帝国ホテル流 おもてなしの心 客室係50年

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著者 : 小池幸子
  • 朝日新聞出版 (2009年2月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505170

帝国ホテル流 おもてなしの心 客室係50年の感想・レビュー・書評

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  • 『』

     私の働いているレストランではお冷をテーブルまでお持ちするサービスは行っていません。お客様に自分でついで来てもらうことになっています。でも、杖をついたお年寄りの方などには「お冷はあちらにあるのですが、お持ちいたしましょうか?」と声をかけるようにしています。しかし、大抵が「悪いからいいよ」という風に断られてしまいます。中には「足が悪いのにこういうお店は来ちゃだめね」と言われてしまってとても申し訳ない気持ちになったことがあります。私はお客様が快適にお食事できるようになんでもしたいなと思っているのに、結果はお客様に気を使わせ、悪い気持ちにさせていました。どうしてこうなってしまうのだろう…と悩んでいたとき、私はこの本に出会いました。
     この本の著者・小池幸子さんは帝国ホテルの客室係として50年以上勤めています。その経験から『おもてなしの心』について語っているのですが、その中で、私が悩んでいたのと同じようなエピソードがありました。「お客様のお荷物を持つ」という話です。「お客様、お荷物をお持ちいたしましょうか」というアプローチではお客様にYES、NOを答えていただくことになり、まして女性のスタッフに荷物をポンと渡す男性客はほとんどいません。そこはもう一歩踏み込んで「お持ちいたします」と間髪を入れずにお荷物を受け取るのがより適切なサービスだという話でした。
     なるほどな、と思いました。私も「お持ちいたしましょうか?」から「お持ちいたしますね」と声をかけるようにしました。そうするとお客様からは「ありがとう」と答えていただけて私もいい気持ちでサービスをすることが出来ました。もちろん、「自分で取りに行けるよ!」と怒られることもあるので、お客様をよく見て臨機応変に対応しなくてはいけません。帝国ホテル流のおもてなしを少しまねさせていただきました。
     接客だけに限りません。たとえば、困っている友人がいれば「手伝おうか?」ではなく「手伝うよ!」と声をかける。そうすれば友人も快く頼ってくれますよね。相手を思うあまり一歩引いて考えてしまいがちですが、そこを一歩踏み込んで考え・行動することが本当の『おもてなしの心』なのだとこの本は教えてくれました。
    小池さんのこうした思いが信頼を得て、たくさんのお客様に愛された理由なのです。あなたも、この『おもてなしの心』を読んで、人に信頼される・愛される人を目指してみませんか?

  • 帝国ホテルに泊まりたい。

  • 著者は帝国ホテル入社後50年以上客室係りとして勤務。海外からの賓客やVIPのお世話を担当。
    ここでもおもてなしの大前提は掃除、自身の出発点はトイレ掃除だとしている。

    (メモ)
    著者の「短気」が接遇という仕事に利しているのではないか。

    ・一歩踏み込む、というキーワードが重ねて出る。でしゃばりとは違う。
    ・後輩に伝えるメッセージのトップがフットワークを軽くすること。
    音が聞こえたら、気配を感じたら、即、動く。エレベーターのチャイム・ドアの閉まる音、そういう音がした方向へ*条件反射的に足を向ける。これがおもてなしの基本だと。挨拶も必ず一歩踏み出して。
    *応用範囲が広い。

  • お荷物をおもちしましょうか?:相手にYes/Noを判断させる

    ⇒お荷物をおもちします

  • 意外とてきとうでミーハーだけど、一度やると決めたからには最後までやり通す。自分に関わっていく人たちを大事にしたい、という思いを常に抱えている。
     それが、読み終わった後の小池さんに対する印象、というか人物像だった。

     彼女は自分にも厳しいし、他人にも厳しい。その仕事への情熱は本書を少し、たとえばあなたが全6章のうち1章読んだだけでも伝わってくるだろう。しかしながら、定年を迎え今でも特別社員として働く小池さんは、入社当時辞めようと思ったことがあるという。
     元はと言えば、帝国ホテルで働けば有名人と会うことができる!というミーハーな思いからの入社した著者は、客室係の担当になる。当時ホテルには新人はトイレの清掃をヘチマ、ほぼ素手で行わなければいけないという決まりがあった。
     ホテルのトイレを素手で掃除するのだけでも嫌なのに、先輩たちからはやり直しを命じられる。辞めようと何度も思ったけれど、ホテルの原点は「宿泊」にあり、宿初施設こそが綺麗に整っていないと快適に過ごしていただけない、という前提があることに気づいてから著者の意識は変わっていった。

     なぜその前提に気づけたのか。それは先輩の励ましの言葉があったからである。著書を読んでいくと、同じゲストアテンダント、ドアマン、レストランのスタッフ、派遣で来ている清掃スタッフ、数々のスタッフとの連携があってこそ帝国ホテルは成り立ち、お客さんに喜んでもらえるのだからこそ、チームを大事にすべきだ、という考えがエピソードを交えて伝わってくる。

     そこで、私が読んでいてとてもいいな、と思ったエピソードを二つ紹介したいと思う。
     ひとつは、著者の旦那さんが折り紙のカエルを作った、という話である。はて、それがチームにつながるのか、またホテル業務とどうつながるのだろう、と思う方もいると思う。実は常連のお客さんの誕生日に何か「感謝が伝わる」プレゼントをしたい、と考えた際に、旦那さんにホテルに「帰る」という意味合いでカエルを折ってもらったらしい。それをロビーに飾ったところ、外国から来られるお客さんから特に好評で、今は200匹以上のカエルの折り紙が世界各地に飛んでいるという。
     夫は夫、妻は妻で別々の仕事をしていても、互いに助け合う、という夫婦の形が見える、素敵なエピソードだと思った。

     また、もうひとつ紹介したいチームワークの形は、海外からVIPが来賓したときのことである。泊まりがけで接遇をし、疲れている著書のデスクの上に栄養ドリンクが置いてあった。ロッカーの着物の引き出しには、リンゴジュースと手紙が置いてあった。全て仲間のゲストアテンダントが著者のことを思ってしてくれたことである。
     同じスタッフ同士でお互いに励まし合い、助け合う形は今私が所属している委員会やゼミでもとても重要である。
     特に委員会では、夏休み中でも集まりが週に1度はあり、疲れた顔を見せることも多くなってくるだろう。そこで疲れた顔を見せずに、今度はお菓子でも買っていこう、自分の出来ることから心遣いを始めていこうと思わされた一冊であった。

  •  みなさんは、ヘチマで便器の中を掃除したことがあるだろうか?

    これは、小池幸子という一人の客室係が見てきた帝国ホテルの究極のおもてなし方を記した本である。
    著者である小池幸子は高校時代に華やかな職業に憧れ、友人が帝国ホテルに入社を希望しているということを聞き、誰か芸能人に会えるのではないかと期待し入社した。ちなみにその頃、ヘレン・ケラーや、マリリン・モンローなどのVIPも宿泊していた。
    しかし、彼女が最初に任された仕事は、トイレを素手でヘチマを使って洗うことだった。その頃にも柄のついたブラシはあったというが、あえてヘチマを使わされていたという。また、10円玉がはねるようにシーツをはる、家具の場所を完ぺきに覚えるなど、部屋の掃除を徹底している。このように、帝国ホテルは「品格」や「格式」よりもホテル本来の目的である「宿泊」に重点をおいていた。

     小池さんは、担当するお客様の身体的特徴や嗜好品、癖などを手帳に書き入れ、次回来られた時に何をしたらいいか参考にしている。例えば、長期滞在されるお客様がヤクルト好きだと聞けば自費で買ってきて、何も言わずに冷蔵庫にいれておく。また、お客様の好みの室温が分かれば、次回来られた時にあらかじめ設定しておく。他にもたくさんの心遣いにまつわる素敵なエピソードが載っているが、どれも義務ではないし、小池さんの可愛らしい性格もあってか、まったく恩着せがましくない。すべて「さりげなく」するのがポイントなのだ。
    私は、気を遣える性格ではないので、いつも友人には気を遣わせていると感じる。そのなかでも、私がこの人は気がきく人だなと思った友人が2人いる。彼らは、小池さんのように「さりげなく気遣う」のが得意だ。例えば、借りたものには一言手紙を添えたり、私が辛い時には何も言わずそばにいてくれたりと、一緒にいて安らげる。どうしたら、私も相手に気を遣わすことなく喜ばせることができるのか今更ながら考えてみた。やはり、彼らを見ていても、小池さんのエピソードを読んでいても、「さりげない気遣い」は人と接する上でとても大事なことだと感じた。私も将来、社会に出たときに「さりげない気遣い」ができるように今から気をつけていきたい。

  • この本では、帝国ホテルで入社から客室係一筋、定年後も「特別専門職」として働き続けている小池幸子さんの経験談とともに、おもてなしの心について書かれているものである。中には、「おもてなしの心は、こんなことまでさせてしまうのか」と、思わされる体験がいくつも紹介されていました。
    数多くの人が「働く」ことをしていると思います。働いているとほぼ例外なくお客様を相手にします。帝国ホテルでのおもてなしの心は、私たちの働く現場にも活用できると、この本を読むと思わされます。一言でまとめると、「おもてなしの心はお客様の些細なことまで気づくという“愛情“である」とされています。突然ですが、あなたに好みはありますよね?それはお客様にも同様に好みはあるのです。それに気づき行動にできる事が小池さんを「すごい」と思わせる要因だろうと思います。それは、過去の体験談から見ることができます。
    小池さんが帝国ホテルに入社して間もなく、客室係として仕方なくトイレ掃除をしていたことがあるそうです。50年ほど前ではへちまを使って掃除をする時代で、トイレでも手袋をせず素手で掃除をしていました。今の時代では全く考えられないでしょう。しかし、帝国ホテルは素敵なホテルだからそこで働けることはすばらしいことだと当時の先輩に言われ、頑張れるようになったのです。イメージでは汚いと思う仕事でも、組織の一員であると思わされる時、組織のために頑張ろうと思うのだと本を読んで感じました。3,4年過ぎ、小池さんが客室掃除になり、掃除をした後に「部屋の絵がない」と先輩に言われ、本来なら「ここに確かにありました」と断言しなくてはならない状況で言えなかったのです。先輩が小池さんに教えたことに私はとても感動しました。それは「自分の仕事には責任をもって、どんな場合でも自信をもって答えられるようにしなければいけない」というものである。帝国ホテルだからという理由ではなくお客様を相手にする仕事では、小さなことにもおもてなしをして、「仕事だから」ではなく「仕事だからこそ」という気持ちでお客様第一の精神を持ち、自分に責任を持つべきなのだと考えさせられました。
    帝国ホテルの素敵な雰囲気、活躍した小池さんを影で支えた手帳のイメージを再現したようなデザインの表紙。一度手に取ってみると、あっという間に小池さんのおもてなしを本から受けることができると思います。

  • 帝国ホテルのプロフェッショナリズムを感じました。今でも引き継がれているなら一回サービスを体験したいですね。

  • 若干自慢が多くて、語り口が合わなかった。
    後ちょうど、自分が探していた切り口(嬉しいサービスとはなにか)に対してあまり参考にならなかったので低めに付けています。

    コンシェルジュという視点じゃなくて客室係としての情報をもとめるならありなのかも。

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