マリー・アントワネット 運命の24時間 知られざるフランス革命ヴァレンヌ逃亡

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 135
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509031

作品紹介・あらすじ

亡命失敗、フランスに王がいなくなる日。刻々と迫る断頭台への道程。革命に翻弄された王妃の真実とは?-。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった~!
    ヴァレンヌまでの逃亡の様子が刻銘に綴られています。
    どこからどこまでは史実で、どこからどこまでがフィクションなのか
    わかりませんが、最後までドキドキし通しでした。

    アントワネット本やフランス革命本が必ずページを割いているこの事件。
    ヴァレンヌ逃亡のくだりはどれを読んでも、何度読んでも、
    ものすごい緊張感を強いられるのですが、この本はその中でも最高にストレスフル!
    終始、固唾を飲み続けることになります。

    ベルばらに描かれるルイ16世は優柔不断だけどお人よしで優しい性格が
    好印象なんだけど、この本読んだらルイ16世が嫌いになる。
    そしてますますアントワネットが好きになります。

    アメリカ独立戦争で共に戦った有能な二人の男性、ラ・ファイエットとフェルゼン。
    逃げるフェルゼンに追うラ・ファイエット。
    おそらくお互いにお互いの能力を承知しているはずだ。
    この二人の才碗対決はフェルゼンが途中で逃亡メンバーからの離脱を
    余儀なくされた時点でラ・ファイエットに軍配が上がったのですが、
    フェルゼンが王家の先導役を最後まで果たしていたらどうなっていただろう?

    「歴史に’もしも’はない」。
    だけどついつい考えてしまう。そんな余韻も楽しめる一冊!

  • 41やっぱり中野先生は、読みやすくて楽しいし、引き込まれるなぁ。本当に運命の24時間で緊迫して、後半は本を持つ手に力が入ってしまいました。「楽観」って怖い。どんな場面でも怖い。私の最近で言ったらノーマークだった患者さんの急変。と、息子の突然の発熱。楽観していました。そのひとつの安易な考えが歴史を左右するんだなぁと。ルイにはイライラさせられる場面もあったけど、最後の遺言で、アントワネットへ書いた言葉には胸が締め付けられたし、アントワネットの王妃としての気高さや、王への思いもステキでした。・・・とにかく好き!

  • すごい迫力。追いつ追われつ、というほどのカーチェイスではないけれど、いつ捕まるんだろうと、読んでいる間中ドキドキしました。
    国王一家逃亡事件のことを最初に読んだのはマンガ「ベルサイユのばら」。なので失敗に終わるという結末は知っていたけれど、史実やあらすじを知っていてもハラハラドキドキするというところに、小説を書く価値や読む意味を感じます。
    世間的にはマリー・アントワネットが最悪のバカ王妃として認識されているらしいのと、藤本ひとみの本でフェルゼンをうすのろバカ扱いしたものを読んだことがあります。ところがこの本では、ルイ16世国王がバカだったということになっています。それがもう本当にそうに違いない、と思う程説得力ありました。
    きっと真実は全員がほどほどのバカだったのでしょう。

  • それにつけてもルイ16世のダメさ加減よ。長男の代打でイヤイヤ王位についたからちょっと同情してたけど、そんなふっ飛ぶくらいのブチ壊し男。アントワネットとフェルゼンは階級主義だったかもしれないけど、それに共感したくなるくらいの革命軍の粗暴さ。

  • マリー・アントワネットやルイ16世が逃亡、連れ戻されるヴァレンヌ事件をドラマチックに描く。

    登場人物たちが生き生きとしていてドラマのようでした。ルイは相変わらず可哀想な描写ですが…それもまた中野さんらしいのかなと。

  • 逃亡に関する一切のことをフェルゼンがお膳立てしてくれたのにも関わらず、優柔不断すぎるルイに腹が立ちっぱなしだった‼

    逃亡を物見遊山か何かだと勘違いしすぎ、脇が甘すぎなルイ。
    幾度となく好機は訪れるのに、それを見逃す。
    私がアントワネットの立場だったらルイを置いて、子ども達とサッサと逃げているだろう。

    いつの時代も女性の方が危険を察知する能力に長けていて、いざという時逞しくあるのだなと思った。

    久々にベルばらが読みたくなったし、他の作家が書いたアントワネットの本が読んでみたくなった。

  • とても読みやすくて、内容盛りだくさんだったが、一気に読み切れる。
    フランス革命に関する本はたくさんあるが、ヴァレンヌ事件に焦点を当てているので、濃密で臨場感のある一冊になっている。
    見方によってはルイ十六世がすべて悪いとは言い切れないと思うが、本書の視点ではこういう記述は仕方がない部分はあると思うので、別視点で書かれた本も読んでから人物評価したいところ。
    ただ、本書に書かれているように、当時のフランスの窮状がすべて王や(特に)王妃に向けられてしまっていた点と、その状況を読み切れていなかったのが不幸だったのだと感じた。

  • 実は本屋で、終盤の「フェルゼンはあきらめない」に爆笑して衝動買いした本。
    はやくそこにたどり着きたかったんだけど、読むのにえらく時間がかかった。というのも、フェルゼンを上げる描写のためだけにあまりにもルイが下げられすぎていたというか……うーん、なんて言ったらいいんだろうなぁ。描写が不平等に感じてしまった。
    アントワネットがある意味で聡明だったのは確かなんだろうけど、それを持ち上げたいなら普通に持ち上げてくれればいいのにルイとの相対評価で持ち上げるから自然と「う~ん?」という気持ちに。

    ただ、ヴァレンヌ逃亡だけを描くというのはある意味で斬新だったかと。
    とはいえなんだかよくわからない比喩描写(戦国武将がどうのこうのとか)が多すぎるのはいかがなものか。

  • フェルゼンって本当にマリー・アントワネットを愛していたのね。

  •  フランス革命の中の、ヴァレンヌ事件のみに焦点を当てた本。

     子供の頃、池田理代子氏の漫画『ベルサイユのばら』の初めて読んだ時、最終回のラスト1ページで語られたフェルゼンの最期に、それが史実だけに、フィクションであるアンドレやオスカルの死よりも衝撃を受けたのだけど、第一章がそのフェルゼンの最期の日、“運命の六月二十日”。

     中野氏の今までの著作を読んだ時もそうだったけれど、中野氏の想像する登場人物たちの気持ちが、私にも「きっとそうだったのだろうな」と思える。
     それも、メインに据えた人物だけでなく、その周りの人物、敵対する人物も全て、それぞれの立場から“解る”気持ちにさせてくれるから面白い。

     それにしても、ラファイエットがアメリカ独立戦争に参加していたのは知っていたけど、インディアナ州で市の名前に冠されていたり、名誉市民に選ばれる程(しかも2002なんていうつい最近)アメリカで人気だとか、ブイエ将軍が、後に国歌となった『ラ・マルセイエーズ』で、かれこれ200年も名指しで糾弾されているとか、全然知らなかった。

     本の感想からは離れてしまうけど、アメリカはずっと「歴史が浅い」であるとか「若い国」と聞かされてきて、フランスは「革命によって古い王政から近代社会へ」と思ってきたもので、最初にアメリカ独立戦争の方がフランス革命よりも前と知った時は、しかもその頃日本は徳川10代将軍の時代だったっていうんだから、「何だよ、アメリカってそんなに若くないじゃん!」とか大層吃驚したものでした(←馬鹿〜)。

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著者プロフィール

ドイツ文学者、西洋文化史家

「2018年 『美貌のひと 歴史に名を刻んだ顔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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