出会い系のシングルマザーたち: 欲望と貧困のはざまで

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022506931

感想・レビュー・書評

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  • 出会い系で売春をしてるシングルマザーを取材対象とし、考察した本です。

    元夫からのDVの過去、精神科通院歴、自身も母子家庭で育ったり、虐待されていたり・・・と知りうる限り闇がこれでもかとレイヤーされています。

    生活保護を受けると近所の噂になるとか、学校で子供がいじめられるといって受けない人が多いというが、母親が出会い系で売春してる方が傷つくと思うけどな~。バレなければいいという問題ではないと思う。

    筆者はあまり知識がないのに中途半端に「国や政策が悪い」と言っているが、とりあえずその前にもっと各ケースの詳細が知りたかった。政策や対策に関しては専門の人に取材した方が良かったと思う。

    そんな感じで中途半端な印象でしたが、ある種のケーススタディとして読んでおいて損はない本だと思います。

  • 世間の目から逃れる為の隠れ破綻。女の敵は女。

  • 確か道新に掲載されており、読みました。
    うちも母子家庭だから、最初の方は娘に心配されるほど号泣して読んだ。
    でも、!わたしみたいなダメ人間だって、娘のためなら!って頑張り
    (たつもりです)
    特に不自由なく生きてるんだから、本に載ってる人達、
    甘いって思った。
    どんな状況にあっても、頑張んなきゃいけないと思う。
    病気のことわかんない、私だって精神病みそうになったことあるけど、うちの職場にも病気になりつつある人おり、色々大変です。
    それだけど、何を批判されてもいいけど、
    そんな風に、生きてちゃダメだ。
    だから悲しかったのかな。

  • 男は身体を求めて女は心を求める。その介在に金銭が発生する。
    需要と供給のバランスが崩れた先にある貧困が不幸を呼ぶ見本市のようになっている。
    潜在的に優秀な人でもシングルマザーで不遇なのは社会の損失と思われる。

  • どうしてここに来ちゃうんだろうって疑問に思った。
    同じところをぐるぐるっていうか。

    元から持ってないひとが多い。

    それによって精神的なものを抱えているひとがほとんど。

    しんぐるまざぁず・ふぉーらむにも拒否反応。
    短絡的なあたしは「赤石さんのとこへ行けばなんか道は見つかるかもしれないのにどうして」って思ってしまう。

    敷居が高いのだ。持ってないほうだと思っているけど、その敷居を気づかないうちになんとかまたいでしまっているあたしは知らない。

    人生の最初のほうに立ち塞がる女のこ同士の人間関係って難しくてうまくやれないひとを責めることは誰にもできない。

    情報をくれる友達がいる。知り合いがいる。
    「彼氏がほしーから誰か紹介して」「しようかー」っていうところからも遠い。

    だから出会い系。本当の自分を知らないひとのほうが楽。
    そうそうその通り。ほんとの自分知らないひととの関係は自由なのだ。

    しかしそこに通常の交友関係を求めて来る男は少ない。

    そこにいる限り現状維持できるかできないか。

    でもそこにいる彼女たちを蔑む資格は誰にもない。


    ほんと女性手帳とか言う前にシングルマザーが子どもと一緒にふつうに生きれる社会を作ってよ。


    筆者が普通の男性で無知と男のひととして身に付いてしまっている感覚に「おいおい。そんな言い方しちゃっていいの?」と思う事もあったけど、だからこそ見えた場所だったのかもしれない。

  • 鈴木大介氏による渾身のルポ。内容は見渡す限り絶望と壮絶しかないお話。極端な例である事はさておき日本の、私達から数歩離れただけの場所にもこのような事例があるという事に衝撃を受けた。日本の子育て世帯の相対貧困率、政治による再配分後の結果については厳しい結果が出ている。そして離婚率も上昇している。そういう現実をふまえて読むと、本当にいたたまれない気持ちになる。
     本著の彼女たちは孤立している、そしてセーフティーネットすら拒否する。子育て世帯に必要なのはまず孤立を避ける事であると再認識した。

  • ハタチ過ぎて自分の不幸さを何でも親のせいにするのは大嫌いだけど、これを読むと親が起因していると強く思ってしまう。
    子供時代を子供らしくいられなかった子供こそ不幸だと思う。

    こういった状況を知る機会になってよかったが、もう少し踏み込んでほしかった。

  • 思ったより登録者が多くてびっくり。しかし切なくなる。ほんとに悪循環。精神科にかかってる人が多いというのがまた。女は損だとやっぱり思う。それでも子どもを手放さないからこそのシングルマザー、という言葉に納得。しかし子どもの立場からしたらどうなんだろう。いくらひどい親でも一緒にいたいのか。いつもこの問いにはカーリー・スーを思い出す。でも虐待されて死んでしまえば何にもならない。

  • 生活保護を受けるのに抵抗があるから売春に走る.
    なぜ生活保護に抵抗があるのか?→民生委員の存在.
    地方では民生委員はその土地で顔の広い比較的裕福なおばさんおじさん.
    生活保護を受けると民生委員を通じて近所にバレることを恐れている.

    また,互助会のような組織(シングルマザーネットワークなど)はあるが,助けが必要な状況に陥る人たちはそういった組織に助けを求めることができない.求めるくらいなら苦しいままでいいというほど他人と関わりを持つことに抵抗がある人たちばかり.結局互助会に参加しているのは本当に助けが必要な人ではなくある程度余裕がある人だけ.

    貧困・下流の根幹はコミュニケーション障害か.

  • ノンフィクション。

    あまり人物に近寄ってなく、ルポという感じが薄い。

著者プロフィール

1973年千葉県生まれ。文筆業。子どもや女性、若者の貧困問題をテーマにした取材活動をし、代表作として『最貧困女子』(幻冬社新書)などのあるルポライターだったが、2015年、41歳のときに脳梗塞を発症し高次脳機能障害が残る。当事者としての自身を取材した闘病記『脳が壊れた』『脳は回復する』(ともに新潮新書)が話題に。他にも、夫婦での障害受容を描いた『されど愛しきお妻様』(講談社)『発達系女子とモラハラ男』(漫画いのうえさきこ。晶文社)、当事者視点からの実践的な援助ガイドを試みた『「脳コワさん」支援ガイド』(日本医学ジャーナリスト協会賞受賞。医学書院)、当事者と臨床心理士との対話を記録した『不自由な脳』(山口加代子氏との共著。金剛出版)などの著書がある。

「2021年 『壊れた脳と生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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