- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022507396
作品紹介・あらすじ
陳情の時代は終わり、特産物もない。けれど地域おこしは可能!地方でも都市でも不安社会・高齢化社会に生命を吹きこむ。写真・図表・イラスト解説満載。どこの地域でも、どの立場でも役に立つ。
感想・レビュー・書評
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もともと川喜田研究所にいらっしゃった著者が余すところなく、KJ法を活用した地域再生の方法を書いている本です。たぶんこの本を読めばKJ法を活用した地域づくりの全体的な流れはよく分かると思います。
若生もコンサルをやっていたのでよく分かるのですが、(いろいろと違いはあれど)おおむねこういう流れではないかと思っています。
そういう意味で、その「型」が示されている点ですばらしい本だと思います。かといって、それをやったからと言って簡単に成功するわけでもないのが難しいところ。またファシリテーションは力量に相当差があり、成果をあげるレベルではそうそう簡単にはできないと思います。
その意味で、多くの地域再生にかかわりたいと思う人が自分たちでできる部分をこの本で認識し、足りない部分は支援制度等で補うというのがよいのかもしれません。
にしても、岐阜県の梶原知事時代の夢おこし県政についても書いてあって、なかなか事例的には興味深いものが多かったです。
地域再生やまちづくりに関心のあるかたはぜひ読んでみるとよいと思います。この手のプロはあまり読む必要はない気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私のKJ法の師匠の本です。
KJ法を使って住民の合意を生みだし、地域再生の計画作りをするための方法論が豊富な事例と共にわかりやすく書かれています。 -
川喜多研究所でKJ法の普及と研究に20年間従事した著者が、住民、NPO、行政の協働で進める地域再生の方法。ワークショップの詳しいマニュアルによって、話しあいや意見のまとめ方のプロセスが見えてくる。
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ワークショップの進め方の本である。
具体的に書かれており、類書が少ないだけに、
マニュアルと事例がごっちゃになっている少々
わかりづらいレイアウトが残念。 -
全国各地で行政、地域の方、NPO団体などがスクラムを組んで取り組んだ地域再生の事例が多数紹介された一冊。内容は、産業振興から都市基盤の整備、防災などハードからソフトまで事例紹介されているので、内容はとても面白い。事例紹介だけではなく、なぜ「協働」が求められているのか、ワークショップの作り方まで紹介されている。行政も、地域の方も、NPOなど市民団体も、「どうにかしないといけない」という危機意識があるから、それぞれの立場を前向きに理解しあい、がっとスクラムが組めたという一言に尽きるように思う。裏を返せば、各々の立場に置いて課題はあるものの、それを共有し合えていなければ、いくら行政が「パートナーシップが標準装備」と言ったところで、本当の意味での協働の場はできないのだろう。
それと、「ワークショップ」という言葉が一般化し、「ワークショップをやることが是」という風潮になってきているなかで、今一度、「ワークショップとは何か?」を見つめなおすきっかけとなった。筆者が論じているように、ワークショップは、互いに異なる立場の人間が集まり、「一緒に悩む場」である。何をお互い悩み、その悩みをどのように整理し、どのように前に向かって進んでいくのか。そのための手段であり、ワークショップをやることが目的となってしまわないようにしないといけないと思った。