漂流 本から本へ

  • 朝日新聞出版 (2011年1月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784022508331

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様な時代を経て、著者の豊かな読書歴と生い立ちが描かれたエッセイは、読者に深い感銘を与えます。戦前から現代に至るまでの書物遍歴が、著者の成長や思索の深さを物語っており、文学や哲学への探求心も感じられま...

感想・レビュー・書評

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  • 先日NHKの番組に出ておられるのを拝見した。神戸の高級ホテルのような施設にご夫妻で入居されているようだ。車椅子姿の時もあったが90歳とは思えない。まだまだお元気そうであった。その生い立ちと読書歴について書かれたエッセイ。戦前・戦中・戦後、そして今に続く書物遍歴を書かれている。素直に面白い。

  • 熱狂的筒井党員だったのだが、近著にはあまり共感できるものが無い・・・
    私が変わったのか、筒井氏が変わったのか、そのどちらもなのか・・・不明。

  • 本になったものは読んでないけど、朝日新聞の連載記事ですべてよんだ。
    乱歩に認められて、三島由紀夫を高く評価していて、大江健三郎と付き合い始めて、文学作品以外にも、カントとか「存在と時間」出てきてとても勉強家であることがわかった。
     30年前、神戸にて;電話帳見たら電話番号載っていてかけたら光子さんでて丁寧に応対してくれるのでなんてよいひとだと感激して、筒井康隆がでて、合いたいんですけど、何か御用ですか、作家にはお手紙かいてください、仕事中ですので失礼、ガチャン。3,4回手紙書いたけど返事なかったので、愛読者辞めた。しばらくして、封筒はいつもスヌーピーである、マリクレールかの雑誌でみて、それ俺のことかなと、おもった。いまや筒井はSF界の長老になった。若いときに会いたかった。

  • 筒井作品がどのように生み出されるかの一端がわかりおもしろかった。久しぶりに、じっくりと本を読みたくなった。

  • ふむ

  • 幼少期からの読書遍歴、読んだ本を語りながら自身の半生を描く。
    この自伝部分が滅法面白い。その時の意識がどこに在ったのか、どこを向いていたのかが本を介して語られる。
    自作への影響も示し、いかにして筒井康隆は筒井康隆となったのかを見ることができる。

  • 2018/08/31

  • やっぱ乱歩とかそういう黒い世界観好きなんだな筒井康隆…

  • 父上は戦後、天王寺動物園の園長をしていた動物学者。《小説家が生まれるには、名家に生まれ、豊富な蔵書があり、その家が没落すること》没落はしなかったが学童疎開によるイジメ、敗戦による生活の圧迫や“売り食い生活”(『不良少年の映画史』に詳しい)による《価値観の動揺》はあっただろう。高校で演劇と文藝耽読に熱中し、1月17日の同志社入試まで2週間ほど日本史を集中的に勉強しただけ。大学生ながら劇団に所属し『東の仲代達矢、西の筒井康隆』と評されたこともあった。事情あって退団し、乃村工藝社に就職し、三島由紀夫『禁色』に感動…

  • 現代日本文学の巨人が、自らの生い立ちと読書遍歴を振り返る。面白くないはずがない。NHKのドラマにしたらどうか。
    のらくろ、乱歩、西遊記、クリスティ、ヘミングウェイ、最後にはハイデガーとくる。不条理ものや喜劇が大好物で、恋愛ものは興味がなかっという。長い長い物語だが、やはりというべきか、大変な早熟である。裕福な家庭で、周囲に本が豊富にあった。世界文学全集、おそるべしだ。

  • 久しぶりの筒井康隆。生涯の節目節目でのエピソードと読書の影響をうまく織り交ぜ、かつてのエッセイでもよく書かれていた内容もあり、懐かしく読めた。
    ファンでなければプチ自慢的な内容(著名人とのその後の交流)が鼻につくかも。
    昔の短編がまた読みたくなった。

  • 2012.3記。

    筒井康隆氏の著作についてはその小説ももちろんだが、同様に面白いのが書評、読書日記の類で、これはその最新版にしてベスト盤的な存在と言えるのではないか。

    彼の書評のすごいところは、時には短編の「意外な結末」までを遠慮なく「ネタバレ」させながら、なお読まずにいられないくらい、的確にその作品の肝を抉り出すところにある(若かりし頃はそれで何冊も実際に手に取ったが、その多くは難解か退屈かで挫折した。筒井氏の感想のほうが面白いのだ)。

    ところで読んでいて今更ながら気づいたのだが、筒井氏の読書遍歴は意外なところで村上春樹と接点が多い。もちろん、筒井康隆氏は村上氏が最も影響を受けたとしている米国の何人かの作家(フィッツジェラルド、チャンドラー等)に紙幅を割いていないし、一方で筒井氏が強く支持しているラテンアメリカ文学のマジックリアリズムに村上氏が夢中になったという話も聞かない。

    が、例えば、学生時代に戯曲を無数に読み込むことで文学的基盤を築き上げていること、カフカへの傾倒、夏目漱石ではマニアックな「坑夫」に心惹かれていること、等々侮れない共通項もある。文学的方向性は全く違っても、一流の仕事のベースとなる素養の部分には共通点が多いということか・・・

  • 昔一時期好きだったのだが、村上龍が絶筆を批判していたのを真に受けて読まなくなっていたのだが、最近読んだ本の中にやはりこの人を絶賛する文言を見て再び読もうと思って、今一応目を通そうと思っている読書論的な内容だったので手に取ってみた。相変わらず影響を受けやすい単純な自分が嫌にはなる。

    だがしかしそれとは関係がなくこの作者が書く文章はやはり面白かったしこの人がいかに凄い大物なのかが分かる交遊ぶりだった。出てくる名前の大きいこと。大江健三郎や丸谷才一などの自分からしたらまだ読めない人たちと同時代の人なのだ。だとすればとても読みやすいし朝日放送のビーバップハイヒールでおなじみでもある。また小説を読んでみよう。また著書の中で挙げていた外国の文学にも色々チャレンジしてみたい。楽しみが広がった。

  • どこでこの本の存在を知ったのか忘れたけれど、ずっと読むリストに入っていた本。

    私は筒井康隆の本を読んだことがない。
    名前を聞いたことがあるし、有名な作家であることは知っているが、本を読むよりも先にドラマ(富豪刑事)で筒井康隆を見たので、作家だけどテレビに出たがるタイプの人なんだというイメージが先行した。そして、それはそこまで間違っていない気がする。

    「漂流」は、筒井康隆が小さい頃からどういった本を読んできたか、その中でも特に記憶に残った本について紹介したものである。あまり読書をしてこなかった私は、小説家になる人は小さい頃からこんなに色々本を読んでいるのか、すごいなぁという超単純な感想を抱いた。特に避けて通ったわけではないけれど、私はSFをほとんど読んでいないのできっと良い読書案内本になるのではないかと思う。SF以外にもほとんど読んだことがない本ばかりだけれど。

    それにしても、もちろん頭が良いし、読書家であるのだろうけれど、行動力がすごいなあと思う。小説にしても家族で同人誌を出版してみたり、演劇もやってみたり、自分の専攻ではないところの講義に出てみたり、その他いろいろ。好奇心が旺盛で、それに忠実に生きると多くの経験が得られるという良い見本のようだなと思った。

    最後に、この本で見逃せないのが、

    「夢にも思わなかった」

    である。このフレーズが目障りになる頻度で出てくるのだ。
    どういう時に使われるかというと、本の紹介とともに筒井康隆の若かりし頃のエピソードも一緒に紹介されるのだが、「当時読んでいた本の作者と後年仲良くなるとは夢にも思わなかった」のような感じで使われる。そして、その夢にも思わなかった状況についての文章が結構詳しく書かれる。自分の頭の良さ、星のめぐりに自信があるようで、好きな文章である。

  • 筒井康隆「漂流 本から本へ」 http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=12236 … も読んだ。良いガイド!幼少期からの読書歴に自叙伝を乗せた体裁だけど、作家のエッセイが記録ではないのと同様、人生のどのタイミングにどの本でどの話を持ってくるか、は相当コントロールしているな、と思う(つづく

    華々しさを堂々と自慢できるのは筒井康隆でこそだなあ。夢にも思っていなかった、の多用が嫌味になってるのがおもしろい。冒頭、のらくろから始まるのが楽しい。ここでもドノソの「夜のみだらな鳥」が出てくる。読む書評集のどれにも出てくるこれは、もう読めということなのかもな(おわり

  • 筒井康隆による、ほぼ読書遍歴にのみフォーカスされた自伝のような一冊。

    幼少時に読んだ『のらくろ』や、国内作家だけでなくル・クレジオやラテンアメリカ作家(『夜のみだらな鳥』なんかもあるのがシブい)、フィクション以外に哲学書なんかもあったりする。特に好きな『文学部唯野教授』の製作秘話も読めたのが嬉しい。あとは影響がデカいとされるセリーヌを再読したくなるし、ヘミングウェイもしっかり読んでみたい。

    凝り固まったスタイルを良しとせず様々なモノを書き、ある意味文壇のデヴィッド・ボウイともいえるカメレオン作家が吸収してきたものを眺めているだけでも楽しい。
    『同時代ゲーム』評の「失敗作であることさえ度外視すれば傑作」というフレーズはどこかで使いたい。

  • 筒井康隆「漂流 本から本へ」 http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=12236 … も読んだ。良いガイド!幼少期からの読書歴に自叙伝を乗せた体裁だけど、作家のエッセイが記録ではないのと同様、人生のどのタイミングにどの本でどの話を持ってくるか、は相当コントロールしているな、と思う(つづく

    華々しさを堂々と自慢できるのは筒井康隆でこそだなあ。夢にも思っていなかった、の多用が嫌味になってるのがおもしろい。冒頭、のらくろから始まるのが楽しい。ここでもドノソの「夜のみだらな鳥」が出てくる。読む書評集のどれにも出てくるこれは、もう読めということなのかもな(おわり

  • 作家を評する時に迷わず「天才」という形容ができるのは、未だに筒井康隆だけです。
    森博嗣は「天才の描写」が凄まじく上手いと思ってるけど。

    そんな「筒井康隆」の形成の一助ともなったであろう、彼が読んできた作品の数々を、筒井先生本人が往時の思い出とともにレビューする、という体裁の本作。

    ……………3分の1は読んでるかなァ(苦)。

    幼少年期に先生が読んだ作品の多くは読めてるし、読んでなくても著者名や概要は知ってる作品が多かったけど、後半に行くにつれ絶望的に分からない。

    極めつけは、ハイデガーですよ。
    大学生時代、意気軒高と取り組んで見事に撃沈させられた哲学書です。最後には逆ギレしたもんね、わざと難解に書いてるやろー!って(笑)

    どうしたって私は天才とは次元が違うわいと久しぶりにシミジミ感じ入りました。昔はこれが辛かったんだけど笑。
    年取るって、身の程を知るというか、自分のリミットが明確に見えてくるってことだよな〜。

  • 筒井御大の読書遍歴。日本文壇での圧倒的な特異性と存在感を裏打ちする文化資本の絶対量に納得。

  •  幼少期から現在に至るまでの筒井康隆さんの読書体験が綴られている一冊。
     どういった本に影響を受け、どういった思考が作者の著作に影響しているのかがよく分かるようになっている。本文の中で「こうなるとは(=実現するとは)夢にも思っていなかった」という文章が多いのだけど、作者が読書を通して感銘を受けた相手とのちに仕事をすることになったり、出会って親交を深めたりと、作者の読書から生まれた沢山の縁に、こちらまで嬉しい気持ちになった。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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