まず石を投げよ

  • 朝日新聞出版 (2008年11月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784022505101

感想・レビュー・書評

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  • 久坂部羊 著「まず石を投げよ」、2008.11発行。医療ライター、菊川綾乃33歳の「医療ミスとは何か」「医者の誠意は是か非か」「医療界の隠蔽体質に風穴が開くかどうか」などがテーマでしょうか・・・? 全411頁。4日、頑張って読みましたが、138頁でとうとう失速しました。

  • 久坂部羊さんの本が個人的に好きだから楽しかった

    最後20ページくらいがよく分からなかったが、そこまでは凄く面白かった


    指示に従わないくせに病態が悪くなると治せ治せっていう患者は、医師からしたら嫌いたくなるよね


  • 「まず石を投げよ」(久坂部羊著)

    医療ミスをテーマにした物語、三木医師の行為の謎を中心にして展開します。医療ミスの隠蔽という重いテーマであり人間観関係にメスを入れる物語でもあります。結末は読者の想像に委ねられていますが僕はみんな助かってほしいなと願わずにいられません。ある意味魂の救済の物語でもあるように思います。

    この書名は秀逸です。特にクリスチャンである僕にはこの書名自体がミスデレクションになってしまいました。こういう解釈もあるのかと登場人物が書名の元になった聖句を引用して自分の思いを述べたときに思いました。作者の名前からもなんか作者がクリスチャンのような感じはするのですがどうなんでしょうかねえ。

  • 宍村さんのラストかっこよすぎた。それに比べて、主人公にあまり魅力がなく、どこか中途半端。自分の仕事に対しても、夫に対しても。結局仕事は宍村さんにいいところ持っていかれてるし、夫のあやしい態度にも追及していない。でも、この本に書かれているいわゆるテーマ的なものは面白い。三木先生がいう、患者と医者の憎み合う関係とか、すごく興味深かったし、三木ではなく宍村さんで医療ミス隠蔽の本質に迫ろうとしているのも予想外だった。確かに患者は医者にパーフェクトを求めすぎているし、患者は医者の苦労をあまりわっていない。でも、命に関わることだからパーフェクトにしてほしいのもわかる。やっぱり、三木の考える医者と患者の関係の蟠りが、医療ミスに繋がるのかも。

  • 医師である筆者が医療界に薄暗く漂う医療ミスの隠蔽体質をテーマに執筆した作品。
    献身と憎悪が一枚の皮膚の下に同居している主人公の医師や相手が自分と同等かそれ以上の不幸を味わわないと満足できない元妻の心理を私は理解できない。
    医師は誠実であるべきとされるが、医師も人間であり、好き嫌いもあるし、無意識に抱いた反感が集中力を落とすこともあるだろうが、それを患者側は当然と受け入れてはくれない。
    被害者遺族の心理も様々で、真実を追求したい者もいれば最愛の人の死を受け止めるのに苦闘し傷が癒えるのをただひたすら待つ人もいて、真実を知る権利があるのと同じく知らないでおく権利もあるが、メディアや世間は真実を暴く事のみが正しいとする風潮にある気がする。
    まず石をなげよ。と作者は題した。
    そして聖書のファリサイ人のエピソードから、人は互いに罪深いから許し合おうという事なかれ主義ではなく、糾弾すべきは糾し自分にも罰を科す選択を見せた。
    何が正しいのかわからない、
    でも石は投げるべきなのかもしれない。

  • つかみは悪くなかったんだけれど、伏線も全く回収されないし、最後が死んで終わりなんて!
    長い話を読んだのに、モヤモヤ・・・

  • 三木先生がとった行動の真意を咀嚼できぬまま読了。つかみきれなかった。

  • 外科医・三木は医療ミスを告白し、患者の遺族にみずから賠償金の支払いを申し出た。
    究極の誠意なのか、それとも、その医療ミスの陰には何か隠された事実があるのか?
    医療ライターの綾乃が取材を始める。

    -医師はいくら治そうとしても治らない患者を無意識に憎み、同じく患者も病気を治してくれない医師を憎んでいます。患者は、医師にとって手を煩わせるやっかいな存在であり、医師は患者にとって頭を下げねばならない不快な存在です。
    そして最後には必ず両者がともに忌避する“死”に至る。医師と患者は“死”という絶対の壁をはさんで永遠に敵対する宿命にあるのです。-

    医師が患者に抱く嫌悪感。それが医療ミスに繋がるのだろうか?

    綾乃が取材で投げた小さな石が、最初は小さな波紋を生み、そして大波を引き起こしていく。

    400ページ超の分厚い作品だけれど、ぐいぐい引き込まれ、あっという間に読了。

  • 医療ミスを自ら告白し賠償金支払いを申し出た外科医を究極の誠意としライターの綾乃が追う。患者と医師の深層の敵対関係等清廉ではない反面、説には迫真のリアルもある気がした。隠蔽体質を暴く、医療ミスが起こった際の医師の心理実験のTV等。厚さを感じず引き込まれた。綾乃の夫の存在意義や結末が何だか取り留めがない。

  • 三木先生が、何が言いたいのかしたいのかよくわからなかった(・・;)結局、あやふやなまま、終わってしまった。

    中間からの話がずっと変わらず、続いているような...

    うーんもっと面白くなると思ったら残念。

  • 多くを語らないがために誤解される人もいるのだろう。
    自分の信念に従い行動し、周りに振り回されない。
    立派だと思う。
    ただ、人はひとりで生きていけるはずもないので、周囲への多少の気遣いは必要じゃないか。
    多少の気遣いがあれば、ここまで誤解されることはなかったように思う。

  • あれ?!なんだか、最後の最後があっけなく終わってしまった。不完全燃焼。

  • これも最後がちょっとどう捉えたらいいのか・・
    天才とか異才、鬼才と呼ばれる人の
    エネルギーについていけない感がある。

  • 2015/10/03-10/12
    医療事故 加害者と被害者が交錯する。裁判が日常化した現在、日本人の価値観が揺れている。

  • 「石を投げよ」とは「一石を投じよ」
    ということなのだろうか
    医学界に対して
    石と医師、そこまでは考えすぎか
    実際の医学界もこのようなことがあるのだろう
    恐れるべきなのか、問題視すべきなのか

    倫理観を磨くにはどうしたらいいのだろうか

  • 久坂部さんの作品なので厳しく☆2つです

    内容がなんだか中途半端です
    今までの作品から考えるとがっかりでした

    医療ジャーナリストの菊川綾乃さんのポリシーもいまいち理解できない。
    自らの医療ミスを認め謝罪した三木医師の人物像は病的な完璧主義。
    結局最後はみんな死を選んでしまったりと飛躍しすぎな感じがしました。

    ちょっと残念です

  • 2014.12.12

  • 月に3,4回通院する患者からすれば、そら恐ろしい話であり、最後までおもしろく読んだ。テレビは、真に受けないが、医師は、何となく信じているから、人間ドックにも毎年いく。最後は、やはり、エンターテイメントか。

  • 初めて著者の本を読みました。タイトルも好きだし、何かのレビューを読んで興味を持ったのですが、医療ミスにまつわる話。自分のミスを遺族に話し賠償金を払った医師、三木を取材しようと走り回る菊川。彼の周りには不穏な空気が漂う。他にテレビの制作会社の女や、看護師、映像記憶能力のある少年など、あまりに登場人物が多く、エピソードがありすぎて、結局何が言いたい作品なのか分からずじまい。船頭多くして・・的な感じで終わったとき、で?何が言いたいの?となる作品。全体的におもしろいのですが、もう少し的を絞ってれば良かったのかな。

  • まず石を投げよ、という題名が気に入って借りました。内容は医療ミス。

    ミステリーらしい内容で、最後まで息が抜けませんでした。タブーと思われる医者に対する実験の中で、医療ミスを認めた先生が、「だけどこんな胃の患者さんがいたかな?」と考えるシーンがあるのですが、これこそが医師があるべき姿だと思いました。できればこんなお医者さまに最後は看取ってもらいたいものです。

    そして三木先生のミステリー。彼は悪魔なのか、天使なのか?気持ちがクルクル変わっていきます。あと主人公の医療ライターですが、軽はずみな行動が多くないですか?いくら強引にされても、知らない男の車にのこのこ乗るなんて信じられない。北がマンションに押しかけて来たときもそう。自分の夫がいない時に、近所迷惑になるからと、玄関の鍵を開けるなんて!ルポライターって、そんなに周りの目が気になるんですかねぇ?

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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