ねたあとに

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.73
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本棚登録 : 433
レビュー : 100
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505316

感想・レビュー・書評

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  • 「俺が寝た後に、皆がものすごく楽しい遊びとか会話をしていたら悔しいじゃないか」

    文庫化を待ったが待ちきれずハードカバーで読了。
    著者の持ち味が凝縮された作品。
    コモローは著者で、ヤツオは古道具屋を経営するヤスローさんがモデルなんだろうなあ。

    夏だけ機能する別荘にあつまってオトナがわちゃわちゃ遊んでいる、ただそれだけなのに、いとしくてたのしくて安心する。
    とりわけ事件もない、不変。

    麻雀牌でやる「ケイバ」
    サイコロの出目で、性格出身地職業口癖趣味特技、見た目のパーツや声まで決める「顔」
    質問の最後だけ(世界が明日で終わるならどうしますか→「どうしますか」の部分だけ)がお題となり、それに対して答えを持ち寄り、質問の全貌を明かしてみんなで楽しむ「それはなんでしょう」
    どこで、だれが、なにを、どうしたゲームのように短冊折りにした紙に書いていく「タンカ」
    などなど、大人の遊びは尽きない。

    虫が嫌いな私なのに
    仲間に入って夜更けまでだらだらと遊びたくなる。
    そこには熱気とか活気とか青春とかはこれっぽっちもなくて、
    ただただ「遊ぶ」というスタンスがいい。
    何かする方も、みる方も、どっちもいい加減なこの家で行われている夏の暮しは、たぶん、誰しもが憧れてやまない。

  • 最高!
    手元にサイン本あるよ!(間接的にもらったものだけど)
    長島先生とお友達になりたい!って切実に思う!
    サイン会に出かけられたら口説いてみたい。

  • (333P)

  • 大好きな本。

    日常の記録、と思ってたけど、
    これは遊びの部分だけ切り取った本なんだなぁと今回は実感。
    でも、生活が濃くある。
    三年間という時間の厚みがいいね。

    私がいちばんすきなのは「顔」で、
    ぜひやってみたい。

  • 別荘でのひと夏を3年分ぐらい切り取ったもの。
    みんなでゲームをしたり、掃除をしたり、食事をしたり。
    そう書くと、なにか夏の思い出!みたいなはなばなしい映像が頭をよぎりそうだが、そうではない。
    ふだん住んでいる家よりもひょっとしたらぼーっとするような、せっかくだからアレをしようとか、みんなであれを食べよう!よっしゃバーベキューだー!といったことはまったくない。
    話中に出てくるゲームが楽しそうで、やってみたくなった。

  • 夏の別荘(虫多め)での生活。
    何も起こらないのに、面白い。
    毎夏変わらない光景だったり、ちょっと変化があったり。その家庭にとっては当たり前過ぎて、今更なんでって聞かれても、ということを掬って描くのが上手い。
    友達の友達と、細かいことは聞かずに過ごすのは大人な感じ。そんな人との距離が味わい深い。

  • 殺人も恋愛も何も起きない。山小屋で家族や友人とあそぶだけ。それも超インドアな自作のあそび。だけど面白い、日常の人と人とのやりとりだからこそ面白い。

  • 自分もお邪魔して一緒に遊んでいる気分に。
    『ジャージの二人』を読み返したくなった。

  • これ好きだぁー!
    学生時代の合宿のノリ+じいちゃんばあちゃん家に遊びに行く感覚みたいな。
    読みながら自分もこの山荘の一員になっていて楽しい一時を過ごせた。
    この小説は何を伝えたいのか?とか深く考えず読める話。

  • 名久井直子氏の手掛けた装丁の本を調べていて手当り次第に借りて来た中の一冊。
    が、なかなかどうして、なんというか独特な長嶋有ワールドに引き込まれてしまい、集中して読み切ってしまった。

    舞台は避暑地としての「山荘」で、小説に出てくるのは夏だけ。
    その夏が終わると小説でも次の年の夏になる。
    そこでは「何も起こらない」。恋愛も、事件も、ない。
    ただひたすら山荘での日常が綴られている。

    しかし、「みんなのレビュー」を見てもそうだけれど、
    読み手を飽きさせないのが長嶋有ワールドなのか。
    なにもない日常なのに、読み手に「あるある!」と思わせる
    詳細でリズミカルな描写。
    そして娯楽らしい娯楽の無い「山荘」で生み出された独特な遊び達。

    しばらくして、また読みたくなるだろうな…と感じる作品だった。
    そしてその他の長嶋有作品も読んでみたくなった。

    #その後名久井直子氏の出演するトークショーにて
    #偶然にも長嶋有氏の真隣に着席してしまい
    #トークショーの間中ドキドキしてしまったのであった…。

著者プロフィール

長嶋有
一九七二年生まれ。二〇〇一年「サイドカーに犬」で文學界新人賞、翌年「猛スピードで母は」で芥川賞、〇七年の『夕子ちゃんの近道』で第一回大江健三郎賞を受賞し、〇八年には『ジャージの二人』が映画化された。一六年『三の隣は五号室』で谷崎潤一郎賞受賞。その他の小説に『パラレル』『泣かない女はいない』『ぼくは落ち着きがない』『ねたあとに』『佐渡の三人』『問いのない答え』『愛のようだ』『もう生まれたくない』『私に付け足されるもの』、コミック作品に『フキンシンちゃん』、エッセイ集に『いろんな気持ちが本当の気持ち』『電化文学列伝』『安全な妄想』等がある。

「2019年 『三の隣は五号室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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