天涯の戦旗 タラス河畔の戦い

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022508966

感想・レビュー・書評

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  • 高仙芝、副官の李嗣業、監軍の辺令誠、調査を命じられ送り込まれてきた杜環、石国の亡国の王子シシュピル、アッバース朝のアブー・ムスリム、ズィヤード。カルルクのサトゥク。勇猛で清廉な将軍として尊敬をあつめていた高仙芝、なぜ石国掃討の時は、残虐な掃討、略奪を行なったのか。長安の都ののんきな貴族子弟としてあそびあるいていた杜環が探偵役として抜擢され。当時の国際関係を横軸に、魅力的な人物像を横軸に織りなされる歴史絵巻。

  • 実は、シシュピルが主人公です。
    言い切る。

    大人の事情に巻き込まれている・振り回されているとわかっていても、行動を止めない意志力。
    若さが、その原動力。

    青臭いといいたければ、言えばいいじゃん。
    シシュピルが、主人公なんだから。

  • 面白く読めました。

    余計なお世話ですが表紙がちょっと勿体ないかな、なんて思ったり……これはこれで素敵ですが!イカツイ印象を持ってしまうかな。中身はもっと幅広い人が手に取れるものなのになぁなんて。

  • 図書館

    新刊案内で気になってた本ー。返却されてきたので借りてみた。
    西方に製紙技術が伝来したことで有名なタラス河畔の戦いがテーマですが、製紙法がどうのこうのはとくに語られず。1つのルビーを巡って戦いが始まりそして終わるまでのお話しでした。

    小前さんの作品を読むのは初めてですが、読みやすくていいですね。
    児童書でアラビアンナイトモチーフの作品を書いてらしたので、今度読んでみようかな。

  • 著者の今のところのベストなんじゃないかと思う。以前、姜維伝を読んだ感想として「小前亮作品はその淡白さが、一代記では浅さになるから、もっとコンパクトな瞬間を切り取るべき。姜維伝はいい線だと思います。でもまだ長い。中国史書くなら、完全に一つの合戦とか一つの史実にスポットを当てたら味になると思うんですけどね。」とのたまったのだけど、ほら言ったでしょという感じだ。笑

  • さすが、小前亮。
    有名だけど、よく分らないモノを、分りやすく突き詰めてくれる。
    ルビの博覧強記ぶりが好きだ。

  • タラス河畔の戦い~唐の安西節度使である高仙之はキルギット攻略で勇名を馳せたが,降伏したチャーチュ(石国)攻めで宝物を奪い,人民を殺戮した事に副将である李嗣業は納得がいかない。唐の名家出身の杜環は謎を探るべく長安から祖父の命でクチャにやって来たが,李隆基皇帝が大きなルビーを求めたのに国王が差し出さずに処刑され,力ずくで奪う手だてを監軍の辺令誠を通じて命じたことが分かったが,ルビーは未だに行方が知れない。チャーチュの王子,シシュピルは14歳だが国を離れていて無事であったが,アッバース朝の援軍を得て復讐を遂げる積もりだ。サマルカンド太守ズィヤードは喜んで協力を申し出るが,周辺民がどちらに味方するかが微妙だ。高は杜環をカルルクに使いにだし復命させたが,ズィヤードも腹心のアフマドに付き添わせてシシュピル自らカルルクに使いさせた。チャーチュで兵を募っても動き出さない自国民の態度に不甲斐なさを痛感したシシュピルはタラス砦に兵を引き連れて,唐の攻撃を食い止めようとする。1日は保ったものの,2日目は怪しいと踏んだシシュピルは志願の46名の決死隊と唐の陣地に突撃し,必死に戦った後に絶命する。王の死に奮起したタラス砦は,2日目も凌ぎ,ズィヤード率いるアッバース軍と唐が対峙する。互いの堅陣に突き入る隙が見えないまま,正面突破を図ろうとする李嗣業の出陣前に杜環は訪れ,宝物庫に入ってルビーを持ち出したのはあなただろうと詰め寄る。潔くルビーを杜環に手渡した李嗣業は,自分が高に話すまで待ってくれと頼んで,出陣していく。攻める唐軍に,守るアッバース朝の膠着状態に,満を持して李嗣業が正面突破を図るが,唐軍についたはずのカルルクは後方から唐の本陣を攻め,李嗣業も高仙之を救うため,引き上げざるを得ず,唐は敗走し,杜環は降伏してルビーを投げ上げたが,何も起こるはずはなかった~紙漉職人は馬と槍を扱うことに長けていた杜環の従者の劉昇でしたという話。勝敗を分けたのは復讐を誓った健気な少年の戦死に同情した遊牧民の動きであった。高仙之は安史の乱の討伐軍を率いたが監軍の讒言で処刑され,李嗣業は安西に留まったが矢傷が元で戦死,杜環は安史の乱鎮圧後,船で広州に帰着する

  • ストーリーはとても面白かった。
    ただどうしても(著者の)お師匠さんの亜流と思わせる箇所が所々に見え隠れしてしまう。興醒めするので同じようなセリフは使わないでほしい。
    それを除けば、馴染みのない時代でありながら読みやすく、
    世界史の授業でちょろっと習っただけの世界を身近にしてくれた満足の一作です。

  • タラス河畔の戦い、というその文言だけで惹かれたよ!
    他館発注。

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著者プロフィール

小前亮/1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。2005年に歴史小説『李世民』(講談社)でデビュー。著作に『賢帝と逆臣と 小説・三藩の乱』『劉裕 豪剣の皇帝』(講談社)、『蒼き狼の血脈』(文藝春秋)、『平家物語』『西郷隆盛』『星の旅人 伊能忠敬と伝説の怪魚』『渋沢栄一伝 日本の未来を変えた男』「真田十勇士」シリーズ(小峰書店)、「三国志」シリーズ(理論社 / 静山社ペガサス文庫)などがある。

「2023年 『三国志 5 赤壁の戦い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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