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- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022507747
感想・レビュー・書評
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菊地秀行氏と言えば魔界ものとか、なかなかユニークな小説を発表してきたが、本作は現代の雨月物語とも言うべき、死んだ男が残した妻に未練を残し,未亡人にほれた青年の前にその姿を見せるところから話が始まる。青年とその青年にほれている美女OL,未亡人と以前より親しかったお局さんなどなどいろいろな人間が加えて登場する。
未亡人も幽霊となった夫を愛し続けるのだが、思い深い青年と幽霊の狭間で思いが揺れ始めたりして、クライマックスまで進んでいく。
菊池秀行氏のいままでの作品とは全く違うのだが、この作品は重いがけずなかなか面白く読めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
達樹が想いをよせた涼子には、死んでもなお妻に心を残す夫の幽霊が憑いていた。何とか霊と切り離し、涼子を平穏な日常生活に戻らせたいと願う達樹の想いを知りながら、涼子は夫の霊に見守られながら送る静かな生活にも心を断つことができない。達樹が霊の攻撃を受け、涼子が世間と隔絶した生活を選んだとき、この奇妙な三角関係は思わぬ展開に晒されることになった。名手が描く異形の恋、平成版雨月物語。