利益相反(コンフリクト)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 55
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022507266

作品紹介・あらすじ

顧問弁護士と監査役の立場から父親を糾弾する息子の葛藤とは?樋山は不動産会社を創業し、年商1500億円の上場企業にまで成長させたオーナー社長だ。ある日、監査法人からトンネル会社の不正を指摘され、社内に激震が走る…。国際弁護士作家の書き下ろし傑作・企業法律小説。

感想・レビュー・書評

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  • ワンマンオーナー桶山社長が、順調に会社を成長させた。
    心臓病を抱えて、69歳の年だった。年商は1500億円。
    株の時価総額が 500億円を超えていた。会社は1969年に設立した。
    矢内安正弁護士は、その会社の社外監査役になった。
    もともと、斎藤弁護士が会社の顧問で、後を継いだのだった。
    そして、その矢内は、桶山の婚外子だった。

    株を持っていない社長はいったい誰のために稼ぐかが問題。

    桶山には、自分の中に黒い犬が住んでいるように思えた。
    自分のしてきたことに何の意味があるのかと思ったりした。
    69歳という年齢であることで、
    黄昏が見えてきた時に、経営者の中に去来する思いを
    描こうとする。補佐役であった掛川の独白と桶山の独白。
    いったい何のためにいうことの答えがないまま、黄昏て行く。
    株式の上場も廃止して、会社のあり方も変わって行く。

  • 【利益相反 コンフリクト】 牛島信さん

    会社を興し、一代にして一部上場企業にまで育て上げた樋山健介。
    ワンマン経営で自分の意見に反する者を粛清し、今や誰も彼に意見できない。
    しかし、隆盛を誇っていた樋山のグリーンヒルAも不況の波には勝てず、
    やがてリストラを余儀なくされる。そんな時、会社の税務を担当していた
    顧問税理士が亡くなり不正な金の流れが監査法人の手によって指摘された。



    企業小説というのかな?ちょっと難しくて理解しきれなかった。
    物語上、樋山が主人公になると思うのですが、樋山に仕える忠臣の
    掛川も裏主人公と言っていいかと思われます。豪胆でイケイケドンドンの
    樋山を後ろから支える臆病で慎重な掛川が、途中から野心を持ち
    裏工作を画策します。しかし、彼は人の上に立つ器でない。
    彼の意図した通りに物事は運ばない。。
    人というものは過ぎた欲は持たず、器や分をわきまえて行動しないと
    いけないと、この本を読んで思いました。。。

  • 今まで読んだ著者の作品の中で最も読み応えがあった。
    ビジネスの知識の観点でも、人間の物語の観点でも、非常に濃い内容だった。

  • なぜ、この本に「利益相反」というタイトルが付けられたのだろうか?どちらかといえば、老年期を迎えたオーナー社長の死生観が主題だったのでは・・・とも思える内容だったが。
    利益相反については、該当のシチュエーション設定がどうにもおまけ程度の扱いとしか思えず、何だか腑に落ちない。

  • 大企業の創業社長とワンマン経営に引きづられる顧問弁護士、それに対峙する取り巻きの物語。誰もが形式的な法律の殻は破れないとの結論。

  • 展開がたるい。申し訳ない。最後までつきあえなかった。

  • 自分は、会社法を勉強しているので、この本を読みながら、法律的な内容を考えながら読むことができました。
    企業には、様々な利害関係者が周りを取り巻いているわけですが、その中で、各々がどう行動することが、法律的に正しいのか。
    人間として考えることはあっても、あくまでも、プロフェッショナルとして決断を下す苦しさが伝わってきます。

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著者プロフィール

弁護士、作家/1949年生まれ。東京大学法学部卒業後、東京地検検事、広島地検検事を経て79年に弁護士に。現在、M&Aやコーポレートガバナンス、不動産証券化、知的財産、情報管理、国際訴訟などで定評のある牛島総合法律事務所代表。日本生命保険社外取締役、朝日工業社社外監査役、一般社団法人東京広島県人会会長、NPO法人日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク理事長。97年に『株主総会』で小説家デビューしベストセラーに。『社外取締役』『少数株主』などの企業法律小説やエッセイも多数。近著に『日本の生き残る道』(幻冬舎)がある。

「2023年 『会社が変わる!日本が変わる!! 日本再生「最終提言」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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