職業は武装解除

著者 :
  • 朝日新聞出版
4.18
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本棚登録 : 538
レビュー : 95
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022507464

作品紹介・あらすじ

紛争地帯で、自分よりも権力のあるものに翻弄される人生を送る人々と、政治家の無責任な発言に不安を覚え、未来が描けなかった自分を重ね合わせた高校時代。でも、私たちは努力さえすれば状況を変えられる社会に生きている-。24歳で国連ボランティアに抜擢され、27歳でアフガニスタンのカルザイ大統領から助言を求められるようになっていた。そのすべては、小さな決意の積み重ねからはじまった。「世界が尊敬する日本人25人」(「Newsweek日本版」)に選出された著者による初めての本。

感想・レビュー・書評

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  • 久々に刺激される本に出会った。とにかく線めいっぱい引いてしまった。参考になるところ、共感するところが多すぎる!昔、興味を持っていたこの分野。刺激を受けて、興味を呼び覚まされるかと思ったけれど、瀬谷さんの幼き頃からの小さな努力と行動の積み重ねを目の当たりにして、今更目覚めて後追いしても何にもならないと痛感。今の自分にできること、求められていることを確実にこなしていこうと改めて思いました。
    次々とすごいポストをゲットしているように見えますが、実は自分に必要なこと・やるべきことをきちんと分かっていて、それが叶えられる場所や機関、人にきちんとアクセスするという行動を取っていて、しかも与えられた職務をきちんとこなして評価を得ているというサイクルの上に成り立っているものだと気付かされました。

  • この本を読み、初めて知ったことがたくさんありました。内戦や紛争が終わった事で終わりではなく、武器を手放し手に職を持ち治安が安定し国連やボランティアの方の力を借りずに生活が出来てやっと戦いが終わるという事。今も世界のどこかでは戦争や紛争が起こっています。私は戦争を知らないので、他人事のように考えてしまいますが、目指す所は同じで「亡くなった人達が、また生まれてきたいと思う国をつくる」という事。日本もですし、どの国でも共通の願いです。瀬谷さんの武装解除という仕事が一日も早くなくなりますように。

  • まっすぐな想いに突き動かされて、「自由に行動ができる権利」を世界中の人たちが持てるようにと、ずんずん突き進む行動力。しかしそれは思い付きではなく、冷静な戦略ともいうべき考えに基づいている。
    そしてその行動が色々なところでつながって次第に影響力の大きな仕事ができるようになる。

    自分だって何かできるはず…と心に響く一冊。

  • "私たち一人ひとりが持つ自由に行動できる権利の使い方を考えてみてほしい"

  • プロフェッショナルで出会った瀬谷さん。小さい体で大きなことをしているな。という印象を受けた。著書を読んでもその印象は変わらず。武装解除。いかつい名前の職種だけど。働く人。というカテゴリは変わらず。やらない言い訳をしない。真摯に目の前の仕事に取り組み、世界という目からみた日本の立ち位置を考える。素敵な女性。

  • 自分が状況を変える

    非常に印象深い本だった。
    紛争地帯を回り、現地での武装解除、平和樹立への礎を築く。
    その仕事内容にはもちろん目を奪われるが、一番印象的だったのはその道への方向を決めた時だ。
    それは17歳の時に進むべき道を探す過程で、1枚の写真を見た時だ。
    新聞の一面にあった、動けない母にすがりつく子どもの写真。
    世界の片隅で起こっているとして流しかねないが、それに大きな違和感を抱いた著者はそこから自分の進みたい道を固めていく。
    その気づきと行動。それが著者の一番の武器だろう。

    1.想像力。相手になったつもりで自分と対話する。
    2.あと一歩。もうダメと思った時に「あと一歩」進んでみる。成功でも失敗でも前に進んでいる。
    3.俯瞰。遠い未来から今の自分を見た時に、後悔しない選択肢をとる。

    戦闘終了後の立て直しは非常に困難な仕事だと思う。
    昨日までの敵が隣人になる。戦闘中にはあった力関係がなくなり、無秩序社会になる。今、どうすれば生きていけるのか分からない。
    戦争は止めて終わりではなく、市民が安心して生活できる環境を形成して初めて、平和になったと言える。

    援助は与えるだけではない。
    本当に必要なのは、自分たちだけで生きていける力だ。

  • 以前NHKの「プロフェッショナル」に出演していたときから注目していた瀬谷ルミ子の最初の著書。この人の職業の武装解除とは、アフガン等危険な紛争地域に赴き、兵士に武装解除(DDR)プログラムを推し進めるという、平和な日本では想像もできないような内容。ただ武装解除させるだけではなく、地域の事情も鑑みながら兵士に再出発の方向性を示唆していくという、フレキシブルな対応も求められる。
    著者は仕事内容を文中でさらっと簡単に述べているが、実際はすごい大変な仕事だよな。まだ若いのにすごい人だと思う。
    惜しむらくは内容が一冊に詰まりすぎていて、もっと細部に知りたいところが多かったのにと感じるところかな。とにかくこれからの動向が気になる人の一人である。

  • 友人の勧めで手に取った本。
    人物紹介には「世界が尊敬する日本人25人」に選ばれた人とある。
    初めての著書とあるが、論文やレポートを書き慣れているせいだろう。文章がすっきりしていて読みやすい。「1人でも何かできることを」の思いが実践に結びつく。いろいろなことを考えさせられたし、生き方についても刺激を受けた。
    このような行動力あふれた若い日本人の存在を知ることができて嬉しい。
    彼女のあっぱれな実践に敬意を表して★5つ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「初めての著書とあるが」
      実際は初めての単著ですよね。
      それは、どーでも良いコトで、日本の理念を体現して、世界に広めてくださるコトに感動して...
      「初めての著書とあるが」
      実際は初めての単著ですよね。
      それは、どーでも良いコトで、日本の理念を体現して、世界に広めてくださるコトに感動しています。
      9条を改悪して儲けようと躍起になってる人が多いから、誰もそうは思っていない?
      2012/10/12
  • 世界にもほとんどいなかった武装解除の専門家という道を自ら切り拓き、世界中の紛争地に赴き、武装解除を行う団体の代表 瀬谷ルミ子氏のこれまでの活動をまとめた1冊。

    私たちは様々な事を選択ができる権利を持っているが、紛争地の人々はそれすら持たない。私たちはこの権利を最大限に使える可能性を試されている。
    生まれ変わってもこの国に生まれたいと思える国をつくりたい
    というメッセージが繰り返し出てくる
    著者の力強い覚悟や判断力に随所で鳥肌。

    読みながら、時期的なものもありますが大阪のことを思ってしまった。
    一人の考えや力は途方も無く小さい。年を重ねる程にそれを痛感し、あきらめ、もはや誰かに委ねる心持ちに陥ってしまう。これはとてつもなう危うい。誰かの言葉に感化されやすく、泥酔しやすい。わかっているような事をいいながら後から、こんなはずじゃなかったと憤慨しがちだ。強烈なメッセージを発する人には、受け取る側もそれなりの強さや深さがなくては真意が読めない。

    本文中に
    自分の気持ちに迷いがあるときほど、誰かに対しての罪悪感が大きい
    とあった。その通りだと思う。誰かに悪いからという言い訳は判断材料としては弱い。改めて今の自分に置き換えて汗が出た。

    身の回りの問題すら解決できないのに、世界の問題を解決できるはずがない
    ともあった
    これもその通りだ。自分の仕事や生活に置き換えて、すごく気合いの入る言葉だ

  • 彼女の仕事は紛争地にて武装解除を行うこと。けれども武装解除をしたといって、平和が訪れるわけではない。武器が捨てられてからも、加害者も被害者も、生きていかなければならない。彼らが再び争うことなく自分たちの手で生活していけるためにどうすればよいのかを考え、実行していく。

    面白かった。そしてかっこいい!「代替案のない批判はただの愚痴」といってのける彼女がものすごくかっこいい!痴漢のところなんかおかしくて、電車の中なのに笑ってしまった。こんな素敵な日本人がいるなんて。

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