官僚亡国 軍部と霞が関エリート、失敗の本質

  • 朝日新聞出版 (2009年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784022506221

みんなの感想まとめ

歴史の深淵を探求する本書は、官僚と戦争、そして皇太子と秋篠宮という二部構成で、日本の歴史における官僚の役割とその影響を鋭く考察しています。特に、太平洋戦争を決定したのがわずか10人の官僚であったという...

感想・レビュー・書評

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  • 「官僚と戦争」「皇太子と秋篠宮」の二部構成となっている。
    特に、文藝春秋に掲載された「秋篠宮が天皇に成る日」は、記者会見などで断片的には知らされている皇室のゴタゴタ、これについて文脈が示されており、本来、国民がもっと知るべき内容が整理されている。

  •  本書は、作家・評論家・歴史家である保阪正康氏の著作であるが、著者の昭和史についての知識・認識の深さは本書を読んでもよくわかる。本書も興味深く読めた。
     本書によると、あの太平洋戦争を決定した当時の国家指導者はわずか10人程度だったと言う。しかもその全員がすべて官僚なのだそうだ。政治家も経済人も言論人もいなかったというのだ。日本における国家指導組織と官僚体制との関係を考えると、これは今に至る日本の組織の宿痾ではないのかとの思いをもった。
     本書は、日本の歴史的事項や事件において、官僚が果たした役割とその欠陥を詳細な事実を紹介するとともに論証している。その内容は現在の官僚のあり方にもつながり興味深い。
     また皇室で今おきていることの考察も、興味深かった。天皇家は、時代の変遷とともに少しずつ変化を意識的に志向していると思われるが、現在の皇太子の置かれている現況は相当に厳しいものなのではないのかと思わせる内容であると思った。
     本書を読んで、歴史とは実に面白いものであるとあらためて思った。右や左の政治的主張にあわせて歴史を読むのではなく、膨大な事実の積み重ねの中から事実を類推する面白さは、まさに「歴史探偵」そのものである。われわれは過去なしには生きてはいないが、その過去を詳細に知っているわけではない。本書は、未来を見るためにも、過去をよく知りたいという思いを感じさせる良書であると思った。

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著者プロフィール

保阪正康……昭和史の実証的研究を志し、延べ4000人もの関係者を取材してその肉声を記録してきたノンフィクション作家。1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒業。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。個人誌『昭和史講座』を中心とする一連の研究で第52回菊池寛賞を受賞。『ナショナリズムの昭和』(幻戯書房)で第30回和辻哲郎文化賞を受賞。『昭和史 七つの謎』(講談社文庫)、『あの戦争は何だったのか』(新潮新書)、『東條英機と天皇の時代(上下)』(文春文庫)、『昭和陸軍の研究(上下)』(朝日選書) 、『近代日本の地下水脈』(文春新書)、『松本清張の昭和史』(中央公論新社)ほか著書多数。

「2024年 『未来への遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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