食糧がなくなる!本当に危ない環境問題 地球温暖化よりもっと深刻な現実

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  • 朝日新聞出版
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022504692

作品紹介・あらすじ

食糧・石油不足、危険な外国製食品、身近な食中毒…生活に忍び寄る本当の危機を綴った衝撃の書。

感想・レビュー・書評

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  • 花粉症で苦しんでいた私ですが、昨年の冷夏のお陰で花が詰まって夜中に目が覚めることは一度も無く快適な?春を過ごせました。でも、このような天候で食物は順調に育つのでしょうか。

    地球温暖化は起こっていないと主張される武田氏は、この本で食糧危機が起きる可能性を指摘しています。地球寒冷化となれば食物がとれにくくなるとは予想できますが、日本の食料自給率は低いので心配です。

    経済破綻に対しては少しは自分でできる防衛策もありますが、食糧問題については農家に知り合いのいない私はその対策が難しく、今後の食糧事情については目が離せられないという思いを強くしました。

    以下は気になったポイントです。

    ・繰り返し使うことができる水に対して、石油(9割程度を燃料として使用)は使い捨てであり、日本人は飲み水の3倍の石油を使っている(p17)

    ・もし明日、大油田が見つかったとしても、それが油として生産できるようになるには20年かかる、油田が見つかっても間に合わない時代に突入した(p18)

    ・寒暖計を使い始めたり、世界的な気候に関心を持ち出したのが100年前であり、ほとんどの大災害は「史上最高」になる(p24)

    ・ブラジルのサトウキビ生産は、トラックの荷台にその日に集めた労働者を詰め込んで手作業する方法であり、主力穀物でないのでブラジルのバイオエタノールは世界の大勢には影響しないが、アメリカのトウモロコシバイオエタノールは話が別(p30)

    ・アメリカのトウモロコシ畑は、日本のコメ作付面積:167万ヘクタール(農地全体面積:450万)の20倍:3900万ヘクタールもある(p31)

    ・農作物の価格が乱高下する問題を解決する方法として、トウモロコシ価格が暴落したときにバイオエタノールに切り替える方法が発見された(p33)

    ・肥満比率(=体重/(身長^2))は日本は5%以下(2000年)で主要国では韓国と並んで低い、1位はアメリカの30%、20%以上はメキシコ、イギリス、オーストリア(p41)

    ・世界では1年に1500万人が餓死、日本内で家畜の犬は40万匹も保健所で殺されている(p44)

    ・世界の収穫面積が変化しない(1960年から2000年まで6億ヘクタールで一定)のに穀物収穫量が多くなった要因は、石油をふんだんに使ったから(p46)

    ・ロシアは京都議定書において、温暖化ガスの計算基準を1990年にすることで、38%もの「温暖化ガス排出貯金」を手に入れた(p61)

    ・石油の需給曲線は、2004年に交錯した、需給バランスの差は大きくなり、2010年で5億バレル、2020年には20億バレルになる、新規油田発見のピークは1960年頃(p85)

    ・一時期には1バレルが70ドルを超えるとオイルサンドの採算が取れると言われていたが、そうでないことが今回の原油高騰で証明された(p86)

    ・穀物自給率は生命を保つ上で重要、食料自給率は人間が人間らしく食の文化を楽しむために必須である(p89)

    ・第一次氷河時代による寒冷化によって殆どの生物が死滅した、寒冷化→二酸化炭素減少→植物生産量が低下である、生物の94%が死に絶えた(p100)

    ・石鹸は牛やヤシ油を原料にして化学反応で作る、洗剤は石油を原料として石鹸作成時と殆ど同じ反応を経て作られる(p165)

    ・リサイクルで意味があるのは金属製品、プラスチックは1400万トン作られていているうちの4万トン程度がリサイクル、残りは殆どが焼却(p181)

    ・年金制度ができたのは1961年で、その時の月々の掛金は100円、そのお年寄りが年金をもらい始めたのが15年程前である(p245)

  • 「トウモロコシから作るバイオエタノールは環境に良い」
    「地球温暖化は人類を脅かす」
    「お金があれば食糧は確保できる」
    「今は飽食の時代だ」
    「日本人はメタボリック先進国だ」
    「ダイオキシンは危ない」

    全て嘘である。
    危険の本質とは、感情論ではなく確率論である。
    しかし今の日本、ひいては世界は感情論で危険を考えてしまっている。

    温暖化問題を日本が声高に叫んでいるが、世界各国の反応は思わしくない。
    それは、科学的な見地から温暖化問題は「問題」ではない、と世界は考えているからである。
    地球上の歴史を見ても、今の世界は小氷河期に当たり、中世温暖期に当たる11~13世紀頃の海水温度は今よりも1.5度以上高かった。
    そして温暖化は農作物の発育を促進するので、日本のように食糧自給率の低い国にとっては天の恵みである。
    温暖化が世界に悪影響を及ぼすことを示す科学的な根拠は、何一つとしてない。
    日本政府は真剣に温暖化問題に取り組むが、欧米諸国などは中国やインドなどの新興国の過度の発展を阻止するための手段の一つとしてしか考えていない。
    日本は外交が下手なので、感情論で危険をとらえ、結果として国益を失ってしまっている。

    日本の食糧が明日にもなくなるかもしれないのに、小学校や中学校ではツバルの海水面の上昇を気にして冷暖房の電源を切る。
    世界の危機を考える前に、自国の危機を考えるべきである。
    もちろん世界全体として平和を保つことは大切であるし、そういった考えを否定するつもりはない。
    しかし物事には順序がある。
    地球の裏側に住む他人よりも、隣に座る家族の方が大事である。
    海を渡れば食糧は余っているのに、そして食糧を買う金はあるのに、今目の前に食糧がない。
    そういったことが起こり得るのである。

    日本にとって今一番問題なのは、「食糧問題」である。
    アメリカのブッシュ元大統領が、トウモロコシをバイオエタノール燃料として利用することを宣言してから、世界における食糧危機の危険性は一気に高まった。
    百貨店やスーパーからバターは消え、鶏卵や小麦などの価格は上昇し、金があっても食糧が手に入らないということが続いた。
    人間にとって最も必要なものは食料である。
    石油ではない。
    ブッシュ元大統領は、倫理的に最も侵してはいけない罪を犯した。

    食糧というものは、大きく分けると「穀物」と「穀物以外のもの」に分けられる。
    そして人間は「穀物以外のもの」がなくてもなんとか生きていけるが、「穀物」がなくなるとどうにもならない。
    しかし今の日本のカロリーベースでの穀物の自給率は3割を下回り、もし今戦争でも起きて輸入が打ち切られようものなら、単純に考えて国民の約7割が将来的には餓死することになる。
    あれだけ飢餓問題が叫ばれている北朝鮮でさえ、国策として53%の穀物自給率を確保しているというのが現実である。
    もし世界的に食糧危機が起これば、日本が今までどれだけアメリカに媚びてきたという実績があろうが、アメリカは助けてはくれない。
    なぜならば、国家にとって守るべきは自国の国民であるからだ。
    日本という国家は、日本の農産物の発育を促してくれる温暖化を防ぐことにばかりお金を使い、すざんな農政を行い、国民の生命、未来を守るという責務を果たしていない。
    目の前には最新鋭の自動車が道路を走っているのに、路端では餓死者が転がっているという光景を、日本で見ることになるかもしれない。

    我々国民は、もっと賢くならなければいけないときが来ているのかもしれない。
    マスコミに踊らされ、感情論で危険を捉え過ぎではないか。
    本当に必要なのは、今日、メシにありつけることであり、気温が一度上がることではない。
    人間は危機を乗り越える生物である。
    これまで人間は多くの危機に直面してきたが、その度に人間の英知を結集して乗り越えてきた。
    それも全て、人間が「生きて」いたからである。
    「生きて」いなければ英知を結集することもできない。

    我々は食糧について、より深く考える必要がある。
    本書をより多くの人が読んで、日本の食糧問題についての大きなうねりが形成されることを期待したい。

    下の動画は、できる限り全ての人に見ていただきたい。
    今の世界における食糧問題を、ありのままに示してくれている動画である。

  • 身土不二 人間はその土地から取れたものを食べていれば健康だが,遠くのものを摂取していると危ない
    私たちの科学はわからないことが多いので、新しいものを使ったり、使う量が格段に多くなるときには何かが起こる可能性があると考えなければいけない
    チェルノブイリ ポーランドは各家庭にヨウ素剤がおいてあったので、危機がせまると安定ヨウ素剤をのむことができ、少数の胃腸障害と皮膚の発赤が報告されたものの、子どもの甲状腺癌は発生しなかったとされる。
    柏崎刈羽原子力発電所 地震の時の加速度が250-300ガルで設計 

  • 図書館で見つけた

  • 図書館で借りた本。
    日本の食糧の問題の状況は深刻だと思うし、もっとみんな考えてもいいと思っている。

    この著者は日本人は、見知らぬ場所の温暖化の悲劇を嘆くよりも、自分の子孫が食料危機に間違いなくあうことをもっと真剣に考えろと言っているように感じました。
    著者の温暖化したほうが、日本は食料自給率が上がるのでいいのでは?という考察と、
    地球の温暖化、寒冷化はワンセットで常に地球を襲っていて、そのサイクルの今は温暖サイクルに入ろうとしているだけで
    過去温度計を持って計れた歴史はほんの100年足らずで、それ以前のデータがないだけで、過去数千年の間に温暖化はあっても地球の営みはなされてきた、ということが書いてありました。
    この点は、オリジナルな発想で着眼点がおもしろいと思いました。

  • 1月27日読了。「環境問題」「地球温暖化」「食糧危機」「原発事故」など、地球規模の問題は日本を含めた世界に山積だが、「何となく危なそう・マスコミでよく報道されているから」というくらいのスタンスではなく。何が問題でその重要度・影響度はどれくらいあって、リスクと対応するコスト・利益はどうなのか、という観点での評価をしなければ自分の身を守れないし、国益を損なうという話。日本という国は大丈夫なのか・・・?私は将来も日本に住み続けることができるのか・・・?と不安になることこの上ない。「情報」は必要だが、それを評価して行動に移すのは個人の問題だな。

  • 食糧問題、温暖化、毒、原発、地震。
    穀類の自給、温暖化で食糧は増える、ダイオキシンは危険ではない。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。工学博士。専攻は資源材料工学。
東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。
同社ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学教授、名古屋大学大学院教授を経て、2007年より中部大学教授。
テレビ番組「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)などに出演。
著書『ナポレオンと東條英機』(KKベストセラーズ)、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』3部作(洋泉社)他ベストセラー多数。

「2017年 『武田邦彦の科学的人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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