言葉で治療する

  • 朝日新聞出版 (2009年11月6日発売)
4.00
  • (15)
  • (9)
  • (10)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 199
感想 : 31
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (196ページ) / ISBN・EAN: 9784022506641

みんなの感想まとめ

医療におけるコミュニケーションの重要性を深く考察した一冊で、特に患者やその家族との向き合い方に焦点を当てています。著者は、医療従事者が「病気」ではなく「病人」を理解することの大切さを説き、共感や想像力...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 医療職の人間です。この本は一般の人向けの本ですが、医療に携わる人間がどのように患者さんやご家族と向き合うかをわかりやすく解説されていると思います。
    新入職員にオススメの本として紹介しています。
    高齢化が進み、複数の病気を抱えて生きてい方が大勢いらっしゃいます。その方達の人生の一部の伴走者になれれば良いのかなと思います。
    優しい気持ちになる本です。オススメ!

  • 言葉が足りないと検査が「暴力」になる

    医者と患者の間だけでなく 人と人の間には「共感」と相手に対して想像力が必要でそれによって相手に寄り添える

    病気をみるのではなく、病人を見てくれる医者でないといけない

    医者に診てもらって「診てもらわなければ良かった」なんて思いたくないが、悲しい想いをしてきた人達も沢山いるのだということがわかる

    文章が丁寧で人柄があられている 先生にお会いしたい

  • 「すべての病気がないことが健康なのでは決してなく、病気を一つや二つかかえても健康ってあり得る」という考え方がいいなと思った。
    ちょっと良い人過ぎて息が詰まるけど、確かに著者の功績は大きいのだろう。

  • 「死の質」。人間にはいつか必ず死がやってくる。安心のなかでの、人生のしめくくりを望んでいるのだろう どんなに医学や化学が進歩しようとも、いずれ人間は年を取り、いつか大きな病気をし、助かるつもりが助からないときを迎えることもある。そにときに、死を納得できるかが問題である あたたかなシステムとあたたかな言葉が必要だ 言葉で治療する 一緒にあなたの体に合う薬を探しましょう 人間と人間の関係を大事にしていると何かいい答えが見えてくるような気がする 時に癒し、しばしば慰め、そして常に励ます

  • 490.1-Ka-

  • N150

  • 医療関係者がホスピタリティを持つには、人材育成と気持ちの余裕が必要。結局おもんぱかるということです

  • 魂に触れること。

  • 病気を治すはずの病院で心が傷つく、そんな傷ついた心を治すお医者さまの話、かな。医療業界で働いているからこそ大切なものに気づけた気がします

  • 諏訪中央病院で地域医療にあたる医師が、医療者と患者との様々な関係を紹介しながら、その背景にある医療の問題について語った本。お医者さん向けの本かと最初思ったけど、コミュニケーション全般に言える話も多かった。特に医療の知識が無くても全然読めるし、堅苦しくないエッセイの様に読めた。医療って、難しいような、シンプルなような、面白い領域だ。


    [読書録]====================================================

    クオリティーオブライフという言葉があります。命の質とか、人生の質とか生活の質とかという意味です。死と向き合う患者に対してはQOLだけではなく、クオリティーオブデスということも考えて欲しいのです。

    患者が、家族が助からなくても感謝されることもあるのが医療の凄いところである。良い医療が行われていると、救命できなかった時も「こんなにまで見てもらえてありがたかった」ト感謝される所が医療の医療たる所以なのである。

    暖かな医療をやりたい医師や看護師がいて、暖かな医療を受けたいという国民がいる。なのに、暖かな医療がなかなか広がらない。

    愛する人を病や事故で失ったとき、大切な事は逃げないこと。心の手当は、悩んで、泣いて、向きあうことだ。

    コミュニケーションは言葉だけで成り立っているのではなく、言葉を発している時の顔つきも関係している。厳しいことを言っても、目が笑っていると、単に批判しているのではないと分かってもらえる。電話でも、ニコニコ話そう。見えなくても、声の色に必ず影響するのだ。

    対話しながら笑いが出てきたら占めたもの。どんなにつらい話をしていても、わずかにニコッとでもできると、心のなかでは仕方が無いか、とか、なるようにしかならないなんて思いながら、自分の心が自分の心を支えだすのだ。一人で悶々と考えていても、この心の位置にはなかなか建てない。誰かいい聞き役が必要なのだ。

    上から医師が患者さんを指導するという関係ではなく、医師と患者さんが水平な関係にいて、平たい場で同じ人間として病気と戦っていくことが、実は難しいが、望ましいのである。医師側も肩肘をはらないので、心が疲れなくなる。対等な関係というのは、医師の心も救うのである。

    医学の進歩は目覚しい。なのに、国民の医療に対する不信や不満や不安はかえって募っているように感じられた。ピンチを脱出するための魔法の言葉を見つけた。「ありがとう」。医療者側も患者側も、もっともっと「ありがとう」を言い合ったらどうだろう。

    雑誌や病院紹介ぼんで、腕のよい医師や有名な病院を取り上げているが、ほんとうに必要とされているのは、よく病室を訪ねてくれて、よく説明をしてくれて、よく話を聞いてくれて、よく質問に答えてくれる医師。

    「神の手」などとズームアップして、技術だけを取り上げる今の空気は好ましくない。優れた技術を持ち、話を聞いてくれ、親身になってくれる、心ある医師を取り上げればいいのだ。そうすると、自然に国民が望むような医師が育ってくるのではないだろうか。

  • ・医療者の言葉しだいで、治療の日々が天国にも地獄にもなる。衝撃の現場を紹介しながら、著者が心と体が立ち直っていく言葉を具体的に提案。医師・看護師、患者・家族がお互いに救われる新コミュニケーション術。
    ・16世紀のフランスを代表する外科医のバレは「時に癒し、しばしば慰め、そして常に励ます」と。
    ・「平静の心 オスラー講演集」(医学書院)によると、ウイリアム・オスラー(内科医)は看護学校の卒業式で「入院すると、病人を見守る優しい母親、愛する妻、献身的な姉や妹、忠実な友人、みんな病人の周りから姿を消した。今やあなた方ナースが君臨している。そのため、家族から離されたために起こる余病が併発している。あなた方看護師がいい看護をしないと、あなた方は単なる侵入者で、強奪者になってしまう」と講演した。

  • 様々なコミュニケーションについて具体的な例を挙げながら、患者さんと医療者の間で交わされる言葉が持つ大きなパワーを感じることができる本。

    治るときも、治らないときも患者さんの「納得」が大事であり、聞くこと、丁寧な説明、相互理解、信頼、納得というプロセスが大事。
    そして、患者さんの不安を減らして安心できる状況を作り出すだめには「支える」ことが必要で、支えるためには他者への「想像力」が必要。

    悲しいコミュニケーションの例もたくさんあったけど、
    その場面を想像しただけで涙が流れるほどあたたかいコミュニケーションも確かに存在していた。

    気持ちだけじゃ人は救えない。
    でも、知識や技術が本当に相手のために使われるためには、あたたかい気持ちが大事、そう思った。

  • これも、本日注文しました。

  • 週刊朝日での連載を本にしたもの。

    読みながら、怒り、泣き、怒り、泣き・・・を繰り返した。
    この本の意義は、医療を題材に、人間としての冷酷さと温かさを見事に対比して、描ききったことにあると思う。

    連載だったことと読者の手紙が頻繁に出てくることで、本として臨場感があった。

    ときどき鎌田さんの怒りの拳が政治に向かうが、実は政治家こそ一番燃え尽きているのではないだろうか。だから批判だけでは、政治も含め医療も教育も打開できないと思う。

    いずれにしろ、人を現実に大切にするという行動に徹しているのが、鎌田実さんの尊敬に値する部分だ。だからこそ本書の言葉は含蓄がある。

    「聞いてくれる人がいるだけで救われる。ちょっとした思いやりの一言があれば、その言葉にしがみつくことができる」。名言です。

  • 鎌田先生の本に出てくる医療者がほんとに存在するのかな?なんて思っているといつのまにか自分がそうなっているかも。何気ない一言に傷つくのが人間。気をつけよう。

  • どこかで聞いたような著者の名前。
    そうそうNHKのドキュメンタリー番組だったかしら?
    手にして読んだ瞬間思い出しました。医師である鎌田氏、様々な人の出会いと別れで自身も大きく成長したという話から、地域医療で死に向き合うときに、何が自分にできることなのかを出会った人たちのふれあいの中からみつけだすことができたとおっしゃってました。
    自身もウツになったりして、様々な困難を乗り越えたとき、そこにあったのは、なにげない周囲の人たちと交わす言葉だったということ。そこに原点をおかれて現在頑張っていらっしゃいます。
     読みやすい一冊です。言葉は表現するだけでなく、大きく人の心を動かすものであるということを切にかたってある一冊で、人間対人間とのかかわりのなかで、薄くなりがちなコミュニケーションの起爆剤として、言葉のあり方を問うています。

  • 医者の気遣いない言葉で皮膚科に通うのをやめたばっかりなので、この本は頷きながら読んでしまった。
    新しい皮膚科を探さねば……

    病院にかかるのは治療をしてほしいから。
    でも人間の身体はやっかいなことに、心のもちようで薬の効果が変わることもある。そうでなくても、言葉ひとつで、病が癒えなくても心は安らぐこともある。

    家族にガンの患者がいる、または本人がガンである。それらの人々はうつになる確率が高い。
    治療薬のせいもあろうし、ガンという衝撃のせいでもある。
    ガンになったのは本人のせいではないことなどを、意識して、安心を得られるように医師の側でも気をつけなければらなない。

    やさしい言葉をかけてもらうだけ。
    不安に思っていることを伝えるだけ。
    それだけで、心はうんと軽くなる。
    これだけのことが出来ない医療の現状を、読者から寄せられた手紙で積み上げる。
    いい出会いも、悲しい出会いも、両方。けれど、憤るような対応の多さ。

  • ありがとうポスト

  • 三葛館医学 490.4||KA

    医療現場での「言葉」にはとても重みがある。病にかかった患者さんやその家族は医療者からの何気ない言葉にも敏感になり、一喜一憂することも多い。本書は「週刊朝日」に寄せられた体験談を分析することによって、医療者と患者のコミュニケーションをどう立て直していくか、言葉がどれほど大切なものであるかを教えてくれます。他のどんな薬より、言葉が一番の治療薬となることもあると思います。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=55781

  • みんなのレビュー参考にしています。
    医療スタッフは言葉を扱う職業であることを忘れ無い!!
    医学は、人間を相手にする科学である
    言葉を通して自信っを与えたい!!
    エンパワーメント

全25件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1948年、東京都生まれ。1974年、東京医科歯科大学医学部卒業。1988年、諏訪中央病院院長に就任。2005年より同病院名誉院長。チェルノブイリ原発事故後の1991年より、放射能汚染地帯へ医師団を派遣し、医薬品を支援。ウクライナ避難民支援にもいちはやく着手。2004年からイラクの4つの小児病院へ医療支援を実施、難民キャンプに5つのプライマリ・ヘルス・ケア診療所をつくった。国内でも講演会、支援活動を行う。

「2025年 『人の名前が出てこなくなったら鎌田實の逆さま言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鎌田實の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×