オーディンの鴉

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.59
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本棚登録 : 393
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022507341

作品紹介・あらすじ

「私は恐ろしい」。不可解な遺書を残し、閣僚入り間近の国会議員・矢島誠一は、東京地検による家宅捜索を前に謎の自殺を遂げた。真相を追う特捜部の湯浅と安見は、ネット上に溢れる矢島を誹謗する写真や動画、そして、決して他人が知り得るはずのない、彼の詳細な行動の記録を目にする。匿名の人間たちによる底知れぬ悪意に戦慄を覚える二人だが、ついに彼らにも差出人不明の封筒が届きはじめる…。スケールの大きなクライシスノベルを得意とする作者が挑んだインターネット社会の"闇"。

感想・レビュー・書評

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  • 東京地検特捜部の家宅捜査が予定された朝に、代議士が自殺をした。彼の個人情報が大量にネットに流失されていたことを知り、真相を調べ始めた特捜部の検事湯浅と安見。やがて、魔の手は、二人にも伸びてくる。

    最近では、更なるTwitterの広がりにより、もっと身近になった個人情報の流失問題。
    どんな些細なことでも、あっという間に広がる事実に、驚かされることもたびたびです。
    たった数年前のお話なのに、既に古臭い感じがするのは、現在もの凄いスピードでSNSなどが広まっているからなのでしょうか。そのせいか、今ひとつ入り込めなかったのは残念でした。

    検察だけでなく、国家権力の中に、オーディンの鴉が存在するかもという終わり方に、空恐ろしいものを感じました。

  • クレジットカードやメールやネットから
    個人情報が漏れる?

    まぁ実際漏れてないんでしょうが、誰かが
    その気になったらココまで個人の中身まで
    晒されてしまうもんなのか。

    普通に怖い!
    と思いながら一気読み。

    面白かったーヽ(´∀`*)ノ

  • ネットの特性を利用すれば、意図的に「誰か」を貶めることができるという可能性に気づかされて震撼する。ネット上にみえてる「その人」などというものがどれだけ危ういかを鋭く指摘してみせた小説。「人から聞いた事で「その人」を判断しない」というのはアンポンタンなワタクシが少ない脳みそで考えた人生の処世術のひとつなんだけど、人から聞いた事、ネットで見聞したこと、を根拠に「その人」を判断しそうになってることがしばしばあり、恐れおののく。

  • それこそ私は安見さんのような人間で
    何でも手を出して比べたり試したりしているので
    出てくる単語全てが身近で
    だからこそネットという世界の複雑さが怖いと思った
    それこそネットを利用している人は
    色んな意味で楽しめるんじゃないかと思ったし
    ぜひ一読して欲しい本だなと思った

  • もし自分に関係する全てのデジタルデータを自由に見ることができる者がいたら…

    ミステリーとして、とてもテンポよく話が進められていて読みやすい。
    また、twitterやニコニコ動画などの実際に存在するWebサービスや技術が登場していて、それらの使い方や技術的な裏付けがほぼ正しいことがこの小説の面白さになっている。

    実際に自分のデジタルデータが全て盗聴されていて、突然「オーディンの鴉」から連絡が来たら怖い。そんな世の中が来ないことを祈る。

  • 個人情報の流出も怖いが、それ以上にネット社会での安直な広がりの方が怖いと思った

  • 本当にありそうで怖いセキュリティサスペンス。続編ができたらまた読んでみたい。

  • 2010/06/03:初福田和代氏作品。個人情報ハッキングもので話の流れはベタですが、現在日本でよく使われている身近なインターネットサービスの名前があちらこちらに効果的に出てくるため、リアリティがあって引き込まれました。もし自分が巻き込まれたらと思うと怖くなります。欲をいえば、もっとそれらのサービスを生かした展開だったらとは思いましたが、手堅くまとまっていて十分面白かったです。

  • 単調で盛り上がりに欠ける。

  • 2020.9.10-326

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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