本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022505330
感想・レビュー・書評
-
元ひきこもり、現在もちょっと対人恐怖症のトムさんと、その姪の帆奈(ハンナ)の物語。
彼らが暮らす明治たてもの村が魅力的な場所で、装丁もよい。
ハンナが物語を語るので、字も大きめで文章も簡単にしてあり、全体的にほんわかムード。
もちろん、それなりに問題はあるのだけど。
『空へ向かう花』でも感じたけれど、本当の意味での大人とはどういう人間をいうのか、それを小説を通して伝えてくれているように感じる。
児童施設のママさんが施設の子供達に語っているという言葉。
「子供はわがままや不満を泣いたり叫んだりしてぜんぶ外に出して明るくなって、それをすくい取って優しくなっていかなきゃならないのが大人なんだ」
その通りなんだけど・・・。
そして、明治たてもの村にはすくい取ってくれる大人がたくさんいるのがまた魅力的。
トムさんもすくい取られ、今度は自分が他の誰かの分をすくい取ってあげようと、ゆっくり大人になっている。
ハンナはそんなおじさんや周囲の大人に見守られ、やっぱりゆっくり成長している。
じわっと温かい物語でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは評価が難しいなぁ…。小路らしさは確かにあるんですけど、今ひとつ物足りないというか、食い足りないというか。どこがどうとは指摘できないんですけど、ちょっとした距離感みたいなモノを感じてしまいました。いや、けっして悪いできではないんですけどねぇ。