官僚亡国 軍部と霞が関エリート、失敗の本質

著者 : 保坂正康
  • 朝日新聞出版 (2009年9月18日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022506221

作品紹介

情報軽視、個益追求、責任転嫁-"軍部=官僚"に象徴される日本型組織の致命的欠陥に斬りこむ、画期的なノンフィクション集。大反響を呼んだ「秋篠宮が天皇になる日」をはじめ、卓越した「皇室論」も多数収録。

官僚亡国 軍部と霞が関エリート、失敗の本質の感想・レビュー・書評

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  • 「官僚と戦争」「皇太子と秋篠宮」の二部構成となっている。
    特に、文藝春秋に掲載された「秋篠宮が天皇に成る日」は、記者会見などで断片的には知らされている皇室のゴタゴタ、これについて文脈が示されており、本来、国民がもっと知るべき内容が整理されている。

  •  本書は、作家・評論家・歴史家である保阪正康氏の著作であるが、著者の昭和史についての知識・認識の深さは本書を読んでもよくわかる。本書も興味深く読めた。
     本書によると、あの太平洋戦争を決定した当時の国家指導者はわずか10人程度だったと言う。しかもその全員がすべて官僚なのだそうだ。政治家も経済人も言論人もいなかったというのだ。日本における国家指導組織と官僚体制との関係を考えると、これは今に至る日本の組織の宿痾ではないのかとの思いをもった。
     本書は、日本の歴史的事項や事件において、官僚が果たした役割とその欠陥を詳細な事実を紹介するとともに論証している。その内容は現在の官僚のあり方にもつながり興味深い。
     また皇室で今おきていることの考察も、興味深かった。天皇家は、時代の変遷とともに少しずつ変化を意識的に志向していると思われるが、現在の皇太子の置かれている現況は相当に厳しいものなのではないのかと思わせる内容であると思った。
     本書を読んで、歴史とは実に面白いものであるとあらためて思った。右や左の政治的主張にあわせて歴史を読むのではなく、膨大な事実の積み重ねの中から事実を類推する面白さは、まさに「歴史探偵」そのものである。われわれは過去なしには生きてはいないが、その過去を詳細に知っているわけではない。本書は、未来を見るためにも、過去をよく知りたいという思いを感じさせる良書であると思った。

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