漂流 本から本へ

著者 : 筒井康隆
  • 朝日新聞出版 (2011年1月7日発売)
3.63
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  • 32レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022508331

作品紹介

のらくろ+乱歩+西遊記+ウェルズ+イプセン+クリスティ+フロイド+セリーヌ+ヘミングウェイ+カント+ハメット+三島+川端+マルケス+大江+ハイデガー+α=作家生活五十年、その生涯に触れた書物の経験をめぐる書評的自伝の決定版。

漂流 本から本への感想・レビュー・書評

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  • 熱狂的筒井党員だったのだが、近著にはあまり共感できるものが無い・・・
    私が変わったのか、筒井氏が変わったのか、そのどちらもなのか・・・不明。

  • 本になったものは読んでないけど、朝日新聞の連載記事ですべてよんだ。
    乱歩に認められて、三島由紀夫を高く評価していて、大江健三郎と付き合い始めて、文学作品以外にも、カントとか「存在と時間」出てきてとても勉強家であることがわかった。
     30年前、神戸にて;電話帳見たら電話番号載っていてかけたら光子さんでて丁寧に応対してくれるのでなんてよいひとだと感激して、筒井康隆がでて、合いたいんですけど、何か御用ですか、作家にはお手紙かいてください、仕事中ですので失礼、ガチャン。3,4回手紙書いたけど返事なかったので、愛読者辞めた。しばらくして、封筒はいつもスヌーピーである、マリクレールかの雑誌でみて、それ俺のことかなと、おもった。いまや筒井はSF界の長老になった。若いときに会いたかった。

  • 「わかもとの知恵」の流れから「笑犬楼の知恵」を読んだので、その流れにのったままにこの「漂流」を読んでみた。
    「笑犬楼の知恵」が「自主規制撤廃に関する覚書」を筒井氏と朝日新聞の間で取り交わすことが出来なかったが故に誕生した書籍であるなら、この「自主規制撤廃に関する覚書」をついに取り交わすことが出来た朝日新聞に最初に掲載されたのが、この「漂流」という書評の連載であったからだ。
     書評というべきか、自伝というべきか、本のオビには書評的自伝とあり、「幼少年期」「演劇青年時代」「デビュー前夜」「作家になる」「新たなる飛躍」と幼い頃から現代にいたるまでの筒井氏の歴史を、その当時に読まれた本の書評と絡めることで、描き出そうとしている。
     本格的な自伝ではないので、この点を期待すると肩すかしを食らうかも知れないが、そうでなければ、著者の歴史の概要やその思考の変遷、数々の「影響を受けた書籍」やその影響の内容などが知れてなかなか面白い。
     著作の多い人なんだけれど、作品を生み出す動機になっている「特定の一冊」がかなり存在することが意外だったし、面白い発見でもあった。
     朝日新聞の文芸欄に掲載された書評なので、「自主規制撤廃に関する覚書」を取り交わしたとはいえ、文字数や表現の内容に関してはやはり制限はあったのだと思う。
     そういった制限を極力とっぱらい、書評だけに特化した筒井氏の「本の紹介書」みたいなものがあれば、是非読んでみたいと思わせてくれる内容であった。

  • どこでこの本の存在を知ったのか忘れたけれど、ずっと読むリストに入っていた本。

    私は筒井康隆の本を読んだことがない。
    名前を聞いたことがあるし、有名な作家であることは知っているが、本を読むよりも先にドラマ(富豪刑事)で筒井康隆を見たので、作家だけどテレビに出たがるタイプの人なんだというイメージが先行した。そして、それはそこまで間違っていない気がする。

    「漂流」は、筒井康隆が小さい頃からどういった本を読んできたか、その中でも特に記憶に残った本について紹介したものである。あまり読書をしてこなかった私は、小説家になる人は小さい頃からこんなに色々本を読んでいるのか、すごいなぁという超単純な感想を抱いた。特に避けて通ったわけではないけれど、私はSFをほとんど読んでいないのできっと良い読書案内本になるのではないかと思う。SF以外にもほとんど読んだことがない本ばかりだけれど。

    それにしても、もちろん頭が良いし、読書家であるのだろうけれど、行動力がすごいなあと思う。小説にしても家族で同人誌を出版してみたり、演劇もやってみたり、自分の専攻ではないところの講義に出てみたり、その他いろいろ。好奇心が旺盛で、それに忠実に生きると多くの経験が得られるという良い見本のようだなと思った。

    最後に、この本で見逃せないのが、

    「夢にも思わなかった」

    である。このフレーズが目障りになる頻度で出てくるのだ。
    どういう時に使われるかというと、本の紹介とともに筒井康隆の若かりし頃のエピソードも一緒に紹介されるのだが、「当時読んでいた本の作者と後年仲良くなるとは夢にも思わなかった」のような感じで使われる。そして、その夢にも思わなかった状況についての文章が結構詳しく書かれる。自分の頭の良さ、星のめぐりに自信があるようで、好きな文章である。

  • 筒井康隆「漂流 本から本へ」 http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=12236 … も読んだ。良いガイド!幼少期からの読書歴に自叙伝を乗せた体裁だけど、作家のエッセイが記録ではないのと同様、人生のどのタイミングにどの本でどの話を持ってくるか、は相当コントロールしているな、と思う(つづく

    華々しさを堂々と自慢できるのは筒井康隆でこそだなあ。夢にも思っていなかった、の多用が嫌味になってるのがおもしろい。冒頭、のらくろから始まるのが楽しい。ここでもドノソの「夜のみだらな鳥」が出てくる。読む書評集のどれにも出てくるこれは、もう読めということなのかもな(おわり

  • 筒井康隆による、ほぼ読書遍歴にのみフォーカスされた自伝のような一冊。

    幼少時に読んだ『のらくろ』や、国内作家だけでなくル・クレジオやラテンアメリカ作家(『夜のみだらな鳥』なんかもあるのがシブい)、フィクション以外に哲学書なんかもあったりする。特に好きな『文学部唯野教授』の製作秘話も読めたのが嬉しい。あとは影響がデカいとされるセリーヌを再読したくなるし、ヘミングウェイもしっかり読んでみたい。

    凝り固まったスタイルを良しとせず様々なモノを書き、ある意味文壇のデヴィッド・ボウイともいえるカメレオン作家が吸収してきたものを眺めているだけでも楽しい。
    『同時代ゲーム』評の「失敗作であることさえ度外視すれば傑作」というフレーズはどこかで使いたい。

  • 筒井康隆「漂流 本から本へ」 http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=12236 … も読んだ。良いガイド!幼少期からの読書歴に自叙伝を乗せた体裁だけど、作家のエッセイが記録ではないのと同様、人生のどのタイミングにどの本でどの話を持ってくるか、は相当コントロールしているな、と思う(つづく

    華々しさを堂々と自慢できるのは筒井康隆でこそだなあ。夢にも思っていなかった、の多用が嫌味になってるのがおもしろい。冒頭、のらくろから始まるのが楽しい。ここでもドノソの「夜のみだらな鳥」が出てくる。読む書評集のどれにも出てくるこれは、もう読めということなのかもな(おわり

  • 作家を評する時に迷わず「天才」という形容ができるのは、未だに筒井康隆だけです。
    森博嗣は「天才の描写」が凄まじく上手いと思ってるけど。

    そんな「筒井康隆」の形成の一助ともなったであろう、彼が読んできた作品の数々を、筒井先生本人が往時の思い出とともにレビューする、という体裁の本作。

    ……………3分の1は読んでるかなァ(苦)。

    幼少年期に先生が読んだ作品の多くは読めてるし、読んでなくても著者名や概要は知ってる作品が多かったけど、後半に行くにつれ絶望的に分からない。

    極めつけは、ハイデガーですよ。
    大学生時代、意気軒高と取り組んで見事に撃沈させられた哲学書です。最後には逆ギレしたもんね、わざと難解に書いてるやろー!って(笑)

    どうしたって私は天才とは次元が違うわいと久しぶりにシミジミ感じ入りました。昔はこれが辛かったんだけど笑。
    年取るって、身の程を知るというか、自分のリミットが明確に見えてくるってことだよな〜。

  • 筒井御大の読書遍歴。日本文壇での圧倒的な特異性と存在感を裏打ちする文化資本の絶対量に納得。

  •  幼少期から現在に至るまでの筒井康隆さんの読書体験が綴られている一冊。
     どういった本に影響を受け、どういった思考が作者の著作に影響しているのかがよく分かるようになっている。本文の中で「こうなるとは(=実現するとは)夢にも思っていなかった」という文章が多いのだけど、作者が読書を通して感銘を受けた相手とのちに仕事をすることになったり、出会って親交を深めたりと、作者の読書から生まれた沢山の縁に、こちらまで嬉しい気持ちになった。

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