欲望のゆくえ 子どもを性の対象とする人たち

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505019

作品紹介・あらすじ

子どもを性の対象とする人たちがいる。私が初めて遭遇したのは、小学校に入学したばかりの春だった。今となっては誰だったのか、知る術もない。ならばせめて、「子どもを性的に見る」とはどういうことなのか知りたい。こうして取材は始まった。彼ら一人ひとりの生き様と苦悩を追ったルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  •  ここで述べられている小児性愛の人々に対して、価値判断の入らない認識がもっとも難しいのでは、と思う書き手が、極力先入見や価値判断を避け、対等な人間として、話を聞いたり手紙のやりとりをして、この本は書かれている。この人々にどうあってほしいと言うことすらも書かない努力をしているようだ。小児性愛者は、行為を行うか行わないかに関わらずどちらにしてもマイノリティなのだが、マイノリティであることによる社会からの偏見や不当な取り扱いについても冷静に見ている。ここに書かれる当事者の中には虞犯の人もいるが、その人たちもある段階で、問題は性指向などの個人別特質なのではなくて、いろいろな特質を持った様々のひとを、異なる特質故に理解できずとも尊重すべきなのだ、ということを明確に意識し考えているようだ。世間には、警察にやっかいになったり新聞で騒がれたりするようなことはしないけれども、理解できない、あるいは理解したくない特質をもった人を平然とおとしめて語る人もある。マイノリティである、あり続けるということは、何か深い理解と引き替えなのか。そんなことを考えつつ読んだ。全然本筋ではないのに。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「理解できずとも尊重すべきなのだ」
      信じられない言葉や。。。
      小児性愛って、対等な立場の相手と、遣り取りの出来ない。自分より確実に弱い人...
      「理解できずとも尊重すべきなのだ」
      信じられない言葉や。。。
      小児性愛って、対等な立場の相手と、遣り取りの出来ない。自分より確実に弱い人間しか相手に出来ないんでしょ?
      人間関係の結び方を会得させて、どんな女性とも対等に話せるようになれば、解消するんじゃない?(と書いたけど、無理っぽいか)
      2014/04/03
  • ロリコン、ショタコン、小児性愛者、性犯罪者に関するルポ。著者の感想・回想を交えながら取材を中心に構成されている。子どもを欲望の対象とする人たちが現れるが著者の価値判断や批評の色は薄く、淡々とした筆致が頼もしい。被害者として語りはあるものの冷静なもので、むしろ(子どもを欲望することにたいして共感できる)読み手のバイアスが心配になる。「ロリコン死ね!」という人が読むと、人生の懊悩が深みを増すと思う。

  • 知らないことを知ろうとするときに対象への悪意から入ってはいけない。
    できる限りそのままに相手の話を聞くべきだ。
    それを貫くこの人はすごい。

    私はできない。「きもちわるい」と思う。
    「きもちわるい」と思う感覚をなくしてはいけないのではないかとさえ思う。
    (きもちわるいと思ったのは「こどもをあいしているからきずつけるようなことはしない」と言いきる人たちで、実際に犯罪をおかした人に対してではなかった。欲望を「愛」にすりかえず、コントロールできない無力を自覚して苦しむ人を気持ち悪いとは思わない)

    欲望を抱くことと実行に移すことはハッキリと別のもので、
    そこを履き違えてはいけないし、感情論で追い詰めてもいけない。
    というか、他人事として切り離して考えてしまうのをやめなければ。

    でも搾取商売をしてるやつは問答無用で死ねばいいのに。


    色んなパターンを並べるこの本は、大人の安心を買うためだけの「子供を守る=危ない部外者を排除しろ」という「安全策」と対極にある。
    子供を性的な目でみる人たちがモンスターではなくその辺にいる普通の人であることを当たり前に提示する。
    それを見てどう考えるかは読み手にまかされるから、懇切丁寧に解説付きの正答を教えてくれる教科書がほしい人には向かない。
    自分の頭で考えるためのヒントとすべき本。

  • 自らの被害体験を持ちながら、性犯罪加害者にも
    取材を重ねての本。

    声高に加害者を糾弾しているわけではない。
    地道にアポイント重ねて時間年月かけて話を聞いて、
    この本ができたことがよくわかる。

    一人ひとりの人生や環境や思いを
    聴き取っている。

    恐ろしいものを見るように
    ただ排除するべく語るのではない。
    恐怖をあおって魔女狩りのように
    仕立てるのでもない。

    あれはなんだったのか
    あれは誰だったのか
    何者だったのか

    香月さんの気持ちは、書き終えて、
    どうだったのですか?と、お聞きしてみたい。

    欲望を持つ自分に確信犯でいながら、
    加害者にならないために深く考えている方たちもいる。
    周りのセンセーショナルな報道や排除や侵入に傷つけられた人もいる。
    この本の地道な取材から分かってくる。
    相互援助グループや性犯罪者処遇プログラムなどの
    紹介もある。
    そしてその対象の方の少女「ジュニアアイドル」の方にも
    取材している。

    「こどもを性の対象とするひとたち」(サブタイトル)についての
    力作といえるのでは。

  • 女児だけでなく男児の例も扱っている

    手を出さないことを大事にしている人も多い
    ふつうの成人男性が幼女に欲情しないと同じように、小児性愛者は成人女性に欲情しない
    同性愛者がわざわざ異性と性交渉しないのと同じというのはなるほどと思った

    BLのポイントが出ていて参考になった

    一口に子供が対象といってもグラデーションがあると思った
    我慢できなかった人、我慢してる人、現実に興味のない人・・・
    偏見で全部まとめて切って捨てるのではなく個々に分けて見るべきだと思った

  • ニュースで流れる子どもが性の対象となって起きる事件。それを見るたびになんでこんなことするのかな~って思っていたので読んでみた本。いろんなケースの人がいるですね。

  • まぁ、軽く面白く読めた。

  • 児童が拉致されて殺されたりする事件が最近やたら目につくので、参考になるかと思って読んでみた。

    ここで取材を受けているのは、小児性愛者だけど社会になんとか抹殺されないように、そして大人達の気持ちを裏切らないように、自分の気持ちを必死で抑えている「常識的」な人達ばかりだ。

    中には一線を超えてしまった結果、人生をやり直そうとしていたが、周囲からの圧力で、立ち上がるチャンスを挫かれたような人もいる。

    子供のことを考えると、彼ら彼女らが無条件に非難される存在になるのは仕方がない面もある。
    しかし、小児性愛者が「変態」であることは、同性愛者が同性を好きなのと同じように、先天的なものだと思える。
    マイノリティとして阻害され、本心を抑えて生きざるをえない人々が気の毒にも思えた。

  • 推薦者 共通講座 春木有亮 先生

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