春美・クロソフスカ・ド・ローラと歩く パリ とっておきの小さな美術館

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  • 朝日新聞出版 (2009年8月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022506184

作品紹介

父・画家バルテュス、母・節子さんの思い出を辿りながら、パリのお気に入りアート空間を紹介。立ち寄りたい素敵なカフェ案内もついて、ニシム・ド・カモンド美術館、プティ・パレ、装飾芸術美術館、ブールデル美術館など春美さんおすすめの22館。

春美・クロソフスカ・ド・ローラと歩く パリ とっておきの小さな美術館の感想・レビュー・書評

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  •  それにしてもいい表紙だなあ。にっこり笑顔の著者と思しき女性は、目尻に皺があって若くはないのは伺えるが、かなりの美人である。日本人とヨーロッパ人のハーフであることも、背景がルーブルの前の広場なのも一目でわかる。
     ああ、こんな友達がパリに住んでいて、優しい日本語でパリの街を案内してくれたりしたらいいだろうなぁ、とつい思う。
     前書きだけ読むと、この著者、美人のハーフなだけじゃない。バルディスという、日本の美術館に作品が展示されていて、フランスじゃあ作品が切手にまでなった著名な画家の娘さんだ。
     その彼女が、日本人の母のこと父のこと、父の作品について語っている。ポーランド貴族で芸術家であった父の思い出は、父の作品の思い出へとつながり、父が愛したパリの街とパリを描いた父の作品の記憶へと自然に繋がってゆく。そして彼女自身が紹介する、とっておきのパリの見どころへと、話は自然に溶け込んでいく。
     情報の列記に過ぎないガイドブックには飽き飽きした。サンジェルマン・ディプレ辺りの部屋数20室ぐらいの洒落たプチホテルを見つけて予約して、あとはこの一冊を手に、「とっておきの小さな美術館」めぐりなんかできちゃったらどんなに素晴らしいだろう。想像しただけでムフフだ。このムフフ、ジャンボ宝くじで3億円当たったら、あれ買おう、これに使おうって想像した時のムフフに匹敵する位のムフフだ。
     そう思えちゃうだけでも買う価値アリの一冊かもしれない。しかし、私はこの本を買ってはいない。買えなかった。
     「もう必要以上に本を買わないでヨ」
     と、家内にキツクきつく釘を刺されている。
     それにしても、芸術の都パリは、立派な美術館があって、芸術品がそこにあるということだけじゃあなくて、それらを我が子のように、あるいは父のように大事に育み慈しんできた人々の「思い」の集積であるのだと改めて実感する。
     しかし、いついけるのかのアテもないのに、家の書棚にはパリ関連本だけで10冊以上がすでにある。丸の内の丸善本店でこの本を見つけて立ち読みしただけで、買いたい気持ちをぐっと堪えて帰宅した。

     「ただいまぁ。あれっ!!」
     リビングに入って驚いた。こんな嘘か作り話みたいな偶然があるものだろうか。
     テーブルの上に一冊の本がちょこんと乗っている。『春美・クロソフスカ・ローラと歩くパリとっておきの小さな美術館』ではないか。聞けば、今日勤めている大学の生協で見かけて、面白そうだからとつい買ったのだという。
     なんという偶然。なんというできた女房。でかした。でかした。
     「そお、いいでしょうコレ。表紙からいいよねえ。俺かお前にこんな友達がパリにいてさあ、日本語で案内してくれたりしたら最高だと思わない」
     「ほんと、最高ね」
     といいつつ間髪をいれず、
     「ただ、お休みが取れてお金もあったらね」

     釘を刺すのを決して忘れない家内である。

  • 節子さんが春美さん出産の時、バルテュス先妻にお世話になったという話には驚き...ジュエリー日本撤退の裏話もあり。バルテュスファミリーファンには必携。

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