例外社会

著者 : 笠井潔
  • 朝日新聞出版 (2009年3月19日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (705ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505484

作品紹介

グローバリズムは何をもたらしたのか?非正規雇用者とワーキングプアの激増、サブカルチャー的な知性の台頭、反テロ戦争と世界内戦-。「ゆたかな社会」が終焉したとき、人間は群衆に変貌し、未曾有の例外状態が到来する!21世紀、日本社会の現状を世界史的なレベルから把握し、新たな社会思想の潮流を展望する、著者渾身の本格長篇評論。

例外社会の感想・レビュー・書評

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  • 700ページ近い長編評論。主に19世紀以降の西欧思想の変遷と類型化から00年代の日本の状況を語ろうという意欲作。巻末の膨大な参考文献の量は圧巻。しかしながら著者が延々と論じている西欧の思潮的な変遷と00年代の日本が接続できているのかは大いに疑問。もっと言えば著者が触発されたとあとがきに書いている東浩紀に比して、より現実に接近した提言がなされているとは読み取れなかった。参考文献の肯定的あるいは否定的な注釈には参考になる箇所も多々あるが、総じて今日的な状況に対する著者の提言部分が観念的過ぎたという印象。

    「20世紀的な群集をボリシェヴィズムはプロレタリアートに、ナチズムは国民に組織しようと努めた。アメリカニズムは、それを消費者として組織したのである。」は簡潔かつ本質的。

  • いつも行くのは5つとも小規模な書店ばかりで、やっぱり最低でも月に一度は大型書店に必ずいかないと、ことに思想・哲学・社会科学方面の本は完全チェックできないとつくづく思いました。

    本書は、3月に刊行されたのに、まったく私のアンテナに気っ掛らなかった本で、書評誌で発見して慌てて注文しました。

    ざっと見渡して700頁近い大著ですが、階級論・教養論・群衆論という括りで体系的な思想を目指していて、今までの彼の著作に比べて、より難解度を増しているような気がします。

    ただし、実は私は彼の文芸評論は高く評価していますが、『テロルの現象学』や『国家民営化論』などの社会評論についてはそれほどではありません。

    それは、既存の思想の枠内でしか語られない思惟にはもう飽き飽きしていることと、旧態依然とした定義と、突出した現実を再構成して自分の言葉で語れないばかりか現実を変革する意志のないところにもう何の魅力も感じないということなのですが・・・・。

    まあ、そう性急に断定することもありません。何しろ彼は昔わたしが愛した憧れの人、じっくり読んで新しい魅力を見つけます。

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