立花隆 小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505231

作品紹介・あらすじ

小林・益川理論はなぜノーベル賞を受けることができたのか。それが正しいと証明されたからである。証明されない理論は、そういっては何だが、ほとんど紙くずに等しい。その意味で本当にノーベル賞をとったのは、2人の理論家プラス2人の理論を証明した実験物理学者たちである。その実験物理学者たちはどこにいるのか。ノーベル賞委員会のプレスリリースにその名前がはっきり記されている。日本の高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「ベル」チームと、アメリカ・スタンフォード大学の「ババール」チームである。両チームは、1999年の実験開始から、世界の物理学史上最も激烈といわれる抜きつ抜かれつの競争を繰り広げた。そして2001年、両者はほぼ同時に小林・益川理論の正しさを証明した。

感想・レビュー・書評

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  • 「CP対象性の破れ(粒子と反粒子の存在が対象であれば宇宙が存在できないので、この対象性が破れる現象があるはず、という予想)が発生するためには、6種類以上のクオークが必要である」というのが、小林・益川理論である。この理論が発表された1963年当時、確認されたクオークは3種類だったことを考えると、とんでもなく非常識な予言と思われた。しかし、それから40数年後、この理論はノーベル物理学賞に輝く。 理論がどれだけ優れていても、その理論の予想することが実験によって確かめられなければノーベル賞の受賞はありえない。つまり、彼らの受賞を支えた実験結果(または実験装置)が、彼らをノーベル賞物理学者にしたといっても過言ではない。その装置こそ、KEK Bファクトリー。直径1Km、周囲3Kmというとんでもない大きさのの実験装置である。 本書は、この装置を支える実験物理学者や、装置の性能、使われている技術、ライバルのスタンフォードとの戦いに焦点をあて、小林・益川理論証明の裏舞台に迫る。著者が立花隆だけに、相次ぐ詳細な記述に辟易させられることもあるが、その分だけ読み応えもある。物理ファンは、ぜひ一読を進める。

  • 2008年ノーベル物理学賞をとった小林・益川理論を立花隆が調べた本。物理学の知識だけでなく協力研究者達の心理も書かれていて面白かった。

    [more]

    日本のKEKが作ったBファクトリーは、CP対称性のやぶれを証明するため、つまり小林・益川にノーベル賞を取らせるための加速器だった。
    中の人たちはそのために不断の努力をしていた。
    日本の技術力によりパワーではなく精度で圧倒的に世界一だった。

    加速器実験は中々有効なデータはたまらない。有効な衝突はものすごく確率が低い。なので何ヶ月や年単位でデータをためても途中では見ない。公平な解析が出来るように。

    ※数学と物理の関係
     朝永博士は無限をくりこみで解決した。
     200年前にガウスは複素平面発明


    物理学には3が良く出てくる、と小柴の弟子戸塚教授は言う。次元、クオーク世代数。
    ※ 色も3原色だ。

  • 再読。
    細かい話になると全くついていけない(著者曰く「日本の教育水準の凋落」の典型です)が、それでも楽しめる一級のドキュメント。
    しかし著者がやたらと「日本人が、日本人が」とあちこちで触れるところに少々違和感を覚える。実際この手の世界は激烈な国家間競争下に置かれており、それこそ「一番ではないとダメ」なのは当然なのだが、一方でこの手の話って人類共通の財産で、たまたま日本の国籍を有する者が発見したで良いのではという気もする。
    まぁ経済合理性だけで考えられない世界の確保と継承を日本社会の共通認識とすべきであることについては全く異議はございませんのであしからず。

  • 細かい素粒子物理学の説明は自分には理解できないことが多かった。
    しかし、
    Bファクトリーという加速器が影の功労者である。
    とか
    CP対称性の破れによって現在の我々の宇宙が存続していると考えられており、それが物理学の歴史においても最大級の謎であるとか
    物理学の流れを大きな流れとしてみるなら、すべての過程が過渡期であり、どのような大発見の向こう側にも、解き明かされれる大きな謎が横たわっているとか
    そんな内容を読むたびに
    果てしない物理学の世界に興奮と感動しながら読めた。
    面白かった。

  • 2000年頃の雑誌連載を元にノーベル賞受賞を期して出版。
    益川さんが良いキャラなのは確かだが、そればっかりの報道に怒る立花氏。
    論文の引用数が連載当時で世界2位、上も下もすでに受賞しており当時から受賞は時間の問題と見られていた。
    基礎物理でノーベル賞を取るのがどれだけ凄いか分かってるのかと嘆くのだが、理解するのはむつかしいわなあ。

    物質が原子が陽子と電子でできているのはわかる。ではダビンチコードに出てた反物質とは? 大きさが陽子で電荷がマイナスの反陽子と逆に電荷がプラスの陽電子があり陽子と反陽子、電子と陽電子はペアで生まれ、ぶつかると光になって消滅する。
    元々ペアで生まれたので消滅すると何も残らないはずが反物質の挙動が少し違うため陽子と電子などが余って残りこれが世界を作っている。(かなり適当な説明だがわかった範囲で書いている)

    陽子は最小単位ではなくクォークからなるということがわかってきたようだが、ノーベル賞は上の反物質の挙動がおかしいこととそのためにはクォークが6種あると予想を立てた論文が対象になった。これが書かれたのは1972年で理論上の存在だったクォークが発見される事により重要な論文となっていった。

    この本のもう一つの主役はこの理論を実証したつくばの高エネルギー加速器研究機構の装置で、高速で電子と陽電子をぶつけ発生するある粒子とその反物質のペアの寿命に差があることを実証する。この装置は戦艦1隻の重量で、電子顕微鏡なみの精度を制御する日本で一番巨大で精緻なマシンだと言う。アメリカの装置が先行していたが圧倒的な解像度で追いつき両氏の理論が正しいことを実証した。

    正直なところこの理論のことはよくわからない。しかしわからないなりに楽しめるドキュメンタリーだった。

  • 感動しました(>_<) 超ミクロのクォーク世界から宇宙の誕生を解き明かす小林・益川理論、それを証明するために世界中の実験施設が40年も競争を続け、最後に日本のBファクトリーが勝利します。やっぱり日本は科学の国です。自信が持てるなあ。

  • 三葛館一般 429.6||TA

    ノーベル賞受賞が発表されるとマスコミは受賞者の人柄やエピソードなどを報道しますが、実際何がすごいのか、何が受賞理由なのかというのは、ノーベル賞委員会の発表がほとんどです。
    長年にわたり両氏を取材してこられた著者が、分かりやすく、スリリングに小林・益川理論を証明してくれます。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=58290

  • これから本格的に読みます。楽しみですね。

  • ノーベル賞受賞報道はいろいろあったのに、肝心の研究内容について丁寧に教えてくれる番組も無く、高校以来「文系頭」の私には、研究について具体的に説明してくれる人が身近にいる筈も無く。こんな本をずっと探していたような気がします。
    物理の基礎の無い人が読んでも十分楽しめる内容で、帯にもある通りスリリングで一気に読み進められました。
    サイアスについては、私にとっても残念の一言。冒頭の「マスコミ報道のレベルの低さ」の一文に思わず苦笑い(^-^;;A

  • 面白い、わくわくする、そんな形容がふさわしい。昨年(2008)ノーベル物理学賞を受賞した小林・益川教授の理論と、加速器を使った理論実証を立花隆が思い入れたっぷりに綴った一冊。

    理系でありながら大学1年の数学と物理を完全に放棄した自分にも分かるらいの平易さで、小林・益川理論の重要性と、その実証を行った加速器の超最先端測定技術について説明されている。

    改めて日本の技術力の高さに驚嘆した。と同時に、「すぐに役立つ」とか「お金になる」とかいった目先のことを大学が追っかけて、こういった知識の地平を切り開いていく研究(文系・理系問わず)に予算を投じなければ、日本の将来は暗いよな、と思った次第。

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著者プロフィール

1940年長崎県生まれ。64年、東京大学文学部仏文科卒業。同年、文藝春秋社入社。66年に退社。67年、東京大学文学部哲学科に学士入学。その後、ジャーナリストとして活躍、74年、『文藝春秋』誌上で「田中角栄研究 その金脈と人脈」を発表。79年、『日本共産党の研究』で第一回講談社ノンフィクション賞受賞。83年、「徹底した取材と卓抜した分析力により幅広いニュージャーナリズムを確立した」として第31回菊池寛賞受賞。98年、第1回司馬遼太郎賞受賞。主な著書に『中核VS革マル』『田中角栄研究 全記録』『日本共産党の研究』『農協』『宇宙からの帰還』『青春漂流』『「知」のソフトウェア』『脳死』『サル学の現在』『臨死体験』『ぼくはこんな本を読んできた』『イラク戦争・日本の運命・小泉の運命』『思索紀行』『天皇と東大』『小林・益川理論の証明』『立花隆の書棚』ほか。

「2013年 『自分史の書き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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