わたしとトムおじさん

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.34
  • (12)
  • (57)
  • (85)
  • (16)
  • (3)
本棚登録 : 353
感想 : 75
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505330

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 元ひきこもり、現在もちょっと対人恐怖症のトムさんと、その姪の帆奈(ハンナ)の物語。
    彼らが暮らす明治たてもの村が魅力的な場所で、装丁もよい。
    ハンナが物語を語るので、字も大きめで文章も簡単にしてあり、全体的にほんわかムード。
    もちろん、それなりに問題はあるのだけど。

    『空へ向かう花』でも感じたけれど、本当の意味での大人とはどういう人間をいうのか、それを小説を通して伝えてくれているように感じる。
    児童施設のママさんが施設の子供達に語っているという言葉。
    「子供はわがままや不満を泣いたり叫んだりしてぜんぶ外に出して明るくなって、それをすくい取って優しくなっていかなきゃならないのが大人なんだ」
    その通りなんだけど・・・。
    そして、明治たてもの村にはすくい取ってくれる大人がたくさんいるのがまた魅力的。
    トムさんもすくい取られ、今度は自分が他の誰かの分をすくい取ってあげようと、ゆっくり大人になっている。
    ハンナはそんなおじさんや周囲の大人に見守られ、やっぱりゆっくり成長している。
    じわっと温かい物語でした。

  • これは評価が難しいなぁ…。小路らしさは確かにあるんですけど、今ひとつ物足りないというか、食い足りないというか。どこがどうとは指摘できないんですけど、ちょっとした距離感みたいなモノを感じてしまいました。いや、けっして悪いできではないんですけどねぇ。

全75件中 71 - 75件を表示

著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

小路幸也の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×