだと思う。」

  • 友人の薦めで、終わりのほうだけ読みました。

    ◆2007年夏

    >私は18のときからわかっていた、夫婦生活の何十年かはとてもつらかろう、しかしそのつらさを持続する事は老後のためだけである。もう誰も華やぐ命など与えてくれなくなった同士が、縁側で、「柿むきて云うこともなく」お茶を飲む日のためにあるのだ。

    間違いではないと思いますが、これは考え方次第だと思います。例えば紅葉を「葉の老化に伴う非適応的な副作用である」と言ってしまえばそれまでですから。

    ◆2008年冬

    >「佐野さんはもう一年位で死ぬのに、こわくないの」
    「全然、だっていつか死ぬじゃん、そんなのわかっているじゃん。」
    「だけど何で、そんなに平気で元気なの、こわくないの」
    「こわくないったら。嬉しいよ。あんた死んだらもう金いらないんだよ、かせがなくたっていいんだよ、金の心配しなくていいだけでもラッキーって思うよ」
    「こわくないの」
    「こわくないって、それにガンってすごくいい病気だよ、死ぬ時に死ぬじゃん、もっと大変な病気いっぱいあるじゃん、リューマチとかだんだん悪くなるだけで、ずーっと痛くて治らないとか、死ぬまで人工透析するとか、脳梗塞で寝たきりで口がきけないとか、体が元気で痴呆とか、何でガンだけ『ソウゼツなたたかい』とか云うの、別にたたかわなくてもいいじゃん。私、たたかう人嫌いだよ」


    >私は今、何の義務もない。子供は育ちあがり、母も二年前に死んだ。(略)二年といわれたら十数年私を苦しめたうつ病がほどんど消えた。人間は神秘だ。

    >でも思う。私は死ぬのは平気だけど、親しい好きな友達には絶対死んで欲しくない。死の意味は自分の死ではなくて他人の死なのだ。

    >人はいい気なものだ。思い出すと恥ずかしくて生きていられない失敗の固まりのような私でも「私の一生はいい一生だった」と思える。本当に自分の都合のいいようにまとめるのは私だけだろうか。

    気に入ったところを抜粋しました。
    ご冥福をお祈りします。

  • 特に最後の章がいい。
    亡くなる2年前に書かれている。
    これ読むと、元気に(?)死ねそう。

  • 若いころ”オバタリアン”なんてことばも流行っていて、おばさんになるのはいやだなぁ~と思ってたような気がする。だが実際おばさんといわれる年令になってみたら、案外おばさんて悪くない。おばさんが何をしようが他人は気にしていないことがわかるし、この先生きていく時間はこれまで生きてきた時間より短いので、躊躇わなくなる。躊躇ってやめちゃうなんてもったいない。やってみたらあると思っていたハードルは、意外とひょいっと越えられることにも気づいたし。そうしたら、バアさんになった68才はどうやらもっとすごいみたいだ。「この先長くないと思うと天衣無縫に生きたい、思ってはならぬことを思いたい」
    そうはいっても老いは酷だし、癌ともつきあってかなきゃならない。痴呆で寝たきりの母親もいる。佐野洋子はときにぷんぷん怒りながら、ときには声をあげて泣きながら、またあるときは韓流スターに熱をあげて舞いあがりながら、余生を楽しく生きている。そう、癌で余命二年の宣告を受けた時さえ、十数年苦しめられたうつ病がなおり、人生が急に充実してきたという。「死ぬとわかるのは自由の獲得と同じだと思う」
    彼女は幼少のころ大陸で終戦を迎え、困窮ゆえに兄弟を亡くしている。わたしなどには想像のつかないひもじさや苦労を経験してきた人だ。だからこその天衣無縫な「今」なのだ。ちゃらちゃら生きてきた自分が同じようなことのたまうなんておこがましいのだった。
    ただしゃべっているような、思うがままに綴ったかのような語り口で、たびたび声をだして笑ってしまうのだが、おなじくらいに切なく哀しく、泣かされる。かみしめるべき名言がそこかしこにある。この先の人生の指南書かもしれない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「おばさんになるのはいやだなぁ~」
      いつまでも若々しくありたいと思うのは男も女も同じでしょうね。確かにオジサンやオバサンって人間性丸出しの下...
      「おばさんになるのはいやだなぁ~」
      いつまでも若々しくありたいと思うのは男も女も同じでしょうね。確かにオジサンやオバサンって人間性丸出しの下世話さがあって、何と言うか、、、マイナスイメージがありました。
      そんな訳で私は仙人になりたいなぁと、中年熟年を飛び越すコトを願ってました(まぁ、そんなに長生きは出来ないと思いますが)。。。
      「この先の人生の指南書かもしれない。」
      きっと、生きるコトに貪欲でありながら、自然体の人だったからでしょうね。。。
      2013/03/21
  • 60代後半から70代前半あたりのエッセイ。
    老人が色気付いて何が悪い笑
    華やいだ気持ちが欲しい。
    お金が減っていくのは寂しい。

    歳をとるってそういう感じなんだな、と赤裸々なので面白い

  • 女性作家の癌を患ったり呆けかかったりした60代半ばのエッセイ

    良い意味で、格調が高くなく、倫理的でなく、
    そんなこと書いて良いんだと思わされる内容。

    つまらなくならない、下品にならない文章は
    人柄によるものなのだろうか。

  • 64

  • 文学

  • 老いていくとはこういうことなのか。それでも飄々と日々を過ごしていく。笑えるエッセイ。

  • 日記形式で本当に日記みたいな文章が続くのですが、これが面白くてどんどん読めました。韓流ドラマに嵌まる佐野さんの様子がおかしかったです。

  • 2016*1*6

  • 小気味いい人だわー、絵本作家とは思えない…

  • 読むときが良ければ、楽しめるのかも。

  • 佐野さん、お亡くなりになっていたのですね。
    老いを意識して、どう生きるか。作者の考え方、過ごし方は好きです。

  • 作者、佐野洋子さんのとりとめもない日々をとりとめもなく綴った本。
    最初に、石田純一が有栖川何とかに騙されてご祝儀を置いて返ったなんて話が乗っていて、これっていつの話・・・と思いながら読んでいたら、ちゃんと話の最初に2003年秋と書いてありました。
    そこから始まり、2008年の冬まで、春夏秋冬毎に綴られた佐野さんの日常。
    以前この人の本を読んだ時も思いましたが、「とりとめもない」という表現がピッタリじゃないかと思います。

    だって、「プロジェクトX」を見て泣いてたなんて話から突然野菜にドレッシングをかけて食べた話へ、そして手袋が一つしかないという話からベニスの街並が目に浮かんだなんて話へとどんどん話が飛んでいく。
    だからこっちもまともに読もうという気にはならないけど、でも興味があるから見てしまう・・・。

    それも佐野洋子さんの人間的な魅力からくるものでしょう。
    相当に癖のある人だというのは文章からも書いてある自身の行動からも伝わってきます。
    例えば、大震災の被害にあった友人に慌てて電話して何を言うかと思えば、
    「レバーペーストの作り方教えて」
    なんて言葉だったりする。
    何て自分勝手で非常識な・・・。
    もちろん、友人は大激怒したらしい。(当然だ)
    私もそりゃ、それはないだろうと思いつつも、何故かこの人のした事だと思うと本気で怒る気がしない。
    それがこの人の人間力じゃないかな?と思う。

    またこの本には、食べ物の話がたくさん出てきて、この人は食べることを大切にしてきた人なんだなぁ・・・と思いました。

    タイトルの通り、読んでいて「役に立つ」という本ではないけど、読んでいる間、独特な佐野ワールドに浸り、その感性に触れることのできる本だと思った。

  • 「100万回生きたねこ」の作者だと知らずに題名に惹かれて購入しました◎ジャケ買いです◎
    素晴らしい作家は精神病の人が多い‥ような気が(?_?)

  • 佐野洋子さんのエッセイは初めて読みました。
    初めの数行で、読むのを止めようかなと思う文章でした。ちょっとにがて・・・。
    エッセイはほとんど読まないので、こういう物なのかなと、思って読み続ける事にしました。

    佐野洋子さんというと『100万回生きたねこ』はロングセラーで、『おじさんのかさ』や『だってだってのおばあさん』がうちにもあります。子どもたちによく読み聞かせました。
    絵本とまったくイメ―ジがあわないのです。

    内容は正直、おもしろかった。同感するところが多かったです。

    このエッセイは2003年から2008年まで雑誌に掲載されたものをまとめた物です。

    この中で、佐野さんは60代後半。自分を小母さんといい。自分の事、周りの友人達との関わりなどが多く描かれていました。しかも、かなり辛口、悪口?。芸能人や著名人も実名で揶揄する場面もあります。
    母親が長く痴呆を患っている事と年齢の事もあり、呆けについて恐怖感を感じているような場面がよく出てきます。

    読み続けるうちに、佐野さんが戦争で随分食べる事に苦労した事。子どもの頃にお兄さん、弟さん、父親を亡くされている事。うつ病だった事。乳ガンで手術をした事。なども書かれていました。

    最後の章は、ガンで余命2年と担当医に言われ、抗ガン剤も延命も断り、昔通に生活する事を選びます。
    もう、お金を残す必要がないと「ジャガ―」を買って、乗る。
    「十数年苦しめられたウツ病が消えた。」
    「死ぬとわかるのは、自由の獲得と同じだと思う。」
    とご自分の死について、何も恐れず、受け入れ、むしろ清々しく語っている。
    しかし、「私は死ぬのは平気だけど、親しい好きな友達には絶対死んで欲しくない。死の意味は自分の死ではなく他人の死なのだ」と言う。

    すごく深い。

    読み終わると、後半になるにつれて内容は死に近づいていたような気もした。

    佐野さんは2010年11月に亡くなられました。

    佐野さんの絵本をもう一度読みたくなりました。


    ■佐野 洋子(さの ようこ)1938年6月28日 - 2010年11月5日
    作家、エッセイスト、絵本作家。
    北京生まれ。7人兄弟だったが、幼少時に病弱だった兄を亡くしている。
    武蔵野美術大学デザイン科卒。ベルリン造形大学でリトグラフを学ぶ。卒業後、デパートで働くが、すべての工程を自分で決めたいと、デザイン、イラストレーションの仕事を手がけながら、『やぎさんのひっこし』で絵本作家としてデビュー。
    代表作である『100万回生きたねこ』は、人生や愛について読者に深い感動を与える絵本として子供から大人まで親しまれている。海外絵本の訳本もある。
    エッセイストとしても知られ、『神も仏もありませぬ』で2004年度の小林秀雄賞を受賞。『役にたたない日々』の中で、がんで余命2年であることを告白していた。2010年11月5日、乳がんのため東京都内の病院で死去。72歳没。没前後も著書が刊行された。2012年には、晩年を記録した映画『ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ』が公開された。
    喫煙者であり、ガン宣告を受けても喫煙は止めなかった。後年はメディアなどにも多数出演している。(wikipediaより)

  • 佐野さんの最期を読んで、
    私はどうかな、慌ててるか、何かやりかけでミスってるのに気づいたけど手を打てないまま
    ひゅる〜っとアウトしそう。

    ちょっとサプライズとか、
    ちょっと誰かを笑わせたりして、
    ふっと深呼吸して息が止まるといいな。

  • エッセイというか日記。これも三浦しをんの「三四郎・・・」に出てたんだっけ、他の本で見たんだっけ。面白かった。60代後半でエネルギッシュに生きている。鬱病を患っていたとは思えないほど。非常に攻撃的。ぼけていく心配、韓流ドラマにはまること、戦中・戦後の幼少期。この年代の人が強いわけだ。死ぬ直前、のような書き方をしていたけど、亡くなったのは去年だそうだ。やはり強いなー。

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著者プロフィール

佐野 洋子(さの・ようこ):1938年生まれ。幼少時代を北京で過ごす。62年武蔵野美術大学デザイン科卒業。73年創作絵本『すーちゃんとねこ』でデビュー。『わたしのぼうし』で講談社出版文化賞絵本賞、『わたしが妹だったとき』で新美南吉児童文学賞、『わたし いる』でサンケイ児童出版文化賞、『ねえとうさん』で日本絵本賞・小学館児童出版文化賞、『神も仏もありませぬ』で小林秀雄賞等多数受賞。『100万回生きたねこ』『おじさんのかさ』など。エッセイ集『わたしの猫たち許してほしい』『ふつうがえらい』『シズコさん』『役にたたない日々』『死ぬ気まんまん』など。2003年紫綬褒章受章。2010年11月逝去(72歳)。

「2026年 『はだか 谷川俊太郎詩集 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐野洋子の作品

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