銀の島

著者 : 山本兼一
  • 朝日新聞出版 (2011年6月7日発売)
3.57
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022508652

作品紹介・あらすじ

時は戦国-宣教師ザビエルと同時に日本に潜入した男がいた。ポルトガル国王の密命「石見銀山占領計画」を帯びた特任司令官バラッタは石見銀山を訪れ、占領作戦を展開させる。ザビエルの教えに疑念を抱き、破門された安次郎らは、バラッタの野望を砕くため倭寇の大海賊・王直に命がけの談判に及ぶが…迫りくるポルトガル大艦隊、迎え撃つは薩摩の安次郎と倭寇の大海賊・王直船団-戦国史を根底から覆す驚天動地の時代活劇巨篇。

銀の島の感想・レビュー・書評

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  • 1910年(明治43年)聖ザビエルの伝記を書く準備でインドのゴアを訪れた小説家が、安次郎が記したとされる手記に出会う。そこには、「ザビエルは嘘つきである」「ザビエル神父が日本にもたらしたのは、神の福音ではなく災厄」というような驚愕すべきものだった!
    こうして物語は、彼らが生きた時代へと遡る。
    安次郎、ポルトガルの特任司令官・バラッタ、ザビエル、章が替わるごとに三者の視点から、石見銀山をめぐり画策し混乱に乗じて銀の採掘権を手にいれようとするバラッタの野望を虚実織り交ぜて描かれていくというもの・・・・・。

    海賊なども登場しラストはまさに血肉湧き踊る冒険活劇。読み応え十分だ!!

  • 各章毎に主要登場人物の視点で描かれる形式だけど、最初、なにやらスリリングな展開が始まるふうながら、その前フリに内容が追いつかず、最後グダグダという、視聴率の悪い民法ドラマみたいな展開になっている。残念。

  • フランシスコ・ザビエルの布教の旅に
    見え隠れするポルトガルの陰謀
    野望を持つ男と、何もかも失った男が
    縋り付いたカトリックの教えに裏切られた瞬間
    何もかもが面白い一冊です

  • ザビエルと薩摩藩を追われ波乱万丈な旅のすえゴアにたどり着いた安次郎が出会い、ザビエルが日本まで来る話。ザビエルについてここまで書かれた本を初めて読んだ。ポルトガルが石見銀山を占拠しようとしたが中国の海賊艦隊に破れたらしい。そんな陰謀に宣教師も知らないうちに加担しているかもしれないらしい?

  • 【読了メモ】(140730 6:50) 山本兼一『銀の島』/朝日新聞出版/2011 Jun 30th

  • ザビエルと銀?と思ってしまった。題名からは、どこが繋がるんだろうと思っていたが、読み進めるにしたがって、その関連が明らかになる。

    ザビエルと銀を繋げるのは、日本人初のキリスト教徒と言われる薩摩出身のアンジロウだ。アンジロウは、手の付けられない父親を、何の咎めもない使用人を守るために殺害してしまい、その罪を償うためにキリスト教に帰依する。

    当初は、ザビエルに私淑していたものの、ふとしたことから、ザビエルの信仰を疑うようになり、遂には破門される。ザビエルも、アジア領でキリスト教を広めるためにはポルトガル王の援助がなければ成り立たないことをよくわかっていた。イエズス会がアジア領で教会を建てるときも、国王は銀を援助し、さまざまな便宜を図ってくれた。ポルトガル国王も、アジア領の植民地化を円滑に進めるためには、原住民を神にも支配してもらうのが良いと考えたのだ。心も征服してしまおうと。

    このようなことから、ザビエルは、バラッタという日本の石見銀山を狙う軍人に嫌々ながらも支配されるようになり、それをアンジロウは許せなかった。そんなバラッタの野望を王直とい海賊王とともにアンジロウは倒す。ザビエルは、アンジロウを破門したものの、アンジロウの方は、ザビエルのことが気になっていた。『ザビエルは悪い人間ではない。自分を犠牲にして、人のために尽くしている。自分はほんのわずかしか食物を口にせず、ぶどう酒も飲まず、一切の欲望を消して、病者や弱者のために生きている。その点は素直に尊敬できる。ただ、困ったことに、とてつもなく頑固で剛情だ。自分の神だけが、たった一つの正しい神だと信じ、ほかの神は悪魔だと決め付けている。言葉と微笑みは優しいが、信念の強さは筋金入りだ。純粋な人。あきれるくらい純粋で無垢で世間知らずだ』と。

    アンジロウは言う『あなたは何をしに日本に来たのか』と。

    宗教と戦争は切っても切れない。宗教を広めるために、布教者は外に出て行く。そこは、未開の地か他人の地しかない。それは、征服欲の大きい施政者と思いがピッタリと一致する。布教者は仕方なくも施政者の援助を受け、施政者は、ソフトの面でも支配しようと宗教を利用する。日本の仏教や八百万の神のように、色々な神を受け入れるような国民性は珍しく、だいたいが、一神教で、創造主を敬う。そこから、人々は創造主から作られたもので、創造主の前では皆な平等であるとの思想に至るのだ。基本的人権の出発点だ。市民平等から、一人一票が生まれ、やがて民主主義に進んでいく。日本が民主主義を取り入れたのは、そのような精神的な流れからではなく、明治維新後の近代化に向けた貪欲なまでもの欧化政策や第2次世界大戦後の米国の支配にも大きく影響されたろう。また、それにもまして、好奇心が旺盛な日本の国民性にもよるのだろう。

  • 頼るべきは、おのが身ひとつ。

    その潮の流れ行く先になにがあるのか。

    石国の海を渡り、
    南山を遠望するに、
    赤然たる光あり。

  • 王直が格好いい。

    キリスト教に感じる違和感は、安次郎に共感。

    序章が一番面白かった。

  • ”ザビエルは嘘つきならばその言葉を信じることなかれ。”という衝撃的な文章で始まる日本人の手記がインドのゴアにて発見!?日本人とはザビエルより洗礼を受けた日本人第一号なり。偶然彼の地を訪れていた作家が驚愕な史実を発見することより物語が始まる。そして遡る事戦国時代、ザビエルと時を同じくして、ポルトガル王からある特命を受けて日本を訪れた騎士がいた。なんと世界有数な銀山、石見銀山の占領!?キリスト教の布教、資源の確保、交易そして倭寇。当時の歴史的事実を組み合わせて筆者独自の視点を加えることで、驚天動地な歴史を紡ぐ。更に宣教師目線の当時の人々の生活の様や苦悩が余す事なく記述されている良作。後、純粋無垢で世間知らずなザビエルのキャラ設定はイケてるね~

  • 11月(神在月)だし島根に行こうと思って、気分を高めるために読了。
    島根県の世界遺産「石見銀山」を巡る歴史フィクション!
    ※石見銀山はほとんど出ませんでした(笑)


    学校で習うザビエルって基本ないがしろな扱いされてしまうけれど、実際は教科書に載るくらい偉い人だってことを再認識させてくれました。

    遠藤周作を読んだことがあったので、日本でキリスト教を広めるってことが血みどろだというイメージがあった。
    そのパイオニアであるザビエルは、諦めと言われてもしょうがない結果しか出せなかっただろうという解釈か。(この本では)

    確かに人間の習慣・慣習を変革させるのに時間ははがゆい要因だよね。一気に変革が起きると一時的には達成感という満足が得られるだろうけど、反動が起きて結局大願成就にはならないことが多い。

    カトリックの伝道師はきちんと後継を育成して、長い年月を利用して改革をしているからお利口だと思う。

    このことは覚えておきたいな。
    変革したい側だろうと変革される側だろうと大事な知恵だ。

    「確実な変革を起こすなら焦るな」
    「誰かが変革を起こそうとしていたら、時間をかけたアプローチも視野に入れているかチェックしろ」

    ってね。

    ___

    安次郎と辰吉の関係が実はおすすめ!

    ●辰吉の忠誠心がすごい。
    人生を主君に預けるとはこのこと。それを楽しんでいるから偉い。生きる上での価値観がきちんと形成されている芯の太い人間だ。そう思う。

    16世紀という時代でありながら、主君が乱心なんか起こしたせいで生まれ故郷から遠い海の外に飛び出していくことになっても動じなかった辰吉がお気に入り。

    ●安次郎の気高さがすごい。
    この人の頭の良さはハンパないと思う。ゆえに自律できている。
    あんなクソ親父に歯向かうのも、言葉の通じない異国で生き抜くのも、自分の弱さに打ち勝つ強い精神力が備わっているということ。
    ただ、ここでいう弱い自分ってそうとうハードル高いけどね。

    安次郎の気高さに感服しました。

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