目白雑録 3

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 43
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505637

作品紹介・あらすじ

いつかが今になって、愛ネコは18歳で逝き、時は流れ、禁煙も余儀なく、ぐるりと見渡せば、まったく、うんざり。それでも…ペンは止まらない!果敢に続く面白目白雑録。第3弾エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • この「3」あたりからは「一冊の本」で読んでいたので、単行本はいいかと思ってきたのだが、ふとまとめて読みたくなって購入。やっぱり本はいい。金井久美子さんの装丁も楽しめるし。

    所々でクスクス笑ったり、胸にグサッときたり、毎度のことながらうねるような文章に翻弄される。これに似た楽しみって他に思いつかない。いつまでも読んでいたくなるが、ちょっと長く読んでいると毒がまわってくる気がするのだった。

    この巻は、網膜剥離で手術をしたり、トラーが死んだり、著者の身辺は急であった。ところが、その書きぶりはほとんどまったくいつもと同じで、あらためて金井美恵子のすごさに感じ入る。網膜剥離は重症で、術後も執筆や日常生活にかなり不自由があるようだが、「煩わしくて疲れる」と書かれるのみで、闘病について書かれたものにしばしばにじんでしまう、自分を憐れむ感じが微塵もない。また、愛猫トラーの死の喪失感はいかばかりかと推察するのだけれど、そのことを「トラーが死んでつまらない」と綴るところが著者の真骨頂だと思う。

  • センチメンタリズムに決して流されないところが、いいんですよねこの人。

    そしてやっぱり溜飲を下げてしまえるのであった。

  • 相変わらずの「嫌味なババア」(誉め言葉です。正直であるがゆえに辛らつな言葉のかずかず)ぶりに楽しませてもらいました。ネコに近づくとくしゃみが出る身としては、トラーの雄姿(去勢したとはいえ)を読んで楽しむのが好きだったのだけれど、トラーもいなくなってしまって、心に小さな穴があいたような気分です。勝手に。そして、眼の闘病の模様がつづられていて、もちろん、おかわいそうなどと同情すれば何様のつもりだと怒られそう、というか感謝という言葉でくるまれた皮肉をいただけそう(完全な妄想)なので、読者としてあとどれぐらい金井美恵子の新作を読むという楽しみが続くのだろうと不安になった。

  • 09.08

  • トラーの長い闘病生活、御自身の目の不具合、と辛いお話が多く、また、同業者への辛らつさも今回はグレードアップ・・??目のお話は切実なだけに、読むのが辛くて、正直、時々、飛ばしてしまいました。トラーのお話は、気丈に書かれているので、淡々と読むことができましたが、トラー亡き後、お姉さんと「トラーがいないとつまらないね」と言い合うところでは、(寂しいね、じゃないんですよ。)今更ながら、トラーがどんなに可愛がられていたか、と思い、言葉がありませんでした・・・。同業者は、いつものことながら「競争相手はバカばかり」と言った感で、よくぞ言ってくださいました!と思ったり、え・・、そこまで言っていいんですかい?と心配になったり。そして、同世代や大御所の同業者への辛らつさは見慣れたものながら、年若い 保坂和志、斎藤 美奈子 への物言いには、少々お手柔らかに願ってもいいでしょうか・・と。斎藤美奈子さんなんて、小娘扱いですものね。でも、保坂和志さんへの評は、確かに・・と頷けるばかり。保坂さんは、小説だけ書いていて欲しいなぁ、と日ごろから思っていたので、ファンながら、小さく、うんうん、と頷いてしまうのは、やはり、金井さんに軍配!・・・なんでしょうね。^^;

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著者プロフィール

金井美恵子(1947.11.3~) 小説家。高崎市生まれ。1967年、19歳の時に「愛の生活」が太宰治賞候補作となり、作家デビュー。翌年、現代詩手帖賞受賞。小説、エッセイ、評論など刺激的で旺盛な執筆活動を続ける。小説に『プラトン的恋愛』(泉鏡花賞)、『タマや』(女流文学賞)、『兎』、『岸辺のない海』、『文章教室』、『恋愛太平記』、『柔らかい土をふんで、』『噂の娘』、『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』、『お勝手太平記』など多数。また第一エッセイ集『夜になっても遊びつづけろ』より『目白雑録』シリーズまで、エッセイ集も多数刊行している。

「2015年 『エオンタ/自然の子供 金井美恵子自選短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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