目白雑録(ひびのあれこれ)3

  • 朝日新聞出版 (2009年4月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784022505637

みんなの感想まとめ

多様なテーマが織り交ぜられた本作は、作者の個人的な闘病や愛猫の死といった辛い出来事を淡々と描きながらも、ユーモアを交えた独特の視点で読者を魅了します。網膜剥離の手術や愛猫トラーの死に対する著者の反応は...

感想・レビュー・書評

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  • この「3」あたりからは「一冊の本」で読んでいたので、単行本はいいかと思ってきたのだが、ふとまとめて読みたくなって購入。やっぱり本はいい。金井久美子さんの装丁も楽しめるし。

    所々でクスクス笑ったり、胸にグサッときたり、毎度のことながらうねるような文章に翻弄される。これに似た楽しみって他に思いつかない。いつまでも読んでいたくなるが、ちょっと長く読んでいると毒がまわってくる気がするのだった。

    この巻は、網膜剥離で手術をしたり、トラーが死んだり、著者の身辺は急であった。ところが、その書きぶりはほとんどまったくいつもと同じで、あらためて金井美恵子のすごさに感じ入る。網膜剥離は重症で、術後も執筆や日常生活にかなり不自由があるようだが、「煩わしくて疲れる」と書かれるのみで、闘病について書かれたものにしばしばにじんでしまう、自分を憐れむ感じが微塵もない。また、愛猫トラーの死の喪失感はいかばかりかと推察するのだけれど、そのことを「トラーが死んでつまらない」と綴るところが著者の真骨頂だと思う。

  • センチメンタリズムに決して流されないところが、いいんですよねこの人。

    そしてやっぱり溜飲を下げてしまえるのであった。

  • 相変わらずの「嫌味なババア」(誉め言葉です。正直であるがゆえに辛らつな言葉のかずかず)ぶりに楽しませてもらいました。ネコに近づくとくしゃみが出る身としては、トラーの雄姿(去勢したとはいえ)を読んで楽しむのが好きだったのだけれど、トラーもいなくなってしまって、心に小さな穴があいたような気分です。勝手に。そして、眼の闘病の模様がつづられていて、もちろん、おかわいそうなどと同情すれば何様のつもりだと怒られそう、というか感謝という言葉でくるまれた皮肉をいただけそう(完全な妄想)なので、読者としてあとどれぐらい金井美恵子の新作を読むという楽しみが続くのだろうと不安になった。

  • 09.08

  • トラーの長い闘病生活、御自身の目の不具合、と辛いお話が多く、また、同業者への辛らつさも今回はグレードアップ・・??目のお話は切実なだけに、読むのが辛くて、正直、時々、飛ばしてしまいました。トラーのお話は、気丈に書かれているので、淡々と読むことができましたが、トラー亡き後、お姉さんと「トラーがいないとつまらないね」と言い合うところでは、(寂しいね、じゃないんですよ。)今更ながら、トラーがどんなに可愛がられていたか、と思い、言葉がありませんでした・・・。同業者は、いつものことながら「競争相手はバカばかり」と言った感で、よくぞ言ってくださいました!と思ったり、え・・、そこまで言っていいんですかい?と心配になったり。そして、同世代や大御所の同業者への辛らつさは見慣れたものながら、年若い 保坂和志、斎藤 美奈子 への物言いには、少々お手柔らかに願ってもいいでしょうか・・と。斎藤美奈子さんなんて、小娘扱いですものね。でも、保坂和志さんへの評は、確かに・・と頷けるばかり。保坂さんは、小説だけ書いていて欲しいなぁ、と日ごろから思っていたので、ファンながら、小さく、うんうん、と頷いてしまうのは、やはり、金井さんに軍配!・・・なんでしょうね。^^;

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著者プロフィール

金井 美恵子(かない・みえこ):1947年、群馬県高崎市生まれ。67年、「愛の生活」で太宰治賞次席を受賞し作家デビュー。翌年、現代詩手帖賞を受賞。79年、『プラトン的恋愛』で泉鏡花文学賞、88年、『タマや』で女流文学賞、2018年、『カストロの尻』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他の作品に『軽いめまい』『柔らかい土をふんで』『岸辺のない海』『恋愛太平記』『噂の娘』『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』『小春日和』『スタア誕生』『単語集』他。エッセイ集に『迷い猫あずかってます』『目白雑録』シリーズ、『金井美恵子エッセイ・コレクション』(全4巻)他。また、金井久美子との共著に『たのしい暮しの断片』『鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパーティーへようこそ』などがある。

「2026年 『重箱のすみから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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